VOLK RACING(ボルクレーシング)の大定番モデルとして君臨するRAYS(レイズ)の代表的なホイールである「TE37」シリーズ。シンプルな6本スポークを備えたレーシーなデザインに新たなモデルとして「TE37GC」がラインアップに加わった。レイズ史上で初採用となるバフ・ブラッシュドの特別な仕様と重量級SUVやEVに向けた耐荷重が魅力だ。
23インチ×A.S.T.×高耐荷重という『TE37GC』の新基軸

TE37と言えばボルクレーシング、そしてレイズを支える超スタンダードモデルになっているのは多くの読者もご存じだろう。TE37は長い歴史の中で進化モデルやバリエーションモデルなど、時代の変化に合わせた多彩なモデル展開を実施してきた。そんな中、新たに生まれたTE37のラインアップが「TE37GC」だ。レイズ初の23インチサイズの設定やバフ/ブラッシュド仕様のフィニッシュ、さらには車両の高重量化に合わせた高耐荷重を備えてのデビューとなった。
「TE37GC」は、そのデザイン性が見どころだ。カラーにはA.S.T.クリスタルバフ (CB)/A.S.T.クリスタルブラッシュド (AB)/セミグロスブラック (SG)の3色が用意されているが、中でもクリスタルバフとクリスタルブラッシュドに注目した。このカラーはバフやブラッシュドでありながら、クリア感が飛び抜けて美しいのが特徴。従来のホイールではなし得なかった美しいバフ・ブラッシュド仕様になっているのが一目で理解できる仕上がりなのだ。

その美しさの秘訣になっているのはカラーネームとしても付加されている、新技術の「A.S.T.」(ADVANCED SURFACE TECHNOLOGY/特許出願済)にある。A.S.T.の技術を用いた表面処理がこれまでにない表面フィニッシュを生み出しているのだ。同技術の細部情報は非公開ながら、その概要を紹介する。
一般的にはバフやブラッシュドの処理を施した上にクリア層の皮膜を施すと、従来の処理方法では若干のくすみ感が出てしまう。そこでクリア処理を施す前のバフ・ブラッシュドに独自の処理を施すことでクリア処理を施しても透明感を損なわないことに成功しているのだ。

バフ仕上げではホイール表面を研磨したまま輝きを保ち、ブラッシュドではマシニング加工によるエッジ感もしっかりと備わっているレイズならではの新しいフィニッシュとなったのだ。クリア層を感じさせないアルミの質感をしっかりと表現したデザインが大きな魅力となる。
デザインとカラーの魅力、6スポークの立体感×A.S.T.の透明感

ところでバフやブラッシュド仕上げのデザインテイストは北米をはじめとした世界的な注目を集めている中、従来のバフ、ブラッシュド仕上げではなく、一歩先行く質感の高い独自フィニッシュとしたことが新色(クリスタルバフ、クリスタルブラッシュド)の特徴。A.S.T.の技術を用いて仕上げた両カラーはボルクレーシングの中でも早くも広がりを見せ、「TE37 SAGA S-Plus」にも採用されるなど、投入モデルが拡大中なのにも注目したい。

フォルムはTE37伝統の直線デザインの6本スポーク、しかも23インチの大径サイズなのでスポークの伸びやかさは際立っている。スポークはリム側で大きく屈曲してリムを掴むデザインなのも力強さを感じさせる。またスポークは外周側で大きく持ち上がりセンターパートに向かって滑らかに落ち込んでいくコンケーブラインを描き、装着した際の足もとに立体感を生み出すのも魅力だ。

特に前出の新カラーであるクリスタルバフ、クリスタルブラッシュドは、スポークに独特の陰影を付けて深みと曲面を強調したデザインをより強調させているのも独特のテイストだ。
23インチが拓く適合レンジと高剛性、900kg耐荷重で超重量級SUV/EVに

さらに「TE37GC」のもうひとつの注目点は23インチ設定による対象車種の広がりだろう。レイズとしては初となる23インチモデルのリリースはかなりのチャレンジングな試みとなった。近年の大排気量ハイパワーカーや超重量級EVなどに適合する23インチをターゲットに定め、それに見合ったクオリティとデザインを注ぎ込んだのも「TE37GC」の独自性を感じさせる部分。
23インチ化にあたってはモータースポーツからフィードバックされた解析技術などをフル活用し、金型鍛造工法の限界に挑戦するモノづくりが実践されている。こうして23インチモデルでありながらも鍛造による軽量、高強度のハイスペックなモデルを生み出すことに成功しているのだ。

23インチサイズをラインアップしたことにより、対応車種は欧州の大型SUVなどを中心に幅広く適合する。具体的にはメルセデスベンツ『Gクラス』やランボルギーニ『ウルス』に加え、メルセデスAMG『G63』、メルセデスベンツ『GLS400d』、BMW『 X7』、アウディ『RS Q8』、ランドローバー『ディフェンダー』、ポルシェ『カイエン』、ベントレー『ベンテイガ』など注目車種がズラリと適合モデルに名を連ねている。

さらに「TE37GC」は23インチ化に加えてハイパワー化、高重量化した車両に合わせて強度面のアドバンテージを高めているのも大きな特徴となっている。耐荷重は900kg/1本とし、高重量+ハイパワーの車両の足もとを支えるのにも十分なスペックを持たせた。
通常設定よりも107%の耐荷重性能を備え、加えてレイズの独自強度基準であるJWL+Rにももちろん適合している。鍛造による軽さに加えて、高い強度を誇るモデルに仕上がっているのもデザイン性だけで見せるドレスアップホイールとは一線を画している点だろう。

レイズ初の取組みとして23インチモデルの投入、さらにはクリスタルバフ、クリスタルブラッシュドの象徴的なカラーラインアップの設定などの注目の進化ポイントを備えた「TE37GC」。レイズが技術的な新しい取組みを投入する際には定番モデルであるTE37を先行させる場合も多い。
このモデルがすべてのスタートとなり、やがてはレイズのスタンダード技術へと成長していくことも少なくない。新しいトレンドを作り出すこともTE37に課せられた宿命の1つなのが「TE37GC」に込められた新技術を見ていると理解できるだろう。レイズが「TE37GC」に込めた進化に乗り遅れるな。
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