東京大学、NEC、NTTの3社は2月26日、AIエージェント利用時のエンドツーエンド遅延を安定化する技術の実証実験に成功した。この取り組みはMWC 2026 Japan Pavilionへの出展に採択されており、研究成果やコンセプトの国際発信を予定している。
本実証では、ARグラスを装着したユーザーの周辺環境をAIエージェントが継続的にモニタリングし、潜在的なリスク兆候を予測・判断するリアルタイムシナリオを想定。危険シーンを含む動画データセット(60秒、1800フレーム)を用いて評価を行った。
事前評価では、センサーから入力される全フレームを逐次的にAI処理する構成において、フレームごとに処理待ち時間が累積し、エンドツーエンド遅延が時間経過とともに増大する傾向が確認された。これは、ユーザーの目の前で危険イベントが発生してから判断結果や指示が提示されるまでに要する時間が増大することを意味し、リアルタイムなAR支援における課題であることが明らかになった。
提案技術を適用した構成では、通信量および計算負荷が抑制され、動画全体を通じてエンドツーエンド遅延をほぼ一定に維持できることが確認された。また、処理待ち時間が累積的に増大する傾向は認められず、AIの推論精度の低下も確認されなかった。
本技術は、東京大学がストリーミングセマンティック通信技術の研究開発を担当し、主に無線区間の帯域不足の技術課題解決に貢献。NECは生成AI向けメディア制御技術の研究開発を担当し、主にセンサーデータの常時AI処理による計算負荷の増大の技術課題解決に貢献。NTTはIn-network Computing(INC)技術の研究開発を担当し、主にAIの大規模化に伴う計算負荷・消費電力の増大の技術課題解決に貢献している。
各社技術の連携による相互作用により、各社が他の課題解決にも貢献している。今後は、研究成果の社会実装を視野に入れながら、「安心・安全」を支えるAIエージェントと次世代ICTインフラの実現に向けた研究開発を加速していく。




