横浜ゴムは、中国・杭州市の乗用車用タイヤ新工場の開所式を開催したと発表した。
式典には地域の多くの関係者が出席し、横浜ゴムからは清宮真二 社長兼COOが出席した。
新工場は2024年度から2026年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」のタイヤ消費財の成長戦略に掲げた「1年工場」の第一弾。「1年工場」は、技術・生産戦略の「よいものを、安く、スピーディーに」というモットーに即して低コスト・高効率生産を実現し、市場競争力の高い工場を1年間で立ち上げることを目標としている。
2024年12月に起工式を開催し工場建設を進めてきたが、当初計画より1カ月前倒しの11カ月でタイヤ生産を開始した。
式典で挨拶に立った清宮社長兼COOは、当初目標を上回るスピードで工場建設を成し遂げた多くの関係者の尽力に謝意を表すとともに「この新工場は横浜ゴムにとって、今後の持続的成長のための大変重要なプロジェクトであり、量産化のスピードを加速して市場に高品質、高付加価値の商品を1日でも早く届けられるよう全力で取り組んでいく」と述べた。
新工場の建設は杭州市の環境対応に伴う移転要請に応じたもので、横浜ゴムはこの移転を機に中国市場におけるさらなる需要増を確実に取り込むため、稼働中の既存工場に比べ生産能力を約300万本増強する。生産能力は年産900万本で、2026年第2四半期までには本格生産を開始する予定だ。
また、新工場ではEVなど新エネルギー車向けの高付加価値タイヤやハイインチタイヤの生産を強化する。
横浜ゴムは「YX2026」のタイヤ消費財の成長戦略において「1年工場」への挑戦のほか、高付加価値品比率の最大化を掲げ、その主力である「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」、そして18インチ以上のタイヤの拡販に取り組んでいる。また、各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を推進している。




