全国から388台が集まる! AOG湘南里帰りミーティング2025で見た“オーテック愛”

オーテックオーナーズグループ湘南里帰りミーティング2025
オーテックオーナーズグループ湘南里帰りミーティング2025全 41 枚

11月15日、オーテックオーナーズグループ湘南里帰りミーティング2025が神奈川県の大磯ロングビーチで開催された。

【画像】41枚、愛を感じるんだ!

オーテックブルーを思わせる澄みわたった空と海に抱かれたうららかな陽気の中、広大な会場を埋め尽くしたのは、かつてのオーテックジャパン、現在の日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)カスタマイズ事業部が手がけたオーテック車たちだ。日本全国からオーナーが集い、毎年恒例の里帰りを果たした。

オーテックジャパンがオーナーへの感謝を示す場として、前身のオーテックオーナーズフェスティバルを初開催したのは2004年だ。台風による中止やコロナ禍でのオンライン開催を経ながら、リアル開催は今回で18回目。メーカー主催のオーナーズミーティングとして先駆けとなったこのイベントは、初回から会場となる大磯ロングビーチで今や風物詩といえる存在になった。

◆AOG最大級の里帰りオフ会、参加台数が示す熱量

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また、自社製車両のオーナーを対象にNMCが運営するFacebookグループページ、オーテックオーナーズグループ(AOG)にとって最大級のオフ会としても位置づけられる湘南里帰りミーティング。ユーザーと開発や製造に携わる社員が直接コミュニケーションできるのは、ユーザー主体のオフ会ではなかなか望めない貴重な機会だ。

オーテックグレード設定車の増加と人気を受け、参加申し込みは年々増えている。今年の申し込み受理数は420台と400台を超えた昨年をさらに上回り、実際の来場は過去最高の388台に達した。参加車両は『ノート』と『セレナ』が2トップで、日産の売れ筋モデルらしい顔ぶれだ。オーテックに加えてNISMOもラインアップする『オーラ』も多く見かけた。

◆マーチ12SRからボレロA30まで、希少オーテック車が続々

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根強い人気を誇るのが、惜しまれつつ新車ラインアップから外れた『マーチ』だ。多数派はK12型のスポーツグレードとして設定された12SRで、K13型のNISMO系もかなりの数を占めた。

興味深いのがK13型の「ボレロA30」。オーテックジャパン30周年の2016年に製造された145mm拡幅のワイドフェンダーと手組みエンジンを備えるスペシャルモデルで、30台限定という希少車が8台も集まる機会は湘南里帰りミーティングならではだろう。比較的新しい車種や実用車系以外にも、バリエーション豊かなオーテック車が集結した。

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『GT-R』や『フェアレディZ』、WC34型『ステージア260RS』、『シルビア』のオープンモデルであるS13型コンバーチブルやS15型『ヴァリエッタ』といったスポーツモデルに加え、P10型『プリメーラ』、R31型『スカイライン』、A31型『セフィーロ』など80~90年代のオーテックバージョンも顔をそろえる。さらにN15型『パルサーVZ-R N1』、U12型『ブルーバードSSS-R』、B12型『サニーVR』などコンペティション系モデルも来場した。

◆西部警察のテーマで開幕、最新モデルと未発表車の特別展示

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セダン系ではスカイラインが最多で、100台限定のV37型「NISMOリミテッド」やR33型の4ドアGT-Rこと「GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」も含まれていた。現役タクシーの『セドリック・ブロアム・ロングVIP』や『グロリア・ロイヤルリムジン』といったY31型、Y51型『フーガ』の最終仕様、『レパードJフェリー』などのアッパークラスからG11型『ブルーバード・シルフィAXIS』までそろい、オーテックの幅広い仕事ぶりを感じさせる。

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個性的なクルマに目を奪われていると、日産ファンならずとも心躍る『西部警察のテーマ』が会場に響き渡った。開会セレモニーは日産テクニカルセンターの従業員と関係会社の社員で構成される日産自動車吹奏楽団の生演奏でスタート。続いて神奈川県警の白バイ、世界に1台というGT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリーをベースにしたパトカー、そして新型『リーフ・オーテック』が入場した。

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オーテックの最新作となるリーフ・オーテックで登場したのは、SUPER GT GT500クラスの23号車「モチュール・オーテックZ」をドライブする高星明誠選手と、2025オーテックレースアンバサダーの高岡みほさん。3年目の高岡さんに対し、今年から23号車のドライバーを務める高星選手は初参加。出身地はオーテックの本拠地のお隣、平塚市で、学生時代に大磯ロングビーチでアルバイトをしていたというエピソードがオーナーの心を一気につかんだ。開会の挨拶は2025年6月に就任したNMCの真田裕CEO。

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恒例の表彰では北東/南西各方面から最も遠く来場した遠来賞に、北海道からのセレナと佐賀からのオーラが選ばれた。走行距離の長い過走行大賞は38万8000kmのプリメーラが受賞し、会場から大きな拍手が送られた。オーナーカーに負けじと会場を彩ったのがオーテック/NISMO仕様の現行車だ。リーフや『ルークス』などの最新モデルに加え、福祉車両、海外仕様ながら日本導入が期待される『パトロールNISMO』までずらりと並び、熱心に車両説明を受ける来場者の姿も目立った。さらに発表前のモデルも特別公開された。

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VRゴーグルでCG動画を視聴する形式ながら、いち早く新型オーテック車を確認できるとあって順番待ちの列ができる人気ぶりだ。まだ画像をお見せできないのは残念だが、ベース車のデザインとオーテックグリルの親和性は高く、風格とスポーティさを両立した仕上がりにオーテック乗りがさらに増えそうだと感じさせた。

◆家族もマニアも楽しむ一日、40周年へ続く見送りの風景

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家族連れに向けたコンテンツも充実した。ゲームコーナーや、かつてSUPER GTを走ったモチュール・オーテックGT-Rの運転席乗車体験はキッズで大盛況。一方、フェアレディZ GT4のホワイトボディや若手技術者が腕を磨くために作ったステンレスのダイスなど、市販車につながる技術力の一端を見せる展示はマニアの関心を集めていた。ステージでのトークショーもこのイベントの名物だ。

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午前はカスタマイズ開発実験部のシニアエキスパートドライバー高澤仁氏と、カスタマイズプロジェクト統括部の成富健一郎氏、カスタマイズデザイン部の山本賢司氏が登壇し開発の裏側などを語った。午後はスペシャルゲスト2人が登壇し、今季SUPER GTの振り返りや会場で気になったクルマについてトーク。高星選手は、幼い頃にカート場へ通った父親の愛車が、オーテックの手がけた『エルグランド』だったと明かし、ここでもオーテックとの浅からぬ縁が浮かび上がった。

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その後はガソリンギフト券を賭けたじゃんけん大会、閉会式、集合写真撮影でプログラムを終えたが、もうひとつ欠かせないのがお見送りだ。真田CEO以下スタッフが総出で約1時間手を振り続け、参加者も手を振り返して帰路に着く笑顔の光景が広がる。これも湘南里帰りミーティングの恒例である。

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来年はオーテックジャパン40周年の節目を迎えるが、メーカーとユーザーの垣根を超えたこの一体感はきっと変わらず続いていくだろう。

《関耕一郎》

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