プジョー『207スパイダー』をEVレーシングカーに改造、仏学生チームのプロジェクトを3Dスキャン技術で支援…SHINING 3D

ESTACA Lavalの学生チームがプジョー『207スパイダー』を完全電動のヒルクライムマシンに改造
ESTACA Lavalの学生チームがプジョー『207スパイダー』を完全電動のヒルクライムマシンに改造全 3 枚

フランスの工学系高等教育機関ESTACA Lavalの学生チームが、SHINING 3DのFreeScan Trak Novaを活用し、プジョー『207スパイダー』を完全電動のヒルクライムマシンに改造した。

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チームの課題は、車両の俊敏性を維持し、FIA(国際自動車連盟)のモータースポーツ規則に準拠しながら、すべての熱機関の関連部品を高性能な電動パワートレインに置き換えることだった。

具体的には、エンジン、排気装置、燃料タンクなど熱機関の関連部品をすべて取り外し、総重量を約900kgに抑えながら220kW(約300hp)の電動パワートレインを搭載する。さらに、過度の重量増加なしに複数回のフルレース登坂を可能とする十分なバッテリー容量を確保し、エンジンマウント、バッテリー配置、冷却システム、電子機器など車両の内部構造を見直す必要があった。

これを実現するには、空力最適化、カスタム部品の設計、そしてチーム間の連携のために、ボディとシャシーの高精度かつ高解像度の3Dモデルが不可欠だった。そこで、SHINING 3Dの3Dスキャン技術が導入された。

まず、最高の精度を確保するため、Novaトラッカーの校正と設置が完了した後、ボディのスキャンを複数段階で実施した。作成された高精度の3Dモデルは、空力解析、ボディ改造、およびカスタムパーツ製作に活用される。

次に、ボディ部品を取り外してSHINING 3Dのスキャナーでシャシーをスキャンした。このステップは、電気部品のマウントやサポート構造の設計に極めて重要という。

このプロセスによって取得した完全かつ正確な3Dモデルは、モーター、バッテリーパック、冷却システム、配線などをデジタル上で正確に統合することを実現する。また、このモデルは機械的な制約の予測、利用可能なスペース内での部品配置の最適化などにも活用できる。

スキャンして後処理した結果、ボディの3Dモデル(空力解析用)とシャシーの3Dモデル(改造部品の設計用)の二つのファイルが得られた。これらのファイルは高精度のメッシュモデルであり、STL形式でエクスポート可能で、ESTACAの学生が使用する主要なCADソフトウェアと互換性がある。

このデジタル化のおかげで、各チームは車両を分解することなく、信頼性と使いやすさを兼ね備えた共通のベースから作業を進めることが可能になった。これにより、空力シミュレーション解析、部品マウントのカスタム設計、チーム間の技術的な計画立案が簡素化された。

ESTACAの学生が主導したFUJ-Eプロジェクトにおいて、SHINING 3Dは車両の全体3Dスキャンという重要な段階で技術サポートを提供した。現場では、技術指導や知識の共有を通じて、より深いパートナーシップが実現した。

2004年に設立されたSHINING 3Dは、高精度3Dデジタル製品の研究・開発・製造・応用に20年以上専念してきた。3Dビジョン技術の研究と革新に注力することで、アクセスしやすく、効率的で、ハイテクなソリューションを提供している。中国の杭州に本社を置き、日本の東京、ドイツのシュトゥットガルト、アメリカのサンリアンドロとタンパ、中国の成都、天津、香港で子会社を運営している。

《森脇稔》

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