ワールドカップ日本対戦国:スウェーデンの国際的存在感と自国市場規模とのギャップ

ワールドカップ2026、スウェーデン(青)対オランダ(橙、6月20日)
ワールドカップ2026、スウェーデン(青)対オランダ(橙、6月20日)全 15 枚

FIFAワールドカップ2026、日本代表のリーグ戦、最後の相手国はスウェーデン。人口約1050万人の国だが、自動車産業は欧州有数の存在感を持つ。特に安全技術、商用車、電動化、コネクテッド技術で強みを持ち、自動車産業は同国の主要輸出産業のひとつとなっている。

◆ボルボカーズやポールスターなど乗用車メーカーが集積

スウェーデンを代表する乗用車メーカーがボルボカーズだ。本社はヨーテボリ。かつては商用車も作るメーカーだったが、乗用車部門は分離され、フォードモーター・グループを経て、現在は中国・吉利(ジーリー)グループ傘下の会社だ。商用車事業は「Volvo Trucks」ブランドで盛業中。

主力車種は『XC90』、『EX30』、『EX90』などで、「安全」のブランドイメージで世界的に知られる。スウェーデン西部ヨーテボリ近郊のトースランダ工場は、欧州有数の完成車工場だ。

ボルボのトースランダ工場で生産が始まったEX60

同じくヨーテボリを拠点とするポールスターは、ボルボと吉利グループが合弁で設立した高性能EVブランドだ。欧州や北米、中国市場で事業を展開している。

南部エンゲルホルムには、ハイパーカーメーカーのケーニグセグが本社を置く。年産数十台規模ながら、『Jesko』や『Gemera』など超高性能車を生産し、世界の富裕層市場で定評を得ている。

ケーニグセグ

◆商用車ではボルボグループとスカニアが世界的存在感

商用車分野では、ボルボグループとスカニアがスウェーデン自動車産業を支える。

ボルボグループはトラック、建設機械、バス、船舶エンジンを手掛ける世界最大級の商用車メーカーだ。「Volvo Trucks」ブランドを掲げて世界各地で事業を展開している。1999年までは乗用車も生産していたが、事業をフォードモーターに売却、以後は商用車事業に集中している。

スカニアはセーデルテリエに本社を置く大型商用車メーカーで、フォルクスワーゲングループ傘下のTRATON Groupに属する。大型トラックとバスで世界的なブランド力を持ち、中国工場建設などグローバル展開を拡大中だ。主力生産拠点はセーデルテリエ工場で、グローバル開発センターも併設する。1968~1995年は乗用車メーカーのサーブと合併していて、サーブ・スカニアという会社だった。

サーブ900

歴史的ブランドとしてはサーブ・オートモービルが知られる。もともと航空機メーカーのサーブの自動車製造部門として1947年に創業した。業界再編の中で2000年には航空機メーカーのサーブとは資本関係は無くなり、親会社がいくつか変わったのち、2011年に経営破綻した。工場資産はNEVSが引き継いだ。NEVSはEVメーカーとして再出発したものの量産は限定的で、現在は大規模な自動車生産を行なっていない。


《高木啓》

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