ヤマハ『R7』が全面進化! 電子制御、シャシー刷新で示す「ミドルスーパースポーツの新たな可能性」

ヤマハ R7(YZF-R7)2026年モデル
ヤマハ R7(YZF-R7)2026年モデル全 26 枚

ヤマハ発動機は、人気のミドルクラススーパースポーツ『R7(YZF-R7)』の2026年モデルを欧州で発表した。新型R7は、より洗練された走行体験と信頼性の向上を目指し、大幅な技術革新を遂げている。

【画像】ヤマハ『R7』2026年モデルの詳細と70周年カラー

◆「R1」ゆずりの6軸IMU搭載

ヤマハ R7(YZF-R7)2026年モデルヤマハ R7(YZF-R7)2026年モデル

最大の特徴は、『YZF-R1』で開発された6軸IMUの搭載だ。これより、包括的な電子ライダー支援機能とYRC(ヤマハライドコントロール)ライディングモードを導入することが可能になった。6軸IMUは前後・上下・左右の加速度と、ピッチ・ロール・ヨー方向の角速度を常時測定し、リアルタイムでECUにデータを送信する。

電子制御システムには、3段階のパワーデリバリーモード、リーン角対応トラクションコントロール(TCS)、スライドコントロール(SCS)、リフトコントロール(LIF)、ブレーキコントロール(BC)などが含まれる。さらに、エンジンブレーキマネジメント(EBM)、バックスリップレギュラー(BSR)、ローンチコントロール(LC)も搭載している。

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新機能として、ヤマハチップコントロールドスロットル(Y-CCT)を搭載。ライダーのスロットル入力をECUが瞬時に計算し、最適なスロットル開度を決定することで、689ccCP2エンジンからよりリニアなフィーリングを引き出すことに成功した。

よりスムーズでスポーティなギアチェンジを実現するために、1速から3速までのオスとメスのドッグギアの噛み合い歯数を5枚から6枚に増加。4速から6速までのドッグギアの角度も変更し、スロットルの開閉時のバイクの挙動への影響を軽減し、よりスムーズなギアシフトを実現している。さらに、ヤマハの第3世代クイックシフトシステム(QSS)の導入により、全体的なシフト操作がさらに強化され、さまざまな設定でクラッチを使わずにシフトアップおよびシフトダウンが可能となった。

◆フレームを「ほぼ全て変更」、ライポジも大きく変化

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シャシー面では、フレームのパイプレイアウト、直径、厚さ、補強材をほぼ全て変更し、重量を維持しながら捩り剛性、縦剛性、横剛性を向上させた。41mmの倒立フロントフォークにはアルミニウム製ピストンロッドを採用し、350gの軽量化を実現している。

新たにスピンフォージドホイールを採用し、ブリヂストンのバトラックスハイパースポーツS23タイヤを装着。これにより、軽量でアジャイルなハンドリングを実現する。

ライディングポジションも見直され、ハンドルバーの位置変更により上半身の動きが楽になり、燃料タンクの再設計で前後の体重移動がしやすくなった。シート高は5mm低い830mmとなり、アクセシビリティが向上している。

◆5インチディスプレイで広がるアクセシビリティ

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5インチフルカラーTFTディスプレイを新搭載し、4つの選択可能なテーマに加え、専用のトラックモードも用意。スマートフォンとの連携により、電話やメッセージ、天気情報の表示が可能で、ガーミンStreetCrossアプリによるナビゲーション機能も利用できる。

さらに、Y-TRACアプリを使用することで、ラップタイムやセクタータイム、リーン角、エンジン回転数、ギアポジション、スピード、スロットルポジションなどのマシンデータをログ記録し、プロレーサーのような詳細な走行分析が可能となる。

◆次世代Rデザインを採用、70周年記念カラーも

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デザイン面では、次世代Rシリーズのスタイリングを採用し、空力性能の向上を図っている。フェアリングの幅をスリム化し、フロンタルエリアを縮小。ヘッドライトレンズの新設計により空力効率が向上し、チンスポイラーの形状変更でラジエーターへの空気流量も増加している。

カラーリングは、ヤマハ発動機の70周年を記念し、1999年のR7を彷彿とさせる白と赤の70thアニバーサリーカラーを用意。その他、アイコンパフォーマンスとミッドナイトブラックも選択可能だ。70thアニバーサリーカラーは、『YZF-R125』、『YZF-R3』、『YZF-R9』にも採用されることも明らかになっている。

欧州では2026年4月より販売を開始する。ミドルクラススーパースポーツ市場における新たなベンチマークとなることが期待される。

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《レスポンス編集部》

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