ダイハツ、初の量産BEV『e-ハイゼットカーゴ』発売 積載性維持で軽商用をEV化

ダイハツ e-ハイゼットカーゴ
ダイハツ e-ハイゼットカーゴ全 21 枚

ダイハツ工業は2月2日、同社初の量産バッテリーEV(BEV)『e-ハイゼットカーゴ』、『e-アトレー』を全国で発売した。軽自動車の使い勝手を生かしたEV化により、商用分野でのカーボンニュートラルへの貢献をめざす。

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●軽商用車のEV化でカーボンニュートラルに貢献

e-ハイゼットカーゴ、e-アトレーは、内燃機関の軽商用車『ハイゼットカーゴ』および『アトレー』をベースに開発された。

ダイハツ工業の井上雅宏代表取締役社長は、「ダイハツらしく、軽自動車のEV化でカーボンニュートラルに貢献する」と述べた。若い頃に軽自動車で配送業務に携わった経験を振り返り、「軽自動車は狭い道でも走りやすい。電池が重いEVと、車重の軽い軽自動車はコンビネーションがいい」と語った。


            ダイハツ e-ハイゼットカーゴ          ダイハツ e-ハイゼットカーゴ

●積載性はベース車同等

開発責任者であるダイハツ工業製品企画部プロジェクト責任者の齋藤寛氏は、「ベース車のハイゼットカーゴから荷室を変えない、というのが開発当初からのこだわり」と説明する。

e-ハイゼットカーゴは、大容量バッテリーや「e Axle(イーアクスル)」を床下に最適配置することで、軽キャブオーバーバンNo.1の積載スペース(4シーター)と最大積載量350kgを確保した。荷室寸法や最大積載量に変更がないため、ガソリン車からの乗り換えや併用がしやすいという。

ダイハツは先代ハイゼットカーゴで“EVコンバージョン”の経験があり、e-ハイゼットカーゴの開発には大きな困難はなかったようだ。


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●3社共同開発のBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」

BEVシステムは、スズキとダイハツが培ってきた小さなクルマづくりのノウハウに、トヨタ自動車の電動化技術を組み合わせ、3社で共同開発した。井上社長は「個社で開発する際のリスクを減らすことができた」と述べている。

BEVシステム「e-SMART ELECTRIC」は、後輪駆動軸上にモーター、インバーター、減速機を一体化した「e Axle」を搭載し、床下には36.6kWhの薄型リチウムイオンバッテリーを配置した。

e-SMART ELECTRICe-SMART ELECTRIC

●走行性能と静粛性を両立

BEVならではの高トルクにより、発進時から余裕のある加速性能を発揮する。後輪駆動とすることで、多積載時や登坂時でも高いグリップ力を確保した。

バッテリーを床下に配置したことで重心はベース車より80mm低下し、操縦安定性と乗り心地が向上した。BEV専用の骨格補強などで車両剛性を高めるとともに、新設計のトレーリングリンク車軸式コイルスプリング(リヤ)などを採用した。齋藤氏は「重心高は『ムーヴ』と同程度。サスペンションの減衰比はベース車と同じで、質量がある分、どっしりとした乗り心地になっている」と話す。

100%モーター走行による静粛性も特徴で、早朝や深夜、住宅街での使用に配慮した。齋藤氏は「減速モードの設定は固定(選択設定なし)、走行シフトも「R-N-D」だけで、ドライバーの運転時の負荷を減らしている」とコメント。


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●軽商用BEVバンNo.1の一充電走行距離

電池にはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を採用し、WLTCモードで一充電走行距離257kmを実現した。夏季や冬季でも、多くの軽商用バンユーザー(8割以上)の走行距離をカバーできるとしている。

全車に外部給電機能を標準装備し、AC100Vで合計1500W以下の電気製品が使用可能だ。また、「CHAdeMO」規格の急速充電インレットを全車に搭載し、急速充電では約50分で充電率80%に達する(バッテリー温度25度、50kW出力時)。

V2H=Vehicle to Homeにも対応し、車両から建物への給電が可能だ。

●乗商兼用モデル e-アトレー も設定

e-アトレーは、ベース車と同等の荷室スペースを確保しつつ、内外装の質感を高め、仕事とプライベートの両立を想定したモデルだ。ブラック基調の内装や両側パワースライドドアなどを備える。

●価格

メーカー希望小売価格(消費税込み)は、e-ハイゼットカーゴ(4シーター/2シーター)が314万6000円、e-アトレーが346万5000円。

《高木啓》

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