太陽誘電は12月23日、車載用受動部品に対する認定用信頼性試験規格「AEC-Q200」に対応した積層メタル系パワーインダクタMCOIL「LACNF1608KKT1R0MAB」など14アイテムを商品化したと発表した。
従来品の「LACNF2012KKT1R0MAB」から約49%小型化したことで、自動車に搭載される電源回路の小型化・高性能化に貢献することができる。
これらの商品は、自動車のエンジンECUなどの制御系、ABSをはじめとした安全系、ADASなどのボディ系、インストルメントクラスタなどの情報系で使用されるDC-DCコンバータのチョークコイル用途だ。
近年の自動車は、ADASに代表される電子制御化が進むことによって電源回路が増え、これらの電源回路に使用されるパワーインダクタの需要が増加している。さらに、インストルメントクラスタなどのインフォテイメント機器をまとめた統合コックピット化など、機能統合による高性能化も進んでいる。
これらの多機能化や高機能化に伴い、ICの処理能力が増大する一方で、機器を高密度に配置し1つのモジュールへ統合するため、搭載される電子部品には小型化が求められる。さらに、ECUを高温のエンジンルームへ設置することが増えており、搭載される電子部品には高温対応が必要となる。
太陽誘電は、小型化・薄型化における優位性を持ち使用温度範囲マイナス55度からプラス165度に対応した積層メタル系パワーインダクタMCOIL LACNシリーズに、新たに1608サイズを追加した。
同社独自のメタル系材料は、熱処理によってメタル材料同士を酸化膜により結合することで絶縁性を担保し、かつ高い耐熱性・熱伝導性を有している。そのため、自動車のように過酷な温度環境下で使用される機器においても安定した特性を発揮して高温対応を可能とし、高い信頼性を実現している。
この商品は、2025年12月から同社子会社の和歌山太陽誘電にて量産を開始した。今後も市場ニーズにマッチした商品開発に注力し、パワーインダクタのラインアップ拡充を進めていく。




