中国から高級ミニバンが日本上陸だ。ボルボカーズなどの親会社、ジーリー(吉利)ホールディング・グループのプレミアムEVブランド「ZEEKR(ジーカー)」から『009』が販売されることが発表。「ジャパンモビリティショー2025」で日本初公開となり、話題を集めている。
ZEEKR 009は、全長5209mm×全幅2024mm×全高1812mmという堂々たるボディサイズに、最大7人が快適に過ごせる広大な室内空間を実現した高級MPV。国内プレミアムセグメントで初となる大型電動MPVとして、日本の顧客に斬新で特別な選択肢を届ける。今回初公開となった009は、もちろん右ハンドル車だ。
ZEEKR 009(ジャパンモビリティショー2025)
2列目にはマッサージ機能付きキャプテンシートを装備。レッグレストや、シートヒーター、ベンチレーション、ヘッドレストスピーカーなど、多くの快適機能を標準搭載している。車内には至るところにイルミネーションが散りばめられ上質な空間を演出。スライドドアの内側にはデジタル時計が埋め込まれているのも斬新だ。
また、120km/h走行時で64.5dBという優れた静粛性を実現。高速巡航時でも会話や音楽を快適に楽しめる高級MPVにふさわしい車内環境を提供する。また大型パノラマガラスルーフが自然光を取り込み、車室内を明るく開放的に演出する。
ZEEKR 009(ジャパンモビリティショー2025)140kWhの容量を持つCATL製の第3世代バッテリー「Qilin」が搭載され、航続距離は822km(ZEEKRテスト値)を記録。前後デュアルモーターによる最大出力は450kW(612hp)、最大トルク693Nmを発揮。車重は2870kgにもかかわらず、0-100km/h加速4.5秒という動力性能を実現している。
デザインは、元アウディのステファン・シーラフ率いるスウェーデンの「Zeekr Global Design Center(ジーカー・グローバル・デザインセンター)」が手がけ、洗練された北欧の流れを汲んだ車両に仕上げている。大型MPVでありながらCd値0.27という優れた空力性能を実現。存在感を放つ縦型フィン構造の大型フロントグリルや、1.47mに及ぶ一体型テールライトバーなど、プレミアムカーとしての風格と先進性を両立している。
ZEEKR 009(ジャパンモビリティショー2025)日本での販売を手がけるのは、これまで、海外OEMに製造委託するファブレス・モデルで「F1」シリーズをはじめとする商用EVを市場投入してきたフォロフライ。今回のZEEKR 009では、同社が培ってきた日本市場導入におけるノウハウを活用し、現在全国で拡充を進めている同社アフターサービスネットワークとの連携により、顧客に安心して利用できる体制を整えるとしている。
ZEEKR 009は中国だけでなくすでに販売を開始しているオーストラリアやシンガポールなどで高い評価を得ているという。今回のジャパンモビリティショーでは、メルセデスベンツが高級ミニバンのコンセプトを日本公開したが、トヨタ『アルファード』やレクサス『LM』、そして話題の6輪ミニバンの新型レクサス『LS』など高級ミニバン市場が賑わいを見せている。ZEEKR 009が日本市場に受け入れられるか、注目だ。




