イラン情勢の緊迫化でガソリン価格が最高値を更新する中、2026年春闘は、集中回答日を迎えて、自動車や電機など主要な大企業が労働組合の要求に応じる「満額回答」が相次いだという。
きょうの各紙にも朝日と日経が1面トップで「製造業、6割が満額回答」、「トヨタは6年連続」などと大きく報じたほか、読売や毎日、産経なども1面や経済面などに取り上げている。
だが、「原油高、実質賃金の重荷、中小企業に影響大きく」(日経)とのタイトルにもみられるように、中東ではイラン情勢が緊迫し、エネルギーや物流を通じた物価押し上げ圧力が再び強まる恐れがあるなど、先行きは楽観できないようだ。なかでも「原油高騰を受けてさらなる物価上昇が広がりかねず、これから本格化する中小企業の交渉への影響が懸念される」(毎日)とも指摘している。
「満額回答」の主要企業のうち、自動車メーカーでは、賃上げの具体額は非公表のトヨタ自動車が、月額最大2万1580円の賃上げと、ボーナスに当たる年間一時金を基準内賃金7.3カ月分とした労組の要求に満額回答。満額回答は6年連続という。ただ、米関税措置による業績への影響を考慮し、年間一時金の要求は過去最高だった昨年より0・3カ月分低く、賃上げ要求も昨年の月額最大2万4450円から引き下げられた。
集中回答日前に一足早く「満額」で妥結したマツダや三菱自動車などのほか、2026年3月期の連結最終(当期)損益が大幅赤字見通しのホンダも月1万2000円、日産自動車も月1万円のそれぞれのベア要求に満額で応じた。さらに、特筆すべきはスズキで、総額月1万9000円の要求に対して、月2万500円の賃上げを回答し、3年連続で要求を上回ったという。
自動車など主要製造業では、厳しい台所事情でも「満額回答」が相次ぐのは「グローバル競争に打ち勝つための優秀な人材確保」が大きな理由のようだ。
だが、きょうの日経によると、「花形産業」と呼ばれてきた強いブランド力を持つ製品やサービスの一部に、若年層向けで陰りが出ているという。日経BPのブランド力ランキング調査で、例えば「トヨタ自動車」は全世代では26位が20代以下では149位。「ブランド力の低下は採用など事業戦略や、将来的な市場拡大にも響きかねない」とも伝えている。
2026年3月19日付
●日米首脳会談、対米エネ投資11兆円、次世代原子炉など、共同文書発表へ(読売・1面)
●ガソリン190円最高値物流コスト上昇の恐れ(読売・9面)
●ナミビアでレアアース参画、豊田通商事業化判断へ (朝日・7面)
●春闘、大手満額回答相次ぐ、中東情勢中小に影響懸念(毎日・1面)
●F1地上波中継11年ぶりフジで復活 (産経・17面)
●佐藤17度目のインディ500へ、自動車世界三大レース (東京・17面)
●「花形」ブランド、若者つかめず、トヨタ、20代以下では149位、日経BPコンサル調査 (日経・2面)
●ホンダ合弁、減損160億円、中国で前期、販売低迷(日経・13面)
●スズキ、ガバナンスに弱み、CFO設置とアフリカ焦点(日経・22面)




