三井化学の韓国子会社、MDI生産設備を10万トン増強…年産71万トンへ

錦湖三井化学 麗水工場
錦湖三井化学 麗水工場全 1 枚

三井化学の韓国関係会社の錦湖三井化学は12月15日、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)の生産設備を増強すると発表した。

増強されるのは韓国全羅南道麗水市にある工場で、生産能力を年間10万トン増強し、現在の61万トンから71万トンへと拡大する。2026年2月に着工し、2027年5月の完工を予定している。

MDIは自動車部品や家具寝具、住宅や冷蔵庫の断熱材、弾性繊維や各種接着剤用原料など、多くの分野で使用されている代表的なポリウレタン主原料だ。

MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上政策の影響や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率5%で増加していくと見込まれている。

錦湖三井化学は自動車部品や弾性繊維、高難燃断熱材等に使用される高機能MDI(モノメリック系、変性MDIおよび高粘度ポリメリック系)と、住宅や家電の断熱材等に使用される汎用MDI(ポリメリック系)を生産、販売している。

本生産設備は2024年に20万トンの増強を実施し、既にフル生産となっている。今回の増強により、自動車材の需要伸長はもとより、高難燃断熱材に使用される高機能MDIの更なる需要拡大にも対応可能となる。

なお、今回の増強では、前回増強時に導入したリサイクル設備をフル活用し、MDI単位重量あたりのGHG排出量を削減する。これにより、カーボンフットプリント低減とエネルギー効率向上によるコスト合理化を同時に実現し、持続可能な生産体制の構築を目指す。

錦湖三井化学は、MDIのグローバルリーディングカンパニーを目指している。三井化学は今回の増強によって、今後も成長が見込めるMDI事業の拡大と、更なる高機能化を進めていく。

錦湖三井化学は1989年3月に設立され、資本金は350億ウォン。出資比率は三井化学が50%、錦湖石油化学が50%となっている。本社は韓国ソウル特別市、工場は全羅南道麗水市に位置し、MDIの製造・販売を事業内容としている。

《森脇稔》

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