SDV完全移行に向けた現実解、車載アーキテクチャを支える「AUMOVIO」の提案とは…人とくるまのテクノロジー展2026

「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」に出展したAUMOVIOのブース
「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」に出展したAUMOVIOのブース全 8 枚

ドイツの大手自動車部品メーカーであるAUMOVIO(オモビオ)は、2026年5月にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」に出展。ソフトウェア定義車両(SDV)時代を見据えた最新技術を披露した。

「AUMOVIO SE」は、コンチネンタルがオートモーティブ事業をスピンオフさせた新会社。2025年9月18日にドイツで上場され、独立企業としての歩みをスタートした。日本法人(旧コンチネンタル・オートモーティブ)においても、2025年10月に変更登記を完了し、11月から新社名および新ブランド「AUMOVIO」として本格始動したところだ。

◆SDVを支える統合型アーキテクチャを提案

今回の出展でAUMOVIOは、高性能コンピューター(HPC)からテレマティクスまでをカバーする同社の包括的なポートフォリオを展示。同社のAutomotive事業部は車両アーキテクチャやネットワーク領域を担当する中で、積極的に進めているのが自動車業界で進むセントラルコンピューティング化への対応である。

特に近年はADAS(先進運転支援システム)とコックピットシステムの融合が進んでおり、メーターやセンターディスプレイの統合制御に加え、AI処理や高度なグラフィックス処理の需要も急速に拡大している。

その一方で、完全な中央集約型アーキテクチャの実現には課題も残る。そこで、計算性能向上に伴う発熱や冷却性能、インターフェース数の増加、重量やコストの問題を考慮し、複数の高性能コンピューターを分散配置する構成が主流となっている現状を説明した。

◆「完全なSDV」はまだ道半ば

業界で今もっともトレンディな話題となっているSDVについても現実的な見解も語られた。それによると、現時点ではソフトウェア更新によってコックピット表示やADAS機能を進化させることは可能になっているものの、センサーやアクチュエーターを含む車両全体を柔軟に制御できる段階には達していないというのだ。

つまり、現在の状況はSDVを指す「Software Defined Vehicle」というよりも、ソフトウェア上のコンテンツを提供する「Software Defined Content」に近い“SDC”の状態であると説明。車両機能そのものを自由に再定義できる完全なSDVの実現には、しばらく時間を要するとの見方を示した。

◆CAN/LINを活用した「Remote Control Network」

「Remote Control Network(Automotive Remote Control)」

今回の展示で注目された技術のひとつが「Remote Control Network(Automotive Remote Control)」である。これは、低コストで信頼性の高いCANやLINを活用しながら、物理配線と機能を切り離して管理する新しいネットワークコンセプトを指す。

例えば、車両側では「9番のライト」という機能情報だけを認識し、実際の配線位置や接続先はゾーンコントロールユニットが動的に管理する。部品交換や設計変更が発生してもシステム側で自動認識できるため、開発効率や柔軟性の向上につながるというわけだ。

また、SDV時代に向けてEthernetベースのネットワーク化が進む一方、コスト面では課題も大きい。AUMOVIOは既存のCAN/LINを高度に活用することで、コストと柔軟性を両立させるアプローチを提案している。

すでに欧州や中国ではこのネットワークの標準化に向けた議論が進んでおり、今後は日本においても参画企業の拡大を目指して活動を進める計画だとした。


《会田肇》

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