フォーミュラEと国際自動車連盟(FIA)は11月5日、次世代フォーミュラEマシン「GEN4」を発表した。
2026/27年のABB FIAフォーミュラE世界選手権でのデビューを予定している。
GEN4は、フォーミュラE史上最も先進的なレースカーとして設計された。最大600kW(約815hp相当)の出力に加え、レースのあらゆる局面で機能するアクティブ四輪駆動を搭載する。これにより、ホイール・トゥ・ホイールの接近戦と、ファンの度肝を抜くような息をのむ瞬間を生み出すことを目指している。
技術面では、GEN3 Evo比で出力が50%向上した。450kWの最大レース出力と、オーバーテイク時に発動する600kWのアタックモードを備える。さらに700kWの強化型回生ブレーキシステムを搭載し、レースエネルギー容量も最大55kWhへと拡大した。
サステナビリティの面でも革新的だ。GEN4はモータースポーツ史上最もサステナブルなレースカーとして、構造には100%リサイクル可能な素材(そのうち20%以上が再生素材)を使用。モーター効率はほぼ100%、エネルギーの40%を回生し、構成部品はすべて100%リサイクル可能となっている。
デザイン面では、2種類の明確に異なる空力コンフィギュレーションを採用。予選でのパフォーマンスを最大化する高ダウンフォース仕様と、レース本番に特化した低ダウンフォース仕様を使い分ける。
今後はポルシェ、日産、ステランティス、ジャガー、ローラの各メーカーによるテストプログラムに入る。各メーカーのエンジニアや技術者は、自社の最先端技術を導入し、パワートレインおよびエネルギーマネジメント分野で培った専門知識を活かして性能調整を行い、2026/27シーズン開幕時のデビューに向けて、マシン性能を限界まで高めていく。
フォーミュラEのジェフ・ドッズCEOは「GEN4は、単なるレースカーではない。それは、電動レースの分野における10年以上にわたる進化、革新、そして情熱の結晶」とコメントしている。




