QNXとベクターが車載基盤ソフト「Alloy Kore」発表、メルセデスベンツが採用検討…CES 2026

QNXとベクターが車載基盤ソフト「Alloy Kore」発表
QNXとベクターが車載基盤ソフト「Alloy Kore」発表全 1 枚

ブラックベリーの事業部門であるQNXとベクター・インフォマティクは1月6日、CES2026において、ソフトウェア定義型自動車(SDV)の開発を簡素化し加速するために設計された車載基盤ソフトウェアプラットフォーム「Alloy Kore(アロイ コア)」を発表した。

Alloy Koreは、近年ますます複雑化する車載ソフトウェアアーキテクチャの課題に対応するために開発されたプラットフォームだ。安全認証を取得済みの堅牢かつ拡張性に優れたソフトウェア基盤を提供することで、自動車メーカーがより迅速にイノベーションを推進できるよう支援する。

現在、ベクターまたはQNXから提供される複数のディストリビューションを通じて、早期アクセス版の提供が開始されており、自動車メーカーは自社の開発方針に応じた柔軟な導入と統合が可能だ。

自動車メーカーは、車載ソフトウェアの複雑化という大きな課題に直面している。特に、OSやミドルウェアなどの基盤レイヤーの統合は長年にわたり負担となっており、本来注力すべき付加価値の高いソフトウェア開発への注力を妨げる要因となってきた。

近年の車両量産開始(SOP)の遅延や計画変更の多くは、こうした基盤ソフトウェアの統合、最適化の難しさに起因している。OEM各社および自動車業界全体では、SDVに求められる安全性とセキュリティ要件を満たしつつ、リスクを低減し、開発期間を短縮できる信頼性の高い共通基盤ソフトウェアが強く求められている。Alloy Koreは、こうした課題に対するソリューションだ。

このプラットフォームは、QNXの安全認証済みOSおよび仮想化技術と、ベクターの安全なミドルウェアを統合することで、車両ドメイン全体にわたるアプリケーション展開を可能にする、軽量かつスケーラブルな基盤を提供する。これにより、ソフトウェア統合に伴う負荷を軽減し、開発を加速するとともに、自動車メーカーはドライバーや乗員の車内体験価値を高めるイノベーションに、より多くのエンジニアリングリソースを集中させることができる。

メルセデスベンツを含む一部のOEMは、Alloy Koreを次世代SDVアーキテクチャにどのように統合できるか、すでに検討を開始している。モジュール型ミドルウェアと安全認証済みOSを活用し、高性能な集中型コントロールユニットの実現や、車両フリート全体へのOTA(Over-the-Air)アップデートを可能にすることを目指している。

これにより、ハードウェアとソフトウェアの開発サイクルを分離し、新たなデジタル車両アプリケーションの市場投入を加速させることが期待されている。

Alloy Koreプラットフォームの早期アクセスプログラムでは、OEMは2026年後半に予定されている正式な認証版リリースに先立ち、プロトタイプ開発、統合、フィードバックの提供を進めることが可能だ。認証取得版は、機能安全(ISO 26262 ASIL Dを含む)とサイバーセキュリティ(ISO/SAE 21434)の最高水準の要件を満たす予定だ。

QNXとベクターはまた、主要な乗用車および商用車OEM、業界団体がAlloy Koreをリファレンスアーキテクチャとして活用できるようにすることで、自動車エコシステム全体におけるイノベーションの加速と相互運用性の確保を目指している。これは、次世代モビリティ向けのオープン標準、安全性、性能を推進するという両社の共通ビジョンを反映したもの、としている。

《森脇稔》

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