「空調」がクルマを変える! カルソニックカンセイをルーツに持つ「ハイリマレリ」が巻き起こす“新風”…ジャパンモビリティショー2025

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ジャパンモビリティショー2025、ハイリマレリブース
ジャパンモビリティショー2025、ハイリマレリブース全 26 枚

空調関連をはじめとしたサーマルマネジメントを手がけるハイリマレリが「ジャパンモビリティショー2025」に出展。ヒートポンプシステム、車載電動コンプレッサー、ロータリーベーンコンプレッサー、空調ユニット、高電圧ウォーターヒーター、ブラシレスモーターなどのコア製品を展示し、自動車の空調システム全般をトータルで手がけるメーカーであることをアピールした。


◆カルソニックカンセイをルーツに持つ

ジャパンモビリティショー2025、ハイリマレリブースジャパンモビリティショー2025、ハイリマレリブース

ハイリマレリと聞いてピンと来る読者は、かなりの自動車業界の情報通ではないだろうか。しかしそのルーツが「カルソニックカンセイ」にあると聞けばクルマを知るユーザーには馴染みの深いものだろう。

ハイリマレリはカルソニックカンセイをルーツに持つマレリと中国のハイリ(海立)が2021年に設立したメーカー。カルソニックカンセイは空調や熱交換器などを含めた自動車向けの部品メーカーとして高い技術力を備えたブランドだったのはご存じの通り。一方、ハイリグループはロータリー式エアコンコンプレッサーの世界トップ3メーカーとして、その製品は主に家庭用空調などの分野で利用されている。長年にわたり蓄積してきた技術開発力を活かし、ハイリは早くも2010年前後には、業界をリードする新エネルギー車空調用の電動スクロールコンプレッサーを市場に投入していた。そんな両社によって誕生したのがハイリマレリだ。同社はハイリのコンプレッサー技術と、カルソニックカンセイの時代から培った自動車部品開発の技術やノウハウなど、それぞれの優位性を融合した自動車部品メーカーとなった。

ジャパンモビリティショー2025、ハイリマレリの展示ジャパンモビリティショー2025、ハイリマレリの展示

家電と自動車部品という別カテゴリーの事業分野なので、それぞれに仕事の進め方やノウハウがあることもハイリマレリが生まれた大きな理由になっている。

例えば、家電用コンプレッサーは小型で流通・輸送が容易なため、基本的に中国本国で集中生産される。対して自動車パーツ、例えば同社が手がける空調ユニットはかなりの大型になる。しかも車両メーカーの工場で実装することになるためメーカーの工場の近くで製造する必要がある。そんな拠点関係の計画ひとつを取っても家電と自動車部品製造では大きな隔たりがある。だからこそ両社の融合は大きな意味があったとも言える。

◆「統合システム化」で生み出されるメリット

ところで、中国企業であるハイリとのジョイントベンチャーを組むことに対する抵抗はなかったのだろうか? ジャパンモビリティショー2025のプレスデーに開催されたプレスカンファレンスで説明を行い、加えて私たちの取材にも対応してもらった同社CCO・COOの名城敏夫氏が、当時の経緯を語ってくれた。

「ハイリグループはもともと日本のメーカーと組んでいたこともあり、日本に対する理解やリスペクトが非常に強い企業風土がありました。また一貫してものづくりをしてきた企業であること、品質に対する高い意識を持つ点などで我々とも共通点があると考えられ、接しやすい企業だったことがジョイントベンチャーとして組むことを可能にしたのだと考えています」

ハイリマレリCCO・COOの名城敏夫氏ハイリマレリCCO・COOの名城敏夫氏

そんなハイリマレリは自動車部品としての新しい取り組みを積極的に手がけている。その大きな柱となるのが「統合システム化」だ。電動コンプレッサーやヒートポンプ、高電圧ウォーターヒーター、空調ユニットなどの多岐にわたるユニット類は現在別々に存在する。クルマの中ではパイプ配管などを介して、キャビンやエンジンルーム内のあちこちに配置されている。それをモジュール化して組み合わせることで、ひとつのユニットに統合することが同社における大きな開発テーマになっている。

モジュール化することによって小型化、高効率化、軽量化、省電力化など、さまざまなメリットが生まれることが予想されている。また車両メーカーにとっても空調関連の機器を統合システム化することでスペース効率や軽量化などを含めてメリットは多い。ハイリマレリでは次世代の自動車ではそんな統合システム化、モジュール化が進むことを予測した開発が進んでいる。

◆ジャパンモビリティショー2025で披露された最新技術の数々

低温ヒートポンプ向け統合型EDC低温ヒートポンプ向け統合型EDC

このような技術を持つハイリマレリはジャパンモビリティショー2025に親会社である中国のハイリグループと共同で初出展した。その出展ブースには統合システムをはじめとした同社の最新技術を具現化したプロトタイプが展示され注目を集めた。

同社のブースは「Thermal~インテリジェントの未来を創る」をテーマに展開され、ハイリマレリの次世代への取り組みが具体的にわかる展示が用意された。先にも紹介した統合システム化、モジュール化における代表的なアイテムとなったのが「低温ヒートポンプ向け統合型EDC」だ。このユニットは電動コンプレッサー(EDC)と高電圧ウォーターヒーターの制御をひとつのユニットに統合したのが特徴。基盤やインバーター部を一体化できることで省スペースや省電力を実現できるのが魅力。コンプレッサーの脇に薄型・小型の高電圧ウォーターヒーターが融合されているのもコンパクトで印象的だった。

xEV用コンプレッサー(ETSシリーズ)xEV用コンプレッサー(ETSシリーズ)

またハイリマレリの出展ブースには、その他にも数多くの新技術を備えたユニット類が展示された。そのひとつが電動コンプレッサーだ。日々進化を続けている同社の電動コンプレッサーだが、ブースの展示台で分解したパーツを披露したのは「xEV用コンプレッサー(ETS)シリーズ」だ。こちらは渦巻き状の圧縮機の部分を新たに設計することで、より効率の良い圧縮を可能にしたモデル。

また「高電圧ウォーターヒーター」も小型・高効率を高めた新しい高電圧ウォーターヒーターとして注目を集めた。水を温めるヒーター部分を鋳込んで(一体化)設計されているため、小型で高効率が可能になった。

R290用EDCR290用EDC

近年、PFAS(有機フッ素化合物)による生体環境への影響が関心を集めるなか、PFASの一種である従来の自動車向け冷媒をPFASフリーの自然冷媒への切り替えが求められている。「R290用EDC」は自然冷媒であるプロパンガスを主成分とするR290冷媒に適合させた次世代の電動コンプレッサーとなっている。

さらにはハイリマレリの主力製品である空調ユニットについても、車両メーカーやエンドユーザーからの要望に応えるべく、次世代インテリアや車室内快適性の実現のために、更なるコンパクトでかつ低騒音や快適性を向上させる次世代製品の開発にも力を入れている。

自動車向けの空調サーマルシステムに関わるパーツ群を全方位で手がけるハイリマレリ。クルマの未来さえも左右することになる技術革新を積極的に実施、その一端が垣間見ることができるジャパンモビリティショー2025への出展となった。自動車向けサーマルマネジメントシステムとキャビンソリューションに新風を吹き込むハイリマレリに注目だ。

ハイリマレリの公式サイトはこちら

《土田康弘》

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