トヨタ自動車は、11月4日に米国で開幕するSEMAショー2025において、EV『bZ4X』をカスタマイズした『bZタイムアタックコンセプト』を初公開すると発表した。
このコンセプトカーは、タイムアタックサーキットとヒルクライム競技の両方に対応できるよう設計された専用のEVマシン。ベースとなるのは改良新型のAWDモデルで、標準仕様でも338hpを発揮し、0~96km/h加速を4.9秒で達成する。コンセプトカーではトヨタR&Dがチューニングした電気モーターにより300kW(400hp超)のパワーを全輪に供給する。
トヨタ bZタイムアタックコンセプト
開発にあたっては、バッテリー性能と重量配分のバランス調整、EVプラットフォーム向けの攻撃的なワイドボディとエアロパッケージの設計などが重視された。
これらの課題解決のため、レーザースキャニング、CAD開発、大型3Dプリンティングを組み合わせたハイブリッド製造手法を採用した。ケンタッキー州ジョージタウンのトヨタAdd Labが中心となり、フェンダーアーチをデジタルモデリングし、フルスケールで3Dプリンティング後、手作業で仕上げを行った。
トヨタ bZタイムアタックコンセプトその結果、標準車高から6インチ低下、トレッド幅を6インチ拡大し、リアウイング、サイドスカート、フロントスプリッター、リアディフューザーを含む完全統合エアロパッケージを実現した。
シャシーにはTEINコイルオーバーとスプリングを装着し、制動性能はトヨタの「86カップ」と「カローラTC」レースプログラムから転用したアルコンシステムとホークパッドで大幅に向上させた。FIA規格の4130クロモリケージでシャシーを補強し、内装にはOMPのHTE-Rレーシングシートとハーネスを装備している。
トヨタ bZタイムアタックコンセプト足回りには19×11インチのBBSアンリミテッドホイールに305/30ZR19 XLコンチネンタルエクストリームコンタクトスポーツ02タイヤを組み合わせ、エアロダウンフォースに加えてグリップも大幅に向上させた。
ボディワークはカスタムPPGパール/メタリックホワイト、メタリックブラック、レッドの3色スキームで仕上げられ、積層造形と従来のレースカー製作技術の融合を示している。トヨタにとってbZタイムアタックコンセプトは単なるコンセプトカーではなく、次世代EVモータースポーツ開発のためのテストベッドとなっている。




