【スズキ アドレス125 試乗】扱いやすさ&快適性は星5つ!“軽快125”の新スタンダード…伊丹孝裕

スズキ アドレス125
スズキ アドレス125全 49 枚

スズキの定番スクーター『アドレス125』が新型になり、2025年9月から販売が始まっている。エンジンやフレームを筆頭に多岐に渡る改良が施され、利便性の向上も図られた、その走りをお届けする。

【画像】スズキ アドレス125

50cc、100cc、110ccと様々な排気量を経てきたアドレスシリーズに、125ccモデルが加わったのが、2005年のこと。直近の大きなモデルチェンジは2022年10月に登場した「アドレス125」で、それをベースに進化したモデルが今回の試乗車となる。

◆控えめながら存在感のあるアドレスらしさ

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見た目は従来モデルの印象を引き継ぎつつ、灯火器類やエンブレム、フロアボード等のデザインを変更。ユーティリティの面では、フロントの収納ポケットが1個から2個になったこと、給油口にフタが付いたこと、リアキャリアが標準装備されたことが挙げられる。

広々としたフラットなシート、曲面を活かしたサイドカバー、オーソドックスな形状のヘッドライト。それらはどことなくクラシカルで、攻撃的な意匠はどこにもない。ソリッドアイスグリーンと呼ばれる車体色の効果も手伝って、落ち着きと華やかさがうまい具合にバランスしている。

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ここでいきなり昔話をすると、16歳の時にこの車名の初代となる「アドレス」(50cc/1987年)に乗っていた。その頃は、スクーターも“速くてなんぼ”の乗り物で、車名の後に「R」だの「RR」だの「SE(スポーツエディション)」だのが付け加えられたスポーツモデルが続々と登場する中、アドレスは乗り心地のいいシートと、その下にメットインスペースを確保。他とは方向性が異なる大人のスクーターだった。

なにが言いたいかというとつまり、アジアンテイストなスクーターが多い中にあって、けばけばしさが微塵もないアドレス125の佇まいは、初代アドレスに通じるところがあっていいなぁ、という話。サイズも排気量もエンジン形式もまったく異なるものの(38年も前だから当たり前)、控えめなこの存在感が好ましい。

◆意外なほどの軽やかさと、クラス最短レベルのホイールベース

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肝心の走りはどうか。これがちょっと意外というか、ここもやはり初代アドレスに通じるものがあるというか、おっとりとしたハンドリングを想像していると、その軽やかさにちょっと驚く。直立状態から少しリーンさせる時の手応えが特に顕著で、曲がろうという意思に対して間髪入れず、ヒラヒラスイスイと小気味よく反応してくれる。

勝手に長めなんじゃないかと思っていたが、1260mmのホイールベースは兄弟モデルの『アヴェニス125』よりも短く、同排気量帯のヤマハ車(アクシスZ/シグナスグリファス/NMAX)やホンダ車(PCX/リード125)と比較すると、さらに短い。

従来モデルより1kg軽く、ねじり剛性が25%アップしたフレームのおかげもあってか、動きは機敏そのもの。初代アドレスは、どちらかと言えばエンジンに頼るタイプの速さだったが、いずれにしても、おとなしい姿かたちとは裏腹に、きっちりスポーティな走りを披露してくれた。

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だからといって、足まわりが締まっているかと言えば、そんなことはなく、とりわけフロントフォークは腰のあるストローク感で路面を追従。リアサスペンションのフィーリングもわかりやすく、不安なくスロットルを開けていける。

SEP(スズキエコパフォーマンス)と呼ばれる空冷単気筒エンジンは、従来のものより最高出力が低下(8.7ps/6750rpm→8.4ps/6500rpm)している一方、最大トルクの出力はそのままに、発生回転数を500rpm引き下げている(1.0kgf・m/5500rpm→1.0kgf・m/5000rpm)。これが結構効いていて、街中の常用域では十分以上の力量で加速。低い速度域ではレスポンスのいい蹴り出しで加速し、そのままスロットルを開ければスムーズに車速が高まっていく。

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◆クラスの基準になる一台

筆者所有のジェットヘルメットの場合、このクラスのスクーターでシート下に収納できた試しはないので、それを除外した上で気になる点を挙げるとふたつ。ひとつは、スピードメーターを囲むように配されたイルミネーションの色が運転状況に応じてブルーやグリーンに切り替わるのだが、メーター内なので当然視界に入り、光のちらつきが結構気になる。

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もうひとつは、傾斜地でも車体が動かないように、ブレーキロックレバー(パーキングブレーキのようなもの)が装備されているのはありがたい一方、これを機能させるにはかなり力を要し、必ず両手の動作もともなうため、使い勝手は決してよくない。

もっとも、とりわけ動力性能においては、あらゆる場面で高い満足とパフォーマンスを発揮。大小様々な改良が盛り込まれ、それでいて車体価格は従来モデルから、わずか6600円アップの28万0500円に抑えられているのだから、このクラスの基準の一台になりそうだ。

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■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★★
快適性:★★★★★
オススメ度:★★★★

伊丹孝裕|モーターサイクルジャーナリスト
1971年京都生まれ。1998年にネコ・パブリッシングへ入社。2005年、同社発刊の2輪専門誌『クラブマン』の編集長に就任し、2007年に退社。以後、フリーランスのライターとして、2輪と4輪媒体を中心に執筆を行っている。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム、鈴鹿8時間耐久ロードレースといった国内外のレースに参戦。サーキット走行会や試乗会ではインストラクターも務めている。

《伊丹孝裕》

モーターサイクルジャーナリスト 伊丹孝裕

モーターサイクルジャーナリスト 1971年京都生まれ。1998年にネコ・パブリッシングへ入社。2005年、同社発刊の2輪専門誌『クラブマン』の編集長に就任し、2007年に退社。以後、フリーランスのライターとして、2輪と4輪媒体を中心に執筆を行っている。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム、鈴鹿8時間耐久ロードレースといった国内外のレースに参戦。サーキット走行会や試乗会ではインストラクターも務めている。

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