「あのR30スーパーシルエットを」日産自動車大学校、学生によるカスタム3台出展へ…東京オートサロン2026

『Re30 スカイラインシルエット』 日産愛知自動車大学校
『Re30 スカイラインシルエット』 日産愛知自動車大学校全 4 枚

日産自動車は、日産グループの日産学園 日産・自動車大学校の学生が制作したカスタマイズカーを、2026年1月に開催される「東京オートサロン2026」に出展すると発表した。

【画像】日産・自動車大学校の学生が製作したカスタマイズカー

日産・自動車大学校は、全国に5校(栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校)あり、5校に共通する自動車整備の国家資格取得を目指す学科に加え、モータースポーツ系や車体系(板金・塗装)の課程をもつ自動車整備専門学校だ。

今回、車体系の課程を有する愛知校・京都校の学生たちが授業の集大成として制作した3台の車両を出展する。

『MARCH Eloura』 日産京都自動車大学校『MARCH Eloura』 日産京都自動車大学校

日産京都自動車大学校の自動車整備・カスタマイズ科4年生が6か月かけて制作した『MARCH Eloura』は、「街乗りスタイル、走りとデザインに特化」をコンセプトに、20~30代の家庭をもつ女性が街乗りに使うセカンドカーをイメージして制作された。

女性をターゲットにした車両の制作はカスタマイズ科として初の試みであり、女性の意見を積極的に取り入れた。車名の「Eloura(エルーラ)」とは、英語で「時代」を意味する「Era」とイタリア語で輝きを意味する「Luce」を掛け合わせた造語で、「過去から未来へ時代を超えて輝く一台にする」という想いが込められている。

ベース車両には、カスタマイズ科2期生が製作した「イタルマーチ」(K13マーチ)と「312ブルーバード」を採用した。サイズの異なるブルーバードをマーチのサイズに再構築するという技術的に難しい課題に挑みながら、随所に徹底的なこだわりを反映し、マーチのかわいらしさとブルーバードの丸みのある上品なデザインを併せ持つ、パイクカーのような外見に仕上げた。

ボディカラーは学生が考案したオリジナルツートーンカラー「Sky Mirage」(スカイミラージュ)。ボディ全体をブルー、ルーフ部分はホワイトにすることで、青空の中を雲が優雅に泳ぐようなイメージを表現した。

『Sunny Skyline』 日産京都自動車大学校『Sunny Skyline』 日産京都自動車大学校

日産京都自動車大学校の「Sunny Skyline」は、教員の間で復活を望む声が上がるほど好評を博したカスタマイズ科1期生が制作した初代『サニー』と、往年の名車である「ハコスカ」の二台を輝かせたいという想いから、「あの頃の輝きをもう一度」をキャッチコピーに「Sunny Skyline」の製作に取り組んだ。

ベース車両に「サニー」(KB10サニークーペ)、フロントに4期生のハコスカを採用し、45~55歳の車好きの男性向けの趣味車をイメージした。制作の過程で、ターゲット層に当てはまる先生や学生の父親の意見を取り入れた。

特徴的なオーバーフェンダーはいちから造形し、左右のバランスを均等にするために、精密な調整を何度も繰り返した。また、メッキパーツを採用したバンパーおよびドアミラーにおいては、繊細な作業が要求される再塗装を行っている。エンジンはコンパクトかつパワフルさで定評のある「S15シルビア」のSR20エンジンを搭載した。内装は高級感を演出するために特別にしつらえた木目調のパネルに張り替えるなど、懐かしさの中にモダンさを表現することで、コンセプトである「サニーとハコスカの面影を残しながら現代風に」を体現した。

ボディカラーは、現代らしい煌びやかさと重厚感を持ち合わせた、学生考案のオリジナルカラー「トーマレッド」である。今回のベース車両であるサニーとハコスカは貴重なモデルであることから、カラーも当時貴重とされていた赤色を採用した。

『Sunny Skyline』、『MARCH Eloura』、『Re30 スカイラインシルエット』『Sunny Skyline』、『MARCH Eloura』、『Re30 スカイラインシルエット』

日産愛知自動車大学校の自動車整備・カーボディーマスター科3年生が2.5か月かけて制作した「Re30 スカイラインシルエット」は、『スカイライン』のブランド力と、当時ファンを魅了した「スカイラインスーパーシルエット」の持つ圧倒的な威圧感と存在感に惹かれた学生たちが、セダンが少なくなった現代において、「再び、あの時のスーパーシルエットを」をコンセプトに制作した。

ベース車両に1980年代を代表するR30スカイラインの4ドアセダンを採用し、大迫力のスーパーシルエットと実用性を兼ね備えた4ドアの実現を目指した。車名につけた「Re」は、Reborn(再び、80年代の活気ある車を)、Respect(尊敬・敬意)、Remake(私たちが作り直す)を意味し、リアルタイムでスーパーシルエットを知る50代、60代の方々への懐かしい提案であると同時に、伝説的なレースを知らない若い世代にも、当時のモータースポーツのエネルギーを伝えたいという願いが込められている。

フロントバンパーはスーパーシルエットの巨大なフロントスポイラーを忠実に再現し、リヤフェンダーはスクエア形状のものを採用し、大胆に拡幅している。通常、ワイド化するとドアの開閉が困難になるが、学生たちの技術により十分なクリアランスを確保し実用性を維持した。フェンダーの拡幅に合わせてテールランプの位置も変更している。

内装は、80年代を知る世代の方には懐かしさを、若い世代の方には当時の雰囲気を味わってほしいという思いから、極力純正を活かしている。フロアマットは、シートのブルーが際立つよう、派手さを抑えつつもデザイン性をプラスした柄でオーダーメイドし、淵糸までこだわって製作した。

ボディカラーは、スーパーシルエットへのリスペクトから赤と黒をオマージュ。赤色部分にはラメを加えることで、派手さの中にも現代的な魅力を引き出すという、学生ならではのエッセンスを加えている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 分割式で取り付け簡単、MAXWINの金属製スノーチェーン「K-TIR08」発売
  2. 日産エクストレイル“NISMO”と“AUTECH”の魅力を元プロ野球選手・山﨑武司が語る!PR
  3. 日産、小型ミニバン『グラバイト』予告…2026年インド発売へ
  4. 「5速MTを残すのは漢」新型スズキ『ワゴンR』に反響続々! デザイン統一にも「思い切ったな」
  5. 『頭文字D』『MFゴースト』『昴と彗星』が東京オートサロン2026に集結、AE86・BRZ・86を展示
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る