愛犬への愛を込めて、ロールスロイスが180枚のベニヤで特別な寄木細工をカスタム…EV『スペクター』にワンオフ

ロールスロイス『スペクター・ベイリー』
ロールスロイス『スペクター・ベイリー』全 8 枚

ロールスロイス・モーターカーズは10月2日、米国在住の長年顧客のために製作した世界で一台だけの特別なコミッション作品『スペクター・ベイリー』を発表した。

【画像】ロールスロイス・スペクター・ベイリー

この車は、顧客が愛するラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーのミックス犬「ベイリー」と、ベイリーとの日々に捧げられた愛らしいオマージュとなっている。

最大の特徴は、後部座席間のリアウォーターフォールに配された寄木細工の肖像だ。この精巧なアートワークは完成まで4か月以上を要し、180枚を超えるベニヤを組み合わせて製作された。職人たちは多種多様な天然ベニヤを探究し、木目の方向、色調、質感を組み合わせて試行を重ねた。

ベイリーの舌の表現には、ロールスロイスでは初使用となる4種類のベニヤ(パープル・ハート、チューリップウッド、ラウロ・ファイア、ペア)を組み合わせ、微妙な色調変化を表現している。最終的に9種類のベニヤが用いられ、22の自然な色調を活かすことで、温かみと写実性を兼ね備えた肖像が完成した。

ダッシュボードの助手席側には、ベイリーの肉球の跡を正確に再現したデザインが施されている。このデザインは、ドアシルに配されたビスポーク・ローズゴールドのトレッドプレートを縁取るフレームにも刻まれ、ドアを開いた瞬間にささやかな喜びをもたらす。

ボディは「クリスタル・フュージョンを重ねたビューティフル・ベイリー」で仕上げられ、ベイリーの耳の柔らかな毛並みから着想を得た色調となっている。上部は光の当たり方によって微細に色彩が変化するダイナミックな虹色仕上げで、シルバーのコーチラインにはベイリーの肉球の跡を再現したデザインが施されている。

インテリアはモカシンとクリーム・ライト・レザーで仕上げられ、ベイリーの毛色を彷彿とさせるダーク・スパイスとキャスデン・タンのアクセントが美しく引き立てている。ウッド・サーフェスには高光沢仕上げのロイヤル・ウォールナットのベニアが使用されている。

顧客は「生涯にわたる自動車愛好家であると同時に、動物愛好家でもある。愛犬ベイリーは家族の大切な一員」とコメント。「この先何十年もベイリーのことを思い起こさせてくれる、美しいものを形にできる機会だと考えた」と語っている。

ロールスロイス・モーターカーズのヘッド・オブ・ビスポーク、フィル・ファーブル・ド・ラ・グランジュ氏は「ビスポーク・コミッションの大きな喜びの一つは、顧客の世界に入り込み、そのビジョンの背後にある唯一無二の物語に触れること」と述べ、「この愛らしいコミッションは、インスピレーションがあらゆるところからもたらされることを改めて物語っている」とコメントした。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. スバル『フォレスター』試乗して分かった日本車に対する本音とは…9月の試乗記ベスト5
  3. 日産の新型SUV『テクトン』、写真公開…2026年発売へ
  4. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
  5. 「かっこよすぎて悶える」ホンダ『プレリュード』レーシングカー公開!SNSでは「来年が楽しみ」と活躍に期待
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る