ヤマハ発動機は11月4日からイタリアのミラノで開幕した「EICMA 2025」に、電動モトクロスバイクのコンセプトモデル『YE-01』を出展した。
「YE-01」は、カーボンニュートラルの実現に「FUN」でアプローチする電動モトクロスバイクのコンセプトモデルとして、フランスの電動二輪メーカー「Electric Motion SAS」と共同開発している。
ヤマハは、電動トライアルバイク『TY-E』によるFIMトライアル世界選手権への参戦や、同社がパワートレインを提供する「Lola Yamaha Abt Formula E TEAM」でのABB FIA フォーミュラE世界選手権に参戦している。今回の「YE-01」では、これまでの過酷なレース環境で得た、制御技術や熱エネルギーマネジメントなどの知見も活用し、電動モトクロスカテゴリー「MXEP」への2026年の参戦を目指す。
ヤマハの電動モトクロス『YE-01』
MXEP参戦の目的は、ヤマハの技術的専門知識とライダーの経験を強化し深めることで、将来に向けて貴重なデータ、知識、理解を提供することにある。Electric Motion SASは2009年の創業以来、電動オフロードバイクおよびトライアルバイクの幅広いラインナップを展開し、オフロード界における存在感を高めてきた。トライアル世界選手権、世界最高峰の電動オフロードバイクレースシリーズであるFIM E-Xplorerワールドカップなどで好成績を残しており、それぞれのノウハウを融合することでEVベースの技術をさらに探求する。
YE-01は、ヤマハの定評あるコントロール性と安定感を確実に実現するために、2026年モデルの『YZ450F』と共有する最新仕様のシャーシを採用。KYB製フルアジャスタブル・スピードセンシティブ・フロントサスペンションとリアショックアブソーバーは、優れた接地性と衝撃吸収性を提供。ライダーはより激しく、より長くレースを楽しむことができ、ヤマハの市販MXバイクに限りなく近いライディングエクスペリエンスを実現するという。
また、最新のYZ450Fのデザインコンセプトを踏襲したコンパクトでスリム、滑らかなボディとフラットなシートは、快適な移動を提供すると説明している。
ヤマハの電動モトクロス『YE-01』パワートレインは、MXGPレベルのパワーを発揮する水冷式電動パワートレインを搭載。モーターには油圧クラッチを組み合わせ、バッテリーの配置はYZ450Fのリバースヘッドエンジンレイアウトに倣い、最適な重心位置を確保している。市販モデルにも採用されるパワーモードやトラクションコントロールなどのライダーアシスト機能によって、あらゆるレースコンディションに最適なセッティングを実現し、あらゆる状況で最大限のパワー、トラクション、そしてフィーリングを得ることができるという。
ヤマハは全社環境目標として、2050年までに事業活動を含む製品ライフサイクル全体のカーボンニュートラル達成を掲げている。今後も、電動化を含め、サステナビリティに寄与するさまざまな技術の研究・開発を推進し、マルチパスウェイでカーボンニュートラルの実現を目指すとしている。YE-01の活躍が、ヤマハの次世代のバイクづくりにどのような影響をもたらすか、注目だ。
ヤマハの電動モトクロス『YE-01』



