マツダ・スカイアクティブ誕生の真相、エンジン革新の舞台裏を解明

SKYACTIV-G 2.0
SKYACTIV-G 2.0全 3 枚

「スカイアクティブ」エンジンの開発経緯を、当事者への取材を通じて解説し、高圧縮ガソリンと低圧縮ディーゼルという革新技術の本質に迫る。人見光夫氏が掲げた7つの因子やHCCI研究を軸に、エンジン効率向上の思想と技術者の挑戦を明らかにする。

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マツダの中核技術であるスカイアクティブエンジンの開発経緯をまとめた書籍『マツダ スカイアクティブエンジンの開発』が新装登場した。監修は人見光夫氏、執筆は御堀直嗣氏、発行はグランプリ出版

本書は、2010年に発表された次世代技術スカイアクティブの中でも、とりわけエンジン技術に焦点を当て、その誕生の背景を当事者への取材を通じて解説する内容となっている。『CX-5』や『ロードスター』などに搭載され、現在のマツダを支える基幹技術へと成長した同エンジンの成り立ちを詳述する。

スカイアクティブエンジンの特徴は、ガソリンエンジンにおける高圧縮化と、ディーゼルエンジンにおける低圧縮化という、従来の常識を覆す技術だろう。これにより環境性能と動力性能の両立を実現した。

開発を率いた人見光夫氏は、エンジン効率向上のために「圧縮比」「比熱比」「燃焼期間」「燃焼時期」「壁面熱伝達」「吸排気行程圧力差」「機械抵抗」の7つの因子を掲げた。これらを徹底的に追求することがスカイアクティブ技術の本質であるとされる。

その背景には、理想の燃焼とされるHCCI(予混合圧縮着火)の研究がある。点火プラグを用いず圧縮で着火させる技術であり、全負荷域・全回転域での実現は困難とされるが、この追求がエンジン進化を促した。具体的には1:15という高圧縮比への挑戦などが挙げられる。

また、スカイアクティブはエンジン単体にとどまらず、コンピューターを活用した開発手法や生産工程にも及ぶ総合技術でもある。さらにディーゼルエンジンでは圧縮比を下げることで、ガソリンとディーゼルの圧縮比が近づくという独自のアプローチも採られている。

終章では、人見氏が技術者の姿勢や今後の開発の方向性について言及し、モデルベース開発(CAE)の重要性を指摘する。現役開発者や技術者を志す学生にとって有益な内容であると同時に、エンジン技術に関心を持つ読者にも幅広く訴求する一冊だ。

なお本書は、2016年8月に三樹書房から刊行された同書の内容を踏襲しつつ、発行元をグランプリ出版に変更し、カバーデザインを刷新した新装版だ。

マツダ スカイアクティブエンジンの開発
高効率と低燃費を目指して
監修:人見光夫
執筆:御堀直嗣
発行:グランプリ出版
体裁:A5判・並製・201ページ
定価:2640円(本体価格2400円+消費税)

目次
従来の常識を超えて開発されたSKYACTIVエンジン/飯塚昭三
序章 はじめに SKYACTIV 登場
第1章 SKYACTIV 総論(人見光夫の言葉) 「効率の追求」と「7つの因子」
第2章 SKYACTIV への手掛かり ダウンサイジングとは異なる道
第3章 SKYACTIV-G(1) ガソリンエンジン技術
第4章 SKYACTIV-G(2) 制御技術
第5章 SKYACTIV-G(3) 開発プロセスと生産の変革
第6章 SKYACTIV-G(4) CAE の活用
第7章 アイドリングストップ技術i-stop バッテリーマネージメントシステム
第8章 減速エネルギー回生システムi-ELOOP キャパシターで実現
第9章 SKYACTIV-D(1) エンジン技術
第10章 SKYACTIV-D(2) 電子制御システム
第11 章 SKYACTIV-G 過給エンジン ダウンサイジングSKY登場
終章 人見光夫の言葉

『マツダ スカイアクティブエンジンの開発』『マツダ スカイアクティブエンジンの開発』

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《高木啓》

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