日本損害保険協会は3月4日、「第27回自動車盗難事故実態調査」の結果を発表した。調査によると、2025年の車両本体盗難の保険金支払件数は2746件となり、直近5年間で最多となった。盗難件数は2023年から2年連続で減少していたが増加に転じており、再び増加の兆しがみられる。
同調査は2000年度から自動車盗難防止対策の一環として実施されているもので、車両本体盗難や車上ねらいの実態を調べている。今回は損害保険会社21社を対象に、2023年1月1日から2025年12月31日までに保険金支払いが発生した事案を集計した。
●車両盗難の保険金は増加、総額約82億円
2025年の車両本体盗難は2746件で、前年の2499件から増加した。車上ねらいは672件で、前年720件から減少したものの、盗難による保険金の支払額は増加している。
車両本体盗難1件あたりの平均支払保険金は297万5000円で、2024年の281万5000円、2023年の237万9000円から上昇が続いている。車両価格の上昇などが背景とみられる。その結果、2025年の車両本体盗難に関する年間支払保険金の総額は約82億円となり、2024年と比べて約10億円増加した。
また、車上ねらいの1件あたりの平均支払保険金も、過去2年と比べて約10%上昇した。
夜の駐車場、怪しい人物(イメージ)
●ランドクルーザーの盗難被害が突出
車名別の盗難状況では、トヨタ『ランドクルーザー』が車両本体盗難、車上ねらいともに最多となった。ランドクルーザーには「ランドクルーザープラド」を含む。
2025年の車両本体盗難では、ランドクルーザーが825件で構成比30.0%となり、5年連続でワースト1位となった。2位はトヨタ『アルファード』で240件、構成比8.7%で、ランドクルーザーの盗難件数は3倍以上に達した。
車両本体盗難は特定車種に集中する傾向が強まっているという。2023年はランドクルーザー383件、アルファード364件と差は小さかったが、その後ランドクルーザーの被害が急増している。ランドクルーザーは2021年からワースト1位、アルファードは2023年から2位。
トヨタ・ランドクルーザー250●愛知県で盗難被害が集中
都道府県別では、愛知県の盗難被害が突出している。2025年の車両本体盗難の支払件数は、愛知県が622件で構成比22.7%となり、2位の埼玉県306件(11.1%)の約2倍だった。愛知県は2021年から5年連続で最多となっている。
車上ねらいでも愛知県は2年連続で最多となっており、盗難被害が同県に集中する傾向が続いている。
防犯カメラに映る窃盗団(イメージ)●自動車盗難認知件数は減少も対策重要
警察庁の犯罪統計資料によると、自動車盗難の認知件数は2003年の64223件をピークに減少し、2025年は6386件となった。
いっぽうで損害保険協会は、ハンドルロックや警報装置の利用、防犯設備の整った駐車場の利用、車内に貴重品を置かないなど、複数の盗難防止対策を講じることが重要としている。また、自宅駐車場でも防犯カメラや防犯灯を設置するなど、窃盗犯が侵入しにくい環境づくりが有効だとしている。




