オムロン、和歌山県田辺市で公共ライドシェア実証へ…観光客向け交通空白解消めざす

実証運行を開始する田辺市
実証運行を開始する田辺市全 3 枚

オムロン ソーシャルソリューションズは、11月1日から和歌山県田辺市で公共ライドシェアサービスの導入に向けた実証運行を行うと発表した。

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この取り組みは、観光シーズンでの交通空白解消および移動活性化に向けた取り組みとなる。

現在、地方都市では自治体財政のひっ迫や人手不足により、地域交通サービスの維持が難しくなり、住民の移動手段が不足する「交通空白」の課題が顕在化している。

和歌山県田辺市でも、インバウンド需要の影響もあり海外観光客数が増加する一方、春や秋などの観光シーズンには想定を上回る観光需要に対して既存の交通インフラだけでは十分に対応しきれない状況が生じており、「オーバーツーリズム」が顕在化している。

特に、世界遺産の熊野本宮大社や熊野古道など数々の観光名所を有する本宮地区では、外国人宿泊客数が2024年に過去最多(前年比1.66倍、4万4540人)となり、年々増加している。

課題解決に向け、同社は公共ライドシェアサービス「meemo(ミーモ)」で培った地域公共交通構築に関するノウハウを活かし、田辺市が実施主体となる実証運行に取り組む。

具体的には、朝の時間帯は龍神自動車による定時定路線型の乗合バスの追加運行、夕方の時間帯には10人乗りのレンタカーを活用し、大臣認定講習を受講した本宮地区の地元住民が運転する公共ライドシェアを実施する。

そして、年々増加する外国人観光客向けには、多言語対応によるバス案内板やパンフレットの掲載を行う。

これらにより、外国人を含めた田辺市を訪れる観光客の移動における利便性向上の実現に貢献する。

さらに、今回の取り組みを通じて収集したデータを基に、観光産業の活性化や地域交通空白解消に向けたコンサルティングを行うことで、田辺市における地域全体での移動活性化に向けた持続可能な交通施策実行の実現、ひいては地元経済の発展を支援する。

同社は、約60年にわたる公共交通ソリューションの提供を通じて培ってきた業界知見・技術により、交通空白の課題解決に向けたソリューション提供を加速させ、持続可能な地域社会の創生に貢献していく。

《森脇稔》

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