日産『ジューク』のシステムアップを考えたときに、オーナーの村重さんにとって中心的なユニットになったのがESBのハイエンドスピーカーであるESB8000シリーズだった。広島県のM.E.I.のインストール&調整を経てライブ感たっぷりのサウンドを車内に溢れさせた。
◆異形のミッドレンジをAピラーにビルトイン
中高域スピーカーの取り付けは美しく高精度



信号系と電源系の配線を干渉しないようにレイアウトした、ラゲッジインストールを実践した村重さんのジューク。前編でお伝えした通り、ラゲッジは省スペースに多数のユニットを凝縮した作り込みが美しく機能的だ。そんなシステムのサウンド面の中核となったのが、フロントスピーカーとして選んだESBのユニットだった。
ショップでスピーカーを試聴する中から見つけ出したのが、今回ジュークに採用することになったESBのESB8000シリーズだった。
「試聴した際の印象が非常に良かったことと、他に取り付けているユーザーを見かけなかったことが導入の決め手でした。とにかく音のきれいさ、色っぽさを両立していることが好みです。ツヤ感とパキッとした音を両方備えているのがこのスピーカーの魅力です」
こうしてESB8000シリーズのフロント3ウェイをインストールすることに決定した村重さん、Aピラー/ドアミラー裏に、ミッドレンジ/ツイーターをインストールするスタイル。個性的なグリル&異形のバッフル面を持つミッドレンジを巧みにAピラーを加工することで、美しくビルトインで取り付けている点が見どころのひとつだ。
◆ミッドバスをインナー取り付けすることで
普段のドライブでも自由に使いこなせる環境を作る。


ESB8000シリーズのミッドバスはドアの純正位置へのインナー取り付けとし、シンプルなインストールスタイルに。普段使いも考えてのことだろう。サウンド面では先にも紹介した通り、ESB8000のクリアさと艶感を両立したサウンドがオーナーのお気に入り。そこから再生される女性ボーカルが特に心地良いという。
「気に入ってるのはライブ感があるサウンドです。女性ボーカルを聴くことが多いのですが、生々しさを感じられるサウンドを楽しんでいます」
コクピットを見ると、Aピラー/ドアミラー裏のミッドレンジ/ツイーターがゴールドのグリルを備えていて、かなりインパクトのあるデザインだ。これだけでコクピット全体をオーディオカーらしい雰囲気に仕上げている。しかしデジタルプレイヤーやDSPの操作部はダッシュにコンパクトにまとめるなど、シンプルなインストールで純正イメージを大きく崩していないのも特徴だ。
◆メディアプレイヤーとDSPの操作部を
ダッシュの一等地に整然とレイアウト




システムとしては、アウネのメディアプレイヤーであるGTS1を用いて、リゾルトのDSPであるM-DSPで信号処理を行った上で、サウンドサスペンションのパワーアンプに出力するものだ。コクピットにはアウネとリゾルトの表示部/操作部が整然と並べられているのが印象的。運転席から見やすく手を伸ばせばどちらも操作できる位置にレイアウト。しかもダッシュ中央部のDINスペースをうまく利用して違和感なくスマートに設置しているのも見どころ。
その上に取り付けられているディスプレイオーディオはSIMカードをセットしたAI-BOXを接続して、スマホとの連携なしで通信に接続して地図などを自由に利用できる仕様としている。
高音質化と普段の使い勝手を両立させた、村重さんのジューク。お気に入りのサウンドを再生するハイエンドなシステムを導入しつつ、省スペースな取り付けや操作性、使い勝手にこだわった作り込みを共存させているのも独特。ジュークを大人仕様に仕上げ全方位で楽しめるクルマとしている。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請け負い。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。