JFEスチール、亜鉛めっき鋼板の液体金属脆化割れを定量評価する新技術を開発

抵抗スポット溶接部に発生したLME割れ
抵抗スポット溶接部に発生したLME割れ全 1 枚

JFEスチールとJFEテクノリサーチは、溶融亜鉛めっき鋼板の抵抗スポット溶接部における液体金属脆化(LME)割れの感受性を定量的に評価する新技術「LM-CAST試験」を共同で開発し、試験サービスの提供を開始した。

自動車産業では、耐食性を高めるために溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いられており、その接合には抵抗スポット溶接が用いられている。しかし、溶接時には溶接部周辺が高温となり、めっきが溶融して溶融亜鉛が形成される。鋼板に対する電極の傾き(打角)や隙間(クリアランス)が大きい不適切な抵抗スポット溶接を行うことにより生じる引張応力と、鋼板の特性が重なった場合にLME割れが起こりやすくなるため、製品の信頼性確保が課題だった。

従来のLME割れ評価では、打角やクリアランスを強制的に与えた溶接条件下の実際の溶接施工を模擬した手法が主流であり、鋼板のLME割れの発生しやすさを定量的に比較・評価することが困難だった。

今回開発した「LM-CAST試験®」は、溶接中に任意のタイミングで曲げひずみを付与することで、割れが発生するひずみと温度の範囲を明確に評価することが可能となる。また、サーボモーター式アクチュエーターを用いた高精度なひずみ付与や、打角やクリアランス等の外的因子を排除した安定した試験条件のもとで試験を実施することで、鋼種ごとのLME割れ感受性を高精度に比較・評価できる。これにより自動車部品の溶接設計や材料選定における信頼性向上に貢献する。

なお、本技術はJFEスチールが展開する製造業向けソリューションビジネスブランド「JFE Resolus」のラインナップの一つとして、JFEテクノリサーチを通じて提供している。両社は今後も高機能鋼板の開発と接合評価・解析技術の高度化を通じて、自動車産業における品質向上と持続可能な社会の実現に貢献していく。

《森脇稔》

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