フォルクスワーゲン(VW)の命運を握ると噂されている、次世代コンパクト電気クロスオーバーがある。その市販型プロトタイプをスクープ班のカメラが初めて捉えた。
【画像29枚】『ID.クロス』コンセブトカーとどう変わった?
この新型は、9月に開催された「IAA 2025」で初披露された『ID.クロス』コンセプトの量産仕様であり、『ID.ポロ』のクロスオーバーバージョンとして投入されるが、ID.ポロよりはるかに人気が出ると期待されているモデルだ。
スペインで捉えたプロトタイプは、まだカモフラージュで覆われているものの、これが量産開発終盤のデザインだとして、コンセプトカーに驚くほど近い印象を持つ。
短いオーバーハング、丸みを帯びたノーズ、そしてわずかに絞り込まれたテールを備えている。フロントエンドでは、コンセプトカーで見たスリムなヘッドライトを装備、後部ではテールライトもコンセプトカーを彷彿させる。量産仕様の大きさは、小さな地上占有面積から最大限のキャビンスペースを確保するようにデザインされたコンセプトカーの数値に近いものになるだろう。全長は約4160mmで、サブコンパクトEVクラスの中央に位置している。
VW ID.クロス 市販型のプロトタイプ
キャビンには、大型インフォテインメントスクリーン、改良された物理スイッチ類が、採用されるはずだ。コンセプトカーからの継承が期待されるディテールは、折りたたみ式シートだろう。コンセプトカーでは、前席と後席を折りたたむことで、前後にわたって完全にフラットな荷室空間を実現できる。
プラットフォームは、小型EVの新世代前輪駆動モデル向けに調整された「MEB」プラットフォームの最新進化版を採用する。コンセプトカーは、最高出力約211ps / 155kWのモーターを1基搭載すると発表され、これが量産モデルの出力の目標値になる。ただし市場を広げるため、低出力仕様がラインナップに加わるかもしれない。コンセプトカーではバッテリー容量が明らかにされていないものの、WLTPモード電気走行距離は420kmとされており、この数字が量産仕様のツーリング性能を示唆する。
ID.クロスの量産型は、2026年夏に生産開始予定で、価格は3万ユーロ(約470万円)以下が予想されている。




