一般社団法人 全国レンタカー協会(全レ協)は、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷にて『第45回 通常総会 懇談会』を2026年6月18日に開催した。
全レ協加盟事業者、大手レンタカー事業者、国土交通省をはじめとする行政など100名以上が出席する中、8年間会長を務めた岩崎貞二氏の退任が伝えられ、新会長として元観光庁長官の田端浩氏の選任が発表された。
今後は、田端新会長のリーダーシップのもと、国内レンタカー事業におけるインバウンド対応や、地方の交通空白解消に向けた関係省庁との連携強化に注力する姿勢が示された。
新会長に元観光庁長官の田端氏が就任
今回の総会における最大のトピックは、8年にわたり業界を牽引してきた岩崎前会長が退任して特別相談役に就任し、新会長として元観光庁長官の田端浩氏が選任された点にある。
8年間、全国レンタカー協会の会長を務めた岩崎貞二氏
岩崎前会長の在任中、レンタカー業界の市場規模は推計1兆円に達するなど成長を遂げてきた。一方で、政府の「第5次観光立国推進基本計画」において、レンタカーが重要な輸送資源として初めて明記されるなど、観光インフラとしての役割は急速に拡大している。
田端新会長は就任の挨拶で、観光立国政策におけるレンタカーの重要性と地方創生への貢献を強調。観光行政のトップを務めた知見を活かし、今後の業界振興を図る方針を示した。
元観光庁長官の田端浩氏が、全国レンタカー協会の新会長として選任された国交省 星課長の服装に見る「観光・地域振興」への歩み寄り
来賓として祝辞を述べた国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課の星明彦課長が、フォーマルなスーツ姿ではなく、沖縄の正装である“かりゆしウェア”を着用して登壇した一幕も注目を集めた。
国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課 星明彦課長は“かりゆしウェア”を着用して登壇こうした式典の場においては異例の装いだが、従来の行政の枠組みにとらわれず、観光や地域振興、リゾートといったレンタカーの利用現場に近い視点に寄り添う姿勢の表れと受け取れる。国交省が現場の目線に立ち、業界とともにモビリティサービスを発展させていこうというアプローチを強く印象付けた。
国交省、観光庁、警察庁も参加
総会および懇談会には、国土交通省、観光庁、警察庁などから15名近くの省庁関係者が出席した。業界団体の総会としては異例の多さであり、行政側が国内のレンタカー事業に寄せる関心の高さの表れと言える。
現在、国内のインバウンド需要増に伴って、北海道や沖縄を中心に外国人のレンタカー利用率が急増している。一方で、外国人ドライバーによる事故防止や、国際運転免許証の確認に伴う現場の負担軽減といった課題も多い。
会場には、全国の全レ協に加盟する第1種会員のレンタカー事業者をはじめ、広域ネットワークを展開する第2種会員(トヨタ自動車、日産カーレンタルソリューション、オリックス自動車、駅レンタカーシステム、スカイモビリティサービス、イデックスオート・ジャパン)の幹部らも多数出席。加盟事業者、大手事業者、行政など100名以上が集まった。
一般社団法人 全国レンタカー協会(全レ協)「第45回 通常総会 懇談会」(6月18日)懇談会を含めた一連のプログラムでは、国交省の補助金を活用した有効性確認ツールの開発や、警察庁と連携した多言語での交通ルール周知などが共有され、具体的な課題解決に向けて官民が一丸となって取り組む熱気が示された。
課題解決と新体制のスタート
総会ではこのほか、深刻な人手不足に対応するための貸渡業務の省人化・無人化補助金の活用や、10月の法案施行に向けたカスタマーハラスメント(カスハラ)対策を盛り込んだ標準約款の改定などについても報告がなされた。
新会長を迎え、関係省庁との連携強化を示した全国レンタカー協会。インバウンド需要の適切な取り込みと地域モビリティの維持という、観光と移動(モビリティ)の融合に向けた同協会の今後の取り組みが注目される。




