サカイサイクル(大阪市住之江区)は、ジャパンバイクショー2025において、災害対応自転車「レスキューバイク」を初公開する。ジャパンバイクショー2025は10月15日・16日に有明GYM-EX(江東区有明)で開催される。主催は一般財団法人自転車産業振興協会。
サカイサイクルのレスキューバイクは、シマノ製電動ユニットを装備した、前1輪+後2輪の、3輪タイプの電動アシスト自転車だ。したがって正確には“バイク”ではなく“トライク”になる。レスキューバイクは、物資の運搬はもちろん、ベンチを装着すれば運転者1名に加え前席に2名乗車可能だ。
最小回転半径が1.35mと小回りが利き、傾斜7度の坂道でも走行可能だ。重量70kgで大人2人で持ち上げられるていどなので、軽自動車にも積載できる。価格は100万円前後で調整中で、2026年度中の販売を予定している。
開発の背景には、2018年の西日本豪雨災害がある。道路寸断・倒壊建物により消防車両や救急車両が救助現場に到着できず、資機材などの搬送に時間と労力が取られた課題を受け、サカイサイクルでは「効率的に物資搬送できれば、もっと救助現場に人員を投入できたはず」という想いから開発に着手したという。レスキューバイクの事業主体はサカイサイクル、制作は森井製作所、開発に堺市消防局が協力した。
サカイサイクル、ソリューション事業部の小川真次長は「災害時にはもちろん平時にも活躍できる自転車だ。イベントなどで親子でレスキューバイクを体験し、災害について考えるきっかけになる。また、自転車に自身で乗ることが難しい人にも乗れるので、風を受けて走る自転車の気持ちよさを感じてもらえる」とコメント。福祉車両としての活用も期待される。