電動キックボードの交通ルール、「守れていなかったかもしれない」が6割超、飲酒運転・左側通行違反が上位……。MS&ADインシュアランスグループのMS&ADインターリスク総研は、電動キックボードのシェアリングサービス利用経験者500人を対象としたアンケート調査を実施した。
調査は2026年1月20日から26日にかけてインターネットで実施された。回答者は20歳代から50歳代までの男女500人。4月6日に結果を発表した。
●保有台数に対して検挙数が多い
2023年7月の道路交通法改正により、一定の規格を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」に区分され、16歳以上で免許不要、ヘルメットは努力義務となった。
道で見かける電動キックボードの多くはシェアリングのため、事業者のデータが電動キックボードの普及実態に近い指標として使われる。MS&ADインターリスク総研によると国内のシェアリング用電動キックボードは、2023年7月の7662台から2025年3月には2万3220台へと3倍超に増加した。大手事業者のアプリダウンロード数も、2020年のサービス開始から2025年8月までに累計500万を超えている。
いっぽうで、交通違反の増加が課題となっている。2024年の特定小型原動機付自転車の交通違反検挙件数は4万件を超え、稼働台数に対して高い水準であることが指摘されている。2024年の自転車の交通違反の検挙件数は5万1000件で、保有台数は推定5200万台である。検挙件数に対する台数の割合を比較すると電動キックボードの検挙数の多さがわかる。
●自己評価は高いが、違反認識も多数
調査によると、「他のユーザーと比べて安全に運転できている」とする回答は、「そう思う」と「ややそう思う」の合計で84.8%に達した。安全運転に対する自己評価は高い傾向にある。
しかしいっぽうで、運転時に「交通ルールを守れていなかったかもしれない」とする回答は65.6%に上った。「違反はしていない」とした回答は34.4%にとどまる。
●左側通行・飲酒運転の認識不足が浮上
「守れていなかったかもしれない」交通ルールとして最も多かったのは「車道の左側通行」で23.8%だった。次いで「二段階右折」18.0%、「飲酒運転の禁止」17.4%が続いた。
特に注目されるのが飲酒運転だ。「週に2~3回以上」利用する回答者の36.2%、および交通ルールを「詳しく知っている」とする回答者の26.2%が、飲酒運転禁止を守れていなかった可能性を認識していると回答した。
●約6割が危険を経験、最多は自動車との接触寸前
運転中に危険を感じた経験については、約6割が「ある」と回答した。具体的には「自動車と接触しそうになった」が47.3%で最多となり、車両との混在交通におけるリスクの高さが示された。
電動キックボードは手軽な移動手段として普及が進むいっぽう、交通ルールの理解と遵守には課題がある。同調査は、利用者の安全意識と実際の行動との間にギャップが存在する可能性を示しており、今後の安全対策や啓発の重要性を示唆している。




