コンチネンタルのコンチテック部門は、バイオテクノロジー企業のコリピと提携し、CO2を豊富に含む排ガスを利用して微生物を培養すると発表した。
2026年夏からドイツ・ハンブルクのコンチテック拠点において、コリピ向けにスペースを貸与する。コリピは同拠点の生産設備から排出されるCO2を豊富に含む排ガスを利用して微生物を培養する計画だ。
この協業の目的は、世界最大級のバイオリアクターを設置することにある。バイオリアクター内では、バクテリアが二酸化炭素、水素、酸素を、パーム油などの植物由来油脂に代わる持続可能な代替品「クライメートオイル」などの有用なバイオ分子に変換する。
設置後、バイオリアクターはコンチテック拠点の蒸気生成システムから直接CO2を豊富に含む排ガスを受け取る。このプロセスによりCO2がバイオベース素材の生産資源に変換され、産業用炭素回収・利用技術の大きな前進となる。
コリピのチームはコンチテック拠点の屋上から排ガスサンプルを採取し、研究室で分析した。その後の実験は大きな成功を収め、蒸気生成による未処理の燃焼ガスがバクテリアの成長を阻害しないことが実証された。微生物は、46ppmの窒素酸化物や7ppmの一酸化炭素などの微量ガスが存在する中でも、CO2を炭素源として利用できた。
この結果は、コリピの生物学的プロセスの堅牢性を示すとともに、生物学的CCU技術が化学触媒方式に比べて排ガス品質の変動や不純物に対する耐性が高いという重要な利点を裏付けている。
コンチネンタルのコンチテック部門は、ゴム、プラスチック、金属製の産業製品に注力しており、素材の専門知識が鍵となっている。ハンブルクでは、エアスプリングや幅広い産業向けの中間製品として使用されるゴムコンパウンドを生産している。コンチテックの専門家は、バイオベース、カーボンニュートラル、リサイクル素材への移行に積極的に取り組んでいる。CCU技術の応用はコンチテック自身の事業にも関連しており、例えばコリピがハンブルクで生産を計画している製品は、コンチテックのゴムコンパウンドに使用できる可能性がある。




