アウディが開発を進める次世代スポーツEVのプロトタイプが姿を現した。今回、欧州で撮影されたテスト車両は、一見すると次期ポルシェ『718ボクスターEV』そのものだ。しかし詳細を確認すると、アウディ『TT』後継モデルの可能性が浮上してくる。
◆コンセプトCがヒントに
アウディは2023年にTTの生産を終了したが、その後も新たなスポーツモデルの開発中だ。2025年に公開した『コンセプトC』は、将来のスポーツEVの方向性を示すコンセプトカーとして注目を集めた。
現在確認されているテスト車両は、次期ポルシェ・718ボクスターEVをベースとした開発車両とみられる。フェンダーフレアが拡大されており、718ボクスターEVよりも広いトレッド幅を示唆する。いっぽうで、低いノーズやワイドなフェンダー、EV専用プラットフォームを示すフラットなフロア構造など、外観からはポルシェ車との違いを見分けることは難しい。
しかし、開発車両の登録情報やテストチームの動向から、この車両はアウディが次世代スポーツカーの開発に使用しているミュールカー(開発用試験車)である可能性が高い。
アウディ TT後継EVスポーツカーのプロトタイプ
市販モデルはTTの直接的な後継車というより、TTと『R8』との中間に位置する新たなスポーツカーになる見込みだ。コンパクトなボディサイズやドライバー中心の設計思想などは、TTの特徴を受け継ぐだろう。
◆ポルシェと共同開発
新型スポーツEVは、次期ポルシェ・718ボクスターEVおよび『718ケイマンEV』と共通のアーキテクチャーを採用すると予想される。アウディとポルシェはフォルクスワーゲングループ内で共同開発を進めており、シャシーやバッテリー技術を共有しながら、それぞれ異なるキャラクターを与える戦略を採るはず。
アウディ TT後継EVスポーツカーのプロトタイプアウディ版はクワトロ四輪駆動システムを軸に、高い安定性と高速巡航性能を重視する可能性がある。そしてポルシェ版はより鋭いハンドリング性能を追求するとみられる。
パワートレインの詳細は明らかになっていないが、718シリーズ向けモーターの出力を調整した仕様が採用される可能性がある。また、800Vアーキテクチャーや高出力の急速充電機能を備えることも予想できる。
アウディのCEO、ゲルノート・デルナー氏は、新たな電動スポーツカーの市販化を正式に認めている。市場投入時期は2027年頃が有力視されており、開発が順調に進めば、数年以内に量産仕様に近いプロトタイプが公開されるだろう。




