童夢は、TOYOTA GAZOO Racingが主催するドライバー育成プログラム「TGR-DCレーシングスクール(TGR-DC RS)」において、「DOME F110」をベースとした童夢製フォーミュラレーシングカーがスクール車両として採用されたと発表した。
同車両は、すでにレーシングコースにおいて実走行で行われる二次選考の過程で使用が開始されている。さらに本スクールカーには、童夢が開発しFIA最新規格認証を取得したレインランプ「RL23C」も標準搭載され、ウェットコンディションでのレインランプ視認性の向上に寄与している。
DOME F110は、当初、国際自動車連盟(FIA)の新規格に準拠する国産レーシングカーとして、トヨタ自動車の支援のもと童夢によって生み出された。2015年から2023年まで9シーズンにわたりFIA-F4日本選手権で使用され、国内の多くの若手ドライバーが本車両を通じて実戦経験を積んだ。
2024年からは、新たに設定された「F110 CUP」レースの車両として活用され、引き続きカートから4輪へのステップアップ育成カテゴリーの現場で使用されている。F110ユーザーへの整備支援および部品供給体制も継続的に構築されている。
車両はFIA承認衝突試験及び静的荷重試験をクリアしたカーボンモノコック構造を採用し、前後にカーボン製衝撃吸収構造体を備えるなど、国際規格に準拠した設計となっている。パワーユニットにはTOM'S製2.0リッター直列4気筒エンジン(160 PS)を搭載し、トランスミッションには戸田レーシング製6速シーケンシャルギアボックス(パドルシフト)を採用している。
また、スクールカーには長期間にわたる公式採用を支えるために電装系に近代化改修を施している。
搭載されたレインランプRL23Cは、常時点滅(レインランプ用4Hz)、または常時点灯の2つの回路を内蔵している。4Hz点滅回路を利用して既存競技車両の規則準拠用として使用できるだけでなく、常時点灯回路をパワーマネージメントデバイスに接続することで、ストール、ピットレーンなど様々な周波数での点滅発光に対応できる。
本製品のレンズには、他社製品に見られるような拡散用レンズの飛び出しがなく、接触などによるレンズの脱落や破損が減少することを見込んでいる。また、発光体の基板に熱伝導率の高いアルミナ基板を使用し、薄型軽量化を図っている。
レインライトとしての最新FIA規格準拠品であるため、さまざまな競技カテゴリーにて使用が可能となっており、童夢製競技用車両であるF110シリーズだけではなく、問い合わせを受けた一般競技車両ユーザーの方にも販売を予定している。
童夢は、今後もF110やFIA公認部品を通じて、国内外のレーシングプログラムに高品質な車両と部品を供給し、より良い競技用製品を提供することで日本のモータースポーツ産業の発展に貢献していく。