ハンドルを握っているときには必ず音楽を聴いているというドライバーに向けて、その音楽を“何で聴くか”を深く考え、使いこなし術や選択法を紹介していく当連載。まずは、車内で使われてきた「音楽プレーヤー」の変遷を振り返っている。
◆「音楽プレーヤー」の役割は「メインユニット」が担い続けてきた。しかし…
今回は、iPodの登場以降に焦点を当てる。
さて、モータリゼーションの歴史が始まって以来長く、車内では「メインユニット」が音楽プレーヤーとしての役割を担ってきた。ただし、使われるメディアは変化した。古くは「8トラック」が使用され、その後「カセットテープ」から「CD」へと移り変わり、そして「MD」が使われた時期もある。しかしながら音楽プレーヤーの役目は常にメインユニットが果たしてきた。
ただ、過渡期には外部機器が使われることもあった。メディアがカセットからCDへと移り変わるころには一時、車内の「カセットデッキ」に「ポータブルCDプレーヤー」が接続されたり、MDが普及したころには「ポータブルMDプレーヤー」が接続されたりもした。しかし、それらはイレギュラーな形であり、通常はメインユニットが音楽プレーヤーとして機能してきた。
だが、iPodの登場でスタンダードが変化した。外部機器が音楽プレーヤーとして使われることが多くなった。
「iPod」を接続したときの「メインユニット」の表示画面の一例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。
◆iPodが登場し、メディアを持ち歩かないスタイルが定番化!
ちなみにiPodの初代モデルは2001年に登場している。そして『iPod mini』や『iPod shuffle』が登場する2000年代半ばには、iPodユーザーの数は相当に増え、これを車内でも使いたいと考えるドライバーが急増した。
ところで、iPodが普及した主たる要因はズバリ、「大量の音楽ファイルを持ち運べるから」だ。それまでの「ポータブル音楽プレーヤー」は何らかのメディアも併せて持ち運ぶ必要があったが、iPodではそれが不要になった。家庭のパソコンに格納してある音楽ライブラリーのすべてを、そっくりそのまま持ち出せた。
なお、CDを一旦パソコンで読み取る作業(リッピング)は必要になるが、CDを持ち運ぶ煩わしさを思えばその手間はさほど苦にならなかった。また、音楽ファイルをダウンロード購入するという選択肢も生まれ、音楽はパソコンに保管する流れとなり、ますます iPodの支持率が高まった。結果、クルマでもこれが音楽プレーヤーとして活用されるスタイルが定着した。
純正ツイーターの取り付け位置の一例。◆「iPhone」の登場によりiPodも姿を消す。そして車内での“音楽プレーヤー”は…。
かくして以降は、メインユニットには「iPod連携力」の高さが求められるようになる。例えば「AUX端子」の設定が必須になり、さらには「USB端子」の搭載も進んでいく。そしてiPodをメインユニットにUSB接続すれば、車載機のディスプレイにアートワークを映し出せて、曲送りなどの主要な操作を車載機でも行えるようになる機種が増えていく。
しかしながらこのiPodも、早々に廃れてしまう。「iPhone」が登場したからだ。これがiPodに代わり、そしてそれ以外の「スマートフォン」もさまざま登場した。こうしていよいよiPhoneも含めたスマートフォンが、車内の音楽プレーヤーの主役となる時代がやってくる。
さらに、メインユニットの形も移り変わっていく。2010年代の半ばころには、CDメカを搭載しないメインユニットも増えていく。
今回はここまでとさせていただく。次回は、それ以降の車内での音楽プレーヤーの変遷を振り返る。お楽しみに。




