北米発祥で世界一過酷とも呼ばれるデザートレース 「BAJA1000」の2024年大会で、能戸知徳選手がクラス優勝を果たした「JAOS」(ジャオス)、その足もとを支えていたのはトーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL」(オープンカントリー R/Tトレイル)だった。

JAOSでは今年のBAJA1000に向けて、新たにレクサス『GX550h』をベースにしたレース車両を製作中だが、長年JAOSでは市販車のカスタムも得意としている。そこでR/Tトレイルはストリートではどのような走りをするのか、レクサス『GX550 オーバートレイル+』とともにJAOS代表の赤星 大二郎さんの休日に密着して話を聞いた。
JAOSのマシンの足元から支えるトーヨータイヤ、長年のパートナーシップは製品開発にも活かされる

赤星さんにとってもトーヨータイヤのオープンカントリー R/Tトレイルは特別な存在になっている。TEAM JAOSとしてBAJA1000に参戦した初年度から「OPEN COUNTRY R/T」を履いて参戦、さらに昨年からは新登場したR/Tトレイルを採用するなど、レースシーンでの高い信頼関係を築いてきた。これまで数多くのオフロードマシンを手がけてきた赤星さんはプライベートカーでもR/Tトレイルを利用するユーザーでもある。

ここで改めてオープンカントリー R/Tトレイルについて紹介しよう。R/T(ラギッドテレーン)と呼ばれるカテゴリーのタイヤであるR/Tトレイルは、本格オフロードカテゴリーであるM/T(マッドテレーン)とオンロード寄りでありながらオフロードをバランスさせたA/T(オールテレーン)とR/Tの中間的な性格を持つタイヤだ。

さらにR/Tトレイルは環境に配慮したサステナブル素材を使用している点にも注目。再生ビードワイヤー等の採用することで環境に優しいサステナブル性能を高めている。

まずは、すでにご存じの読者も多いだろうが、昨年のBAJA1000(SCORE World Desert Championship 57th SCORE BAJA 1000)において、JAOSの社員ドライバーである能戸選手がドライブしてStock Full(市販車無改造)クラスで優勝したレクサス『LX600』への装着とBAJA1000における優位性について語ってもらうことにした。
「BAJAにはこれまでもオープンカントリーR/Tを採用してきましたが、昨年は新作となるR/Tトレイルを用いて参戦しました。その理由の1つに快適性が上げられます。BAJA1000は全行程の864マイル(約1,390km)にもおよぶロングでハードなコースを走るため、疲れにくさやドライブしやすさは非常に大切な要素になります。その点R/TトレイルはよりA/Tに近い性格を持つタイヤのため、長時間のレーシングスピードの走行でも疲れが少ないのが魅力だと感じています」

「さらにコース上にはロック、マッド、サンドなど、様々なコース状況があることも特徴です。幅広い地形に対応する性能も、R/Tトレイルを選んだ理由でした。BAJA1000全コースでのフィーリングはドライバーである能戸のみが知るのですが、事前のテストを含め能戸の印象もとても良かったです」

実際に能戸選手は、通常ドライバーが交代しながら走るBAJA1000をなんと1人で全工程の864マイルをドライブし、実にその時間は29時間も走り続けていたという。能戸選手の優勝を支えたのも、まさにR/Tトレイルがその走りを足元から支えていたからに違いないだろう。

そんなTEAM JAOSは2025年のBAJA1000への参戦体制をすでに発表している。新しいマシンとして選ばれたのはレクサスGX550h、あえて“ハイブリッド”をベース車両として選んだのも“持続可能なモータースポーツ”を標榜してとのこと。スローガンとなった“The Challenge of Going Carbon Neutral”からもその思いが伝わってくる。

今年も昨年の優勝マシンの足もとを支えたオープンカントリー R/Tトレイルとのコンビが決まっている。昨年の実績やフィーリングの良さはもちろんだが、R/Tトレイルの特徴のひとつでもあるサステナブル素材の使用も、JAOSのチームコンセプトとも合致することもチョイスの理由となった。
クルマ選びの譲れないポイントは“走破性”、厳しいプロ目線の要求を満たすオープンカントリー

ストリートでのオープンカントリー R/Tトレイルの印象はどのようなものなのだろう。そこで赤星さんに普段乗るクルマを聞いてみた。
「ファミリードライブやオフロード遊びで乗ることが多いのはランクル70系(78)です。オーストラリア仕様の2ドアのロングバン、V8 4.5リッターのディーゼルターボエンジンを搭載し5速マニュアルの組合せとなる国内に設定のないクルマです、質実剛健かつシンプルな70系が気に入って数台乗り継ぎこのクルマに行きつきました。魅力はどこにでも行ける全天候型の4WDだという点、そして家族を連れてキャンプやレジャーの荷物もたっぷり積み込める点です」

「もう1台がBAJA1000のベース車両として採用したGX550 オーバートレイル+です。こちらはジャケットを羽織るようなシーンでも利用できる、上質な4WDとして利用しています。例えばゴルフに行くようなシーンもそのひとつです。70系がワークブーツのようにラフに使いこなすクルマなのに対して、GX550はもっとフォーマルなフィーリングを感じさせるクルマなんです」

「ただし年を重ねても私のクルマのチョイスとして“走破性の高さ”は譲れません。その点、乗り心地や快適性・上質感と高い走破性を両立しているのがGX550なのです。スキーへ行くにも今ならGX550を選びます。理由は電子デバイスのレベルの高さです。雪道や不整地を気兼ねなく走るのにも向いているクルマです」
ワイルドなルックスに反して静粛性が抜群!#たたかうオプカンはストリートを快適に駆け抜ける

そこで赤星さんがGX550に乗ってゴルフに向かう日に同行させてもらい、使用シーンの中で実際に感じたオープンカントリー R/Tトレイルのリアルなインプレッションを聞くことにした。向かったのは長野県のゴルフコース「太平洋クラブ 軽井沢リゾート」だ。道中は適度なワインディングもあり、様々なシーンでタイヤのフィーリングを体感できるドライブコースだ。

「ゴルフコースまでにもっとも強く感じた印象は静粛性の高さです。特にこのGX550は元々非常に静粛性が高いクルマです、そのためタイヤによるノイズ低減がストレートに感じられます。またA/Tに近い乗り味も含めてドライブでの疲れにくさを感じました。ストリートにおいてもGX550と組合せた際の快適性能が特に感じられるタイヤだと感じました」
ちなみにGX550には片側10mm以内で車検対応のオーバーフェンダーである「フェンダーガーニッシュ type-X」を装備、足元には「JAOS TRIBE CROSS」(18×8.5J+41 6H139.7、カラー:マットガンメタリック)xオープンカントリー R/Tトレイル(275/70R18)の組合せだ。

「走りの性能や快適性はもちろんですが、R/Tの特徴であるラギッドデザインも見どころです。特にサイドウォールにブロックを持つことでラギッド感を強く感じさせるのが良いですね。オフロードでの走破性の高さも自慢のGX550オーバートレイル+ですから、デザイン的なマッチングも抜群だと感じています」

さらにエクステリアにはJAOSを代表するアイテムの1つである「マッドガード」、オフローダーとしてのワイルドさを強調するため「フロントバンパーガード」や「フェンダーガーニッシュ」さらにドレスアップだけでなく実用性も高いアイテムとして「スキッドプレート III」や「ドアハンドルプロテクター」そして「サイドステップ」を装着。都会的でスタイリッシュなオーバーランドスタイルでまとめられた。
普段の道のりを、より快適&スムーズにしてくれることを実感したGX550 オーバートレイル+とオープンカントリー R/Tトレイル。肩肘張らずに“楽で上質”な乗り味が得られるこの組合せは、赤星さんのお気に入りだそう。快適に使いこなせるオープンカントリー R/Tトレイルはストリートでの適性も高いことがわかった。

過酷なレースシーンでのオープンカントリー R/Tトレイルのポテンシャルの高さを知る赤星さんだからこそ、カッコだけではなく高い性能をバランスしているインプレッションは説得力が違う。ランドクルーザー250などの、大型SUVにも抜群に相性のよいR/Tトレイル。大型SUVオーナーはぜひ装着してみることをおすすめする。
TOYO TIRES『OPEN COUNTRY R/T TRAIL』の詳細はこちら《取材協力:太平洋クラブ 軽井沢リゾート》