“最高音質”は本当か? carrozzeria サイバーナビ LIMITED EDITIONを徹底試聴

carrozzeria サイバーナビ LIMITED EDITION試聴レポート
carrozzeria サイバーナビ LIMITED EDITION試聴レポート全 19 枚

パイオニア・カロッツェリアの『サイバーナビ』最新モデル「LIMITED EDITION」は、高音質化に新たな一ページを刻む存在だ。今回は実際の試聴を通じてその実力を確かめた。

【画像全19枚】

◆サイバーナビが築いてきたハイエンドカーナビの価値

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1997年に登場したカロッツェリアのサイバーナビは、カーナビのハイエンドモデルとしての地位を長らく保ち続ける同社のフラッグシップだ。これまでもヘッドアップディスプレイを用いた地図表示やARスカウターモードなどの先進的なルート案内、さらにはネットワークスティックを使って通信を確立し、目的地検索などをオンライン化するなど、カーナビの新しい可能性を切り開いてきた。

モビリティコンシューマーカンパニー マーケティング統括グループ マーケティング推進部 国内マーケティング課 堤 大士氏モビリティコンシューマーカンパニー マーケティング統括グループ マーケティング推進部 国内マーケティング課 堤 大士氏

そんなサイバーナビがもうひとつ力を入れるのが高音質化だ。従来から“カーナビを超える高音質”と評価され、カーナビの“おまけ機能”としてのオーディオではなく、オーディオ機器として独り立ちできる高いサウンド性能を備えているのも大きな魅力となっている。そのため、車内で音楽を楽しむユーザーにとってサウンドを極める車内のセンターユニットというポジションを確立しているのが、サイバーナビの現在の立ち位置だろう。

もちろんナビゲーションとしての性能はハイエンドモデルならではの素晴らしいものだが、2026年モデルのサイバーナビの進化ポイントは“サイバーナビ最高音質”への挑戦だった。

◆LIMITED EDITIONで目指した“サイバーナビ最高音質”

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そこで今回のサイバーナビの注目ポイントとして、カーナビの紹介としては少し変化球、いやかなりマニアックともいえる“音”に着目してレビューすることとした。ユーザーがサイバーナビに求める重要な要素が“高音質”である点からしても、ここを掘り下げてレポートするのがユーザーニーズにも合致していると感じたからだ。

モデルチェンジごとにサイバーナビ史上最高音質を更新し続けてきたサイバーナビの進化の歴史の中で、最新モデルはどのようなサウンド的な進化を遂げたのかを深掘りしていくこととした。

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最新モデルのサイバーナビは“LIMITED EDITION”の名を冠したモデルとなったのが特徴。さらに4000台限定生産とすることでプレミアム感を高めているのも、ハイエンドカーナビらしい仕掛けとなっている。ユニットの個装箱もマット調のブラックを使った高級感あふれる作り。さらに限定ナンバー入りのアルミプレートが同梱されるなど、特別感の演出もかなり手が込んでいる。

グローバル技術開発統括本部 技術開発文部 ハード開発統括グループ 第1ハード設計部 2課 松永 祥太氏グローバル技術開発統括本部 技術開発文部 ハード開発統括グループ 第1ハード設計部 2課 松永 祥太氏

そんなLIMITED EDITIONは、開発の初期段階からサウンドに関する目標を掲げて設計がスタートしている。進化のコンセプトに掲げたのは、明確に音のグレードを上げること。つまりSN感のアップと、現行サイバーナビで実現していた音楽を楽しく聴かせる方向性をキープしつつ、グレード感をさらに高めることだった。これこそが同社がLIMITEDの名を冠した音のポイントになっているのだ。

◆MUSESオペアンプとフルカスタムトロイダルコイルを採用

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そんな高音質化を支える進化は多岐にわたっている。回路やパーツ選定を見ていくと、音質に関わるパーツ群をかなり大がかりにリニューアルしていることがわかる。中でも中核的な変化点は2つだ。

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ひとつはDAC(DAコンバーター)からのアナログ出力に関わる部分に用いるオペアンプを、オーディオ用パーツとして定評のあるMUSESブランド(日清紡)のオペアンプへ新たに変更した点。ここに高品質なオペアンプを用いることで信号伝達の質を大きくアップさせた。その結果、低域のアタック感の向上やボーカルの艶感の表現力アップなどにつながっている。

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もうひとつの大きな変化はトロイダルコイルだ。新型サイバーナビには高音質フルカスタムトロイダルコイルを新採用している。コンパクトなカーナビ基板に収まるサイズで、なおかつオーディオ的に開発陣の要求に応えるパーツはなかなか見つからなかった。

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そこでサイバーナビが求めるサウンドを実現する理想のトロイダルコイルを目指し、銅線の太さや線材、さらにはコアの素材などをオーダーメイドで作り上げるフルカスタムのトロイダルコイルを作ることになる。数々の試作パーツを試した中から厳選し生み出されたトロイダルコイルによって、低域のエネルギー感の向上やノイズ排除によるSN感アップを実現することになった。

◆銅メッキビスや非磁性体抵抗器で細部まで音を追い込む

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このようなサウンドの根幹にかかわる大きな2つの進化に加えて、周辺パーツや細部の作り込みでも音を整え、狙ったサウンドを引き出すための工夫が凝らされている。むしろ細かなパーツ群は音を調整するチューニングの役目を果たし、開発陣が求める新型サイバーナビの音を狙い通りに完成させるためには非常に重要な役割を担っているのだ。

そのひとつが銅メッキビスだ。サイドや背面パネルを見ると、いくつもの銅メッキビスが使われているのがわかる。外側からは見えないが、内部にも複数の銅メッキビスが用いられている。しかし、すべてのビスが銅メッキパーツ化されていないことに気づくだろう。

これは銅メッキビスの位置や配置が、音にまつわるチューニングの役目を果たしていることを端的に表している点だ。計算され尽くした銅メッキビスの投入でノイズを抑え、高域の鳴りを調整する役目を果たした。

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また、新しく採用したMUSESのオペアンプ周辺に非磁性体抵抗器を用いるのも音の調整に効果的なポイント。MUSESのパフォーマンスをフルに発揮させ、歪みを低減することで高域特性を改善することに役立っている。

さらにシャーシ背面のファンとヒートシンク部分にノイズサプレッションインシュレーターを採用するのも注目点だ。電気的/機械的なノイズ成分がオーディオ基板に伝わることを遮断するためにインシュレーターを採用。その結果、SNを高めてクリアなサウンドを得られるようになったのも改善点のひとつだ。

◆試聴で感じた空間表現とボーカルのリアル感

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各パーツを見ていくと、大きな変革を遂げ音質面で進化を遂げたサイバーナビLIMITED EDITION。オーディオ的な進化ポイントを知ったところで、早速そのサウンドを聴いてみることにした。

環境は試聴ルーム。現行モデルと新型モデル(LIMITED EDITION)の比較試聴を実施することにした。試聴曲はビッグバンド、ポップス、女性ボーカル、オーケストラと複数ジャンルの曲を用意し、サイバーナビの音を検証した。

いずれの曲を聴いても、新型サイバーナビの音の進化は明確に感じる。まずはビッグバンドを聴くと、現行モデルでも楽器のエッジ感や空間表現の豊かさを感じ、まったく悪くない印象なのだが、新型モデルに切り替えて試聴を始めるとサウンドは一変。空間表現の奥行き方向が大きく広がった音に進化しているのが印象的だった。空間からぱっと現出する音というイメージも強くなっている。

続いてサカナクションの『怪獣』を試聴。すると現行モデルに対して新型は、細部の楽器のニュアンスなどの表現力が優れていることを感じる。楽器のきらびやかさなどにつながる部分なので、音の鮮度感が一段とアップしていることがわかる。また、ここでも奥行き方向の空間表現がアップし、ボーカルの向こう側で楽器が演奏しているようなイメージを感じさせる音に仕上がっていた。

さらに米津玄師/宇多田ヒカルの『JANE DOE』も試聴。この曲でわかりやすく新型モデルが優れていた点はボーカルのリアル感だった。宇多田ヒカルの声が印象的なこの楽曲で、目の前の空間にボーカルが現れるかのような実在感を感じさせるのは新型ならではの進化ポイント。音の広がり感やSNの良さを感じさせるサウンドになっていたのも心地良かった。これらを総合すると、曲の印象ががらりと変わるほどの進化だ。

最後にオーケストラを試聴。現行モデルではきれいな音ではあるが、音像が小さくまとまる傾向にあったのに対して、新型を聴くと空間表現が広く感じることに気づく。また低音の余韻が豊かに伸びるのも長所。ローエンドの豊かさも補強され、低域に余裕を感じる音に仕上がっている。

◆デリカD:5の車内でもハイファイサウンドを体感

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一通りの試聴を終えると試聴ルームから移動して、デモカー(デリカ『D:5』)での試聴を実施した。スピーカーには同社のCシリーズを用いたシステムを採用している。

車両での試聴でも、試聴ルームで聴いた印象はそのままだった。曲の細部までをクリアに表現するSNの高さはもちろん、空間表現をワンランク高めるサウンドなど、まさにハイファイサウンドを運転席で味わえる環境が整えられたことを感じたのだった。

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このようにオペアンプやトロイダルコイルを中心とした高音質パーツの採用は、明らかな音の進化につながっていることが分かった。平板だった音像が豊かで立体的な空間表現へと進化した点や、豊かな低域サウンド、ボーカルなどの音のリアル感も一段とアップしている。そしてSNの向上によるきらびやかなサウンドが楽しめる点などもあって、明らかに新型は高音質に磨きがかかったことを感じさせる。

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実際に試聴すると、同社がサイバーナビ最高音質をアピールするだけの高音質を体感できる。もちろんカーナビではあるものの、“オーディオ機器”としてサイバーナビを導入する動機付けになるレベルの高い音を体感できるユニットに仕上がっていた。

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2026年夏モデルとして登場したサイバーナビLIMITED EDITION。徹底した高音質設計で、従来のサイバーナビを凌駕する高音質を手に入れたことが試聴からも伝わってきた。高音質をさらに一段高めた新型サイバーナビLIMITED EDITION。車載センターユニットにハイレベルな音質を求めるならば、唯一無二の選択肢となった。

《土田康弘》

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