BMWは現在、主力『3シリーズ』の高性能バージョンとなる「M3」および「iM3」新型を開発中だ。そのうち、M3次期型「G84」の最終デザインが見えてきた。最新情報をもとに予想CGを描いた。
フル電動版の iM3の予想CGをすでに公開したが、今度は内燃機関を搭載モデルのM3だ。この新型パフォーマンスセダンは、ハイブリッドアシスタンスシステムを搭載し、さらなるパワーとスピードを発揮する可能性が高い。
M3の歴史は、コードネーム「E30」の初代モデルが発表された1986年に遡る。当初は2ドアモデルのみだったが、第2世代「E36」以降、ラインナップは4ドアモデルへと拡大した。現行型となる第6世代は、2020年秋に初公開され、2024年春にフェイスリフトを受けている。そして今、BMWは、2つのバリエーションで提供される新型を準備している。
M3ファミリーで公道で最初に目撃されたのは、M3としては異例のプロポーションを持つフル電気自動車の iM3セダンだった。内燃機関搭載モデルのM3では、クラシックな後輪駆動のプロポーションと、より伝統的なインテリアトリムを備える。プロポーションの違いを除けば、両バージョンのスタイルは類似しており、BMWが「ノイエクラッセ」と名付けた新しいデザインが採用されている。

M3次期型のノイエクラッセ要素には、ヘッドライトと視覚的に一体化した、水平に伸びたスリムなキドニーグリル、格納式ドアハンドルを備えたよりシンプルなサイドトリム、独特な形状の水平テールランプ、トランクリッド下部に配置されたナンバープレート用リセスが含まれる。ベースモデルの3シリーズと差別化された特徴としては、大きく張り出したホイールアーチと、現行M3よりも間隔が広く取られた4本出しエキゾーストパイプが挙げられる。
そして何と言っても注目すべきは、現行M3デビュー時に多くの批判を受けた巨大キドニーグリルの変更だろう。ただし、M3が象徴的な存在であることを考えると、ノイエクラッセも議論を巻き起こすことは間違いない。

パワートレインは、メルセデスAMG『C63』を4気筒ターボエンジン搭載のPHEVに改造したメルセデスAMGとは異なり、M3次期型は、現行の3.0リットル6気筒ツインターボエンジンの改良版を搭載した、マイルドハイブリッドパワートレインを採用すると予想されている。トランスミッションに統合されたバッテリーと電気モーターの追加により、現行の最上級グレード「CS」の、550psを上回る出力を発揮する見込みだ。
M3次期型は、早ければ2027年頃にデビューし、同年に生産開始の予定だ。フル電気自動車の iM3はその1年前に発表される。