日産自動車は、公益社団法人発明協会が主催する「令和7年度 関東地方発明表彰」において、2つの先進技術で受賞したと発表した。
「CO2排出削減を実現するシリンダーボア溶射膜」に関する特許が神奈川県発明協会会長賞を、「ハンズオフ機能付き自動運転技術」に関する特許が発明奨励賞をそれぞれ受賞した。表彰式は11月20日に水戸市民会館で開催される予定。
シリンダーボア溶射膜技術は、エンジン内部の摩擦抵抗を低減することで燃費向上とCO2排出削減を両立する日産独自の先進技術だ。従来の鋳鉄ライナーに代わり、アルミニウム合金製のシリンダーブロックにステンレス材を溶射することで、軽量化と高耐食性を実現している。
これによりEGR(排気再循環)システムの採用拡大が可能となり、排気ガスの浄化性能が向上する。本技術は2022年2月より『エクストレイル』と『ローグ』に採用されており、グローバルでの採用が進んでいる。
開発をリードしたCP&車両性能技術開発本部 材料技術部の平山勇人氏は「この技術は、燃費向上と環境負荷低減を両立するために、不可能を可能にする挑戦と開発・生産双方の創意工夫によって生まれた」とコメントした。
ハンズオフ機能付き自動運転技術は、同一車線内でハンズオフを可能にする技術で、ProPILOT 2.0に採用されている。ドライバーが常に前方に注意し、道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、ハンズオフが可能だ。
ProPILOT 2.0は2019年に『スカイライン』への搭載を皮切りに、『アリア』、『セレナ』に搭載されている。事故の未然防止を目指す日産の長年の運転支援研究の成果であり、快適で疲れにくいドライブ体験を提供する。
開発をリードした電子技術・システム開発本部 AD/ADAS先行技術開発部の伊東敦氏は「ProPILOT2.0は、より多くの顧客の運転を支援することで、安全なモビリティ社会の実現を目指して開発した」と述べた。
日産は「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」というコーポレートパーパスに基づき、革新的な商品や新技術を通して、持続可能な社会の実現を目指している。




