インテリアスジャパン合同会社は、日本のモビリティ産業への長期的なコミットメントのもと、10月29日からのジャパンモビリティショー2025に出展、30日にプレス説明会を実施した。インテリアスのジャパンモビリティショーへの出展は初めて。
インテリアスはウクライナで創業したソフトウェア企業で、モビリティ事業を中核に展開する。半導体からクラウドまでをつなぐエコシステムを構築し、SDVに対応する開発をパートナーと推進する。東京ビッグサイトでは、AIアシスタントを搭載したマルチパーパスなデモプラットフォーム「IntelliKit(インテルキット)」を実演している。
モビリティ事業担当副社長のユルゲン・フリーゼ氏は、インテリアスの使命は「人間の体験と知能的ソフトウェアをつなぐこと」だという。「クラウド、AI、組込み技術の融合は、モビリティ体験そのものを再定義する。IntelliKitは、それを支える“チップからクラウドまで”のエコシステムを具現化したものだ」と語る。
デモプラットフォーム IntelliKitは「より速い機能提供と、安全で直感的な車内体験を実現」をテーマに、クラウド・AI・組込み技術を統合したモビリティ向け技術プラットフォームだ。IntelliKitとしては第3世代になる。自動車の作動状況を入力すると、それに応じてインストルメントクラスターやインフォテインメントのデモ画面が反応する。
IntelliKitはクアルコムSA8295P 第4世代 Snapdragon Automotive Cockpit Platform上に構築され、Rightware のKanzi One、Android Automotive、QNX Hypervisor、QNX RTOSを統合している。さらに、SoundHound AIによる生成AI 音声アシスタント、Android向けOpenCV およびQNX 向けYOLOv8を活用した物体検出・認識、そしてAndroid 向けのカスタムアプリストアを搭載する。
第3世代の特長として、最新の3D UI/UX タッチスクリーン、3SSの3Readyマルチメディアアプリの統合、Parktronic 機能を備えたLeopard製カメラおよび超音波センサーの搭載をあげられる。
IntelliKitのアプリはOSに依存しないのが特徴だ。インフォテインメントはオープンAndroidで構成されており、OSに依存せず柔軟に環境へ対応可能だという。地図データの開発プロセスにも適用できる。地図開発には本来、車両による実走行テストが必要で高コストだが、IntelliKitを用いることで、室内でシミュレーション環境を再現できる。
このように、IntelliKitはコンセプト検証や開発段階のデモツールとして活用される。車載ハードウェア上で動作するので、将来的には車の標準的な開発環境を形成することも期待される。また自動車業界でSDV化が加速する中でソフトウェア開発の負担は増大している。IntelliKitによって、特殊な環境でしか扱えなかった車載開発が、スマートフォンのように直感的に操れるようになるかもしれない。
IntelliKitを採用している自動車メーカーは、全ては公表されていないが、ZEEKRをはじめ10社以上の大手メーカーとの開発協業が進行中だという。日本国内ではゼンリンやルネサスなどとのパートナーシップを拡大している。
今回の出展は、インテリアスにとってアジア市場におけるグローバル展開の重要な一歩となる。インテリアスは、日本の自動車産業を先端ソフトウェアとモビリティソリューションで支援する、長期的な取り組みを意図しているのだ。
ジャパンモビリティショー2025における展示内容は以下の通り
-- 次世代インフォテインメントおよびAI駆動型ナビゲーション
-- 組込みカメラとAIアルゴリズムによるリアルタイム物体認識
-- SoundHound社の技術による自然対話型の生成AI音声アシスタント
-- AppStore連携、Mapboxナビゲーション、刷新されたユーザーインターフェース


 
                               
                               
                              

