【ヤマハ WR125R 試乗】“セロー・ロス”の受け皿になる!? 戦闘力、包容力の高さにロングセラーの予感…青木タカオ

ヤマハ WR125R
ヤマハ WR125R全 48 枚

ヤマハが1月30日に発売するニューモデル『WR125R』(53万9000円)。モトスポーツランドしどき(福島県いわき市)で行われたメディア試乗会において、その完成度の高さをはっきりと確認することができたぞ!!

【詳細画像48枚】ヤマハの新型『WR125R』

◆想像以上のオフロード走破力

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急激にパワーが立ち上がることのない穏やかなトルクフィールが、アクセルを大きく開けてオフロードを駆け抜ける楽しさを生み出している。

VVA(可変バルブ)を備えた水冷SOHC4バルブ単気筒エンジンは、高回転までよどみなく回るだけでなく、落ち込むことなく駆動力を着実に発揮してくれて頼もしい。

そして、フープスと呼ばれる凸凹が連続するセクションでも、躊躇することなく、どんどん前へ前へと突っ込んでいけるから驚かされた。

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扱いやすい出力特性はビギナーにとって大きな安心材料であると同時に、中級者以上のライダーにとってもワイドオープンで攻め込んでいける強みとなるのだ。

そこで肝心となるのがシャシーと足まわりだが、その点も抜かりはない。鋼管セミダブルクレードルフレームを骨格とした車体はしっかりとした剛性感を備えているし、前後サスペンションはストロークの奥で底付きせずに踏ん張りが効く。

大きな衝撃を受けても、車体が根を上げない。想像以上、クラスを超えたオフロード走破力を持っている。

◆待望の原2フルサイズトレール

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機動性の高さと経済性に優れることから大人気となっている原付2種クラス。しかしながら大事なピースが欠けている。それはフロント21/リア18インチのホイールを履く、オン/オフ二刀流のフルサイズトレールだ。

かつて、オフロードモデルのラインナップには125ccがあり、兄貴分として200~250ccがあった。例えば1988年のヤマハなら『DT125R』があり、ビギナーはそれで腕を磨き『DT200R』にステップアップしていった。

そんな話をしてしまっては、もはや時代錯誤なのかもしれない。しかし、バイクブームの頃を知る昭和のライダーたちはその魅力をよく知っているし、土の匂いに惹かれる熱きオフロードファンたちがまだまだたくさんいることはヤマハも熟知している。

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だからこそ今回、新型『WR125R』を開発するのあたってヤマハが購買層のメインターゲットにしたのは「40代の買い増し需要」だ。

原2オフローダーは国産では2000年式で姿を消したスズキ『ジェベル125』以来、じつに四半世紀以上もの時が経つ。待ち焦がれていたファンに、ヤマハは見事に応えた。

前後サスペンションはオフロード走行を気負わず楽しめることを主眼に開発されている。フロントフォークはインナーチューブ径41mmのKYB正立式で、215mmのストローク量を確保。初期荷重ではしなやかに動きながら、ボトム付近では底付きせずに踏ん張ってくれる。

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リンク式のモノクロスサスペンションもまた、ソフトな乗り心地と高荷重時での優れたダンピング特性を両立。187mmのホイールトラベル量を持ち、タフなオフロード走行にも十分対応する設計とした。

ブレーキはもちろん前後ともディスク式。フロントに267m、リヤに220mmローターを備え、コントロール性と制動力に文句はない。

◆オフロードライディングに適したライポジ

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最低地上高265mm、充分なサスペンションストローク量を確保しながら、シート高は875mmに抑えられている。身長175cm/体重65kgの筆者がまたがると、ブーツ底のカカトが浮く。片足立ちならベッタリとソールが地面に届く。

さすがはフルサイズ、ゆったりとしたライディングポジション。前後移動のしやすいシームレスな外装とシート形状で、着座姿勢からスタンディングへの移行もしやすい。

クッション硬度があって、路面や車体からのインフォメーションもライダーが感じやすく、前後左右に動ける自由度を最大限に確保している。

シート高への不安を解消するため、スタンダード比30mm座面を下げるローダウンシート(1万9800円)と、シート高を40mm落とすローダウンリンク(7700円)も用意され、装着車両をまたがることができた。シート高は805mmとなり、良好な足つき性を実現。ライダーの体格を問わない。

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また、オフロードコースだけでなく、一般道でもたっぷり乗った。クルマの流れをリードできる出力を持ちつつ、車格も大きいからツーリングに出かけても快適なのは想像に容易い。

高速道路は利用できないものの、長い距離もそつなくこなしそうで、そういったニーズに応えて、ショートスクリーン(1万4300円)やアドベンチャーフットペグ(2万1450円)といった純正オプションが新車発売と同時に設定され、装着車両も展示された。荷物を満載にして、旅に出るのもいいだろう。

◆早くもロングセラーの予感も!?

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国内向けオフロードモデルでは初採用となるVVA(可変バルブ)や、オフロード走行に配慮した車体設計など、さすがはWRを名乗るだけのことはある。

エンデューロレーサーから生まれた称号だが、その末弟は尖った戦闘力だけではなく、オフロードの楽しさや日常での扱いやすさも大事にされている。

低回転でも粘り強くトルクを発揮してくれるのも、特筆すべき持ち味だ。スピードが落ちきってしまうオフロードでのタイトコーナーでもトラクションを生み出すし、ストップ&ゴーを繰り返す街乗りでもクラッチミートに気を使う必要はない。

ヤマハ WR125Rヤマハ WR125R

歩くような速度でもクラッチレバーに指をかける必要はなく、トコトコとゆったりと走り、『セロー225』や『セロー250』のようなトレッキングバイクにも代わる役割を果たしてくれる。

自然を満喫しながらノンビリと走るといったシチュエーションも今回は味わうことができ、普段使いでの街乗りと休日の冒険、どちらも一緒に楽しめる相棒的な存在となってくれそうだ。

そしてセローがそうだったように、エントリーユーザーだけでなくベテランからも愛され続けるロングセラーになっていく可能性を秘めている。

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

ヤマハ WR125Rと青木タカオ氏ヤマハ WR125Rと青木タカオ氏
ヤマハWR125Rのサウンドは動画でお聞きください!!

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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