自動車業界は今、AIやデジタル技術(DX)によって「100年に一度」と言われる大変革の渦中にある。
その最前線を体感できる国内最大級の展示会「人とくるまのテクノロジー展 2026)」の開催概要が発表された。主催する公益社団法人自動車技術会は、「技術者の魂を揺さぶる「場」であり続ける。」というビジョンを掲げている。多様なプレイヤーが一堂に会することで新しいイノベーションを誘発し、モビリティの未来を創造することを目指すものである。
◆DXが加速させる「競争力」と「共創」の必要性
今回のメインテーマは「新しい技術との融合で創る クルマとモビリティの未来」である。そして、その核心を突くサブテーマとして「DXと共創で革新する自動車技術」が据えられた。
このテーマ設定の背景には、急速な技術進化への強い危機感と期待がある。主催者側は、昨年まではまだ「変化の兆し」であったものが、今やAIをはじめとするデジタル技術をいかに活用できるかが企業の競争力に直結する時代になったと指摘する。変革のスピードは自動車メーカーの予想を上回る速さで進んでおり、その影響は自動運転やコネクテッドカーといった車両の進化のみならず、社会サービスやものづくりのプロセス全体に波及している。
こうした広範な変化に対応するためには、従来の自動車業界の枠組みを超え、ITやソフトウェアといった新しい業界との「密接なコラボレーション(共創)」が不可欠である。本展示会は、そうした新たな出会いと連携を後押しするプラットフォームとしての役割を強めている。
◆過去最大規模の横浜展:612社が集結
5月27日から29日までパシフィコ横浜で開催される横浜展は、「ノース」および「展示ホール」の展示エリアをフルに活用し、過去最大規模となる612社・1516小間での開催となる。3日間で8万人を超える来場者を見込んでおり、業界の熱量が集約される場となる。
出展企業の多様化も、変革の象徴である自動車完成車メーカー、や部品メーカーに加え、東芝や日立といった電機メーカー、さらにAMD、Microsoft、自動運転スタートアップのT2など、従来の枠を超えた企業が多数参画している。
◆AIが変える「走り・社会・ものづくり」の具体像
主催者企画展示では、厳選された18社による「共創」の具体例が披露される。
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「車そのものの進化」: スバルとAMDによるAIチップを活用した運転支援技術や、トヨタと住友ゴムによるAIを用いた新タイヤ探索などが展示される。
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「社会サービスの進化」: T2による自動運転トラックの社会実装への取り組みや、日産とダイキンによるビルの電力マネジメントなど、社会課題解決に向けた事例が紹介される。
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「ものづくりの進化」: トヨタ紡織と東芝によるスマートグラスを用いたピッキング作業や、日立によるAI保守サポートなど、生産現場のDX化も大きな焦点となる。
また、毎年好評を博している「新車開発講演」では、日産リーフ、マツダCX-5、スズキE-ビターラの開発責任者が登壇する。華やかな広告の世界とは異なる、エンジニアたちの「泥臭い努力」や生々しい苦労話を聞くことができるのは、本展ならではの魅力といえる。
◆次世代と世界を繋ぐハイブリッド開催
本展示会は、未来を担う学生の来場が増えており、リクルーティングや教育の場としても重要性を増している。また、海外からも45社が直接出展しており、グローバルな技術交流のハブとしての地位を確立している。
最後に、本年度の開催スケジュールを記す。 横浜展は、5月27日(水)から29日(金)までの3日間、パシフィコ横浜で開催される。これに連動したオンライン展示「ステージ1」は、5月19日から6月9日まで実施される。 続いて名古屋展は、例年の7月から1ヶ月前倒しされ、6月17日(水)から19日(金)までポートメッセなごやにて開催される。オンライン展示「ステージ2」は、6月10日から7月1日まで行われる。




