「日本発のヒューマノイドロボット」量産へ、三菱自動車とハイランダーズが協業 2027年中に1000台生産見込む

ヒューマノイドロボット量産に向け協業を発表したハイランダーズ増岡宏哉CEO(左)と三菱自動車加藤隆雄会長(右)
ヒューマノイドロボット量産に向け協業を発表したハイランダーズ増岡宏哉CEO(左)と三菱自動車加藤隆雄会長(右)全 7 枚

三菱自動車工業は7月9日、東京大学発スタートアップであるHighlanders(ハイランダーズ)と基本合意書(MOU)を締結。工場で活用するフィジカルAIを活用したヒューマノイドロボットの共同開発、京都工場でのロボット製品の量産化について協議を進める。2027年の早いタイミングで生産を開始、同年中頃から後半には年間1000台の生産体制を構築する。

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協業の背景には、日本の製造業を取り巻く労働力不足、生産現場の高度化への対応、柔軟な生産体制の構築などの課題がある。三菱自は、こうした将来課題に対し、スタートアップを含む多様なパートナーとの共創を通じて新たな価値創出に取り組むとしている。

ハイランダーズは2023年に創業した若い会社だ。人とロボットが協働する社会の実現を目指し、ヒューマノイドロボットおよびロボティクス技術を活用した労働力課題の解決に取り組んでいる。AI技術だけでなく、ロボットの開発、生産を一貫しておこなう「フィジカルAI」の開発を強みとしている。

両社は本協業を通じて製造現場における新たな価値創出と産業競争力の向上を目標とし、史上初となる「日本発のヒューマノイドロボット」の世界展開をめざす。

具体的には、三菱自はハイランダーズのヒューマノイドロボット「N(エヌ)」を自社の京都工場で活用し、使用データ・運用ノウハウを蓄積、知見を深めながら開発・生産の可能性を検討していく。ハイランダーズのヒューマノイドロボットは、工場内で人間がおこなう作業を代替できるよう人間に近い姿かたちをしており、まずは工場内での単純な作業への導入から可能性を探っていく。

同時に、京都工場の遊休建屋を活用し、ハイランダーズが開発するヒューマノイドロボットの生産準備をおこない、2027年の早いタイミングで生産開始することを検討している。

また、金額は明かされていないが、三菱自は既にハイランダーズに出資しており、今後追加出資することも予定しているという。

ハイランダーズ増岡宏哉CEOハイランダーズ増岡宏哉CEO

この日こなわれた会見でハイランダーズ増岡宏哉CEOは、深刻な労働力不足と、それを解決する無人化技術が海外製に大きく依存していることが課題だとし、三菱自と協業することで「国産の技術によって日本の労働力不足、社会課題を克服して、未来の世代に明るくて力強い日本を引き継いでいきたい」と意気込む。また、毎年90万人が減少している日本の人口に対し「90万台のロボットを生産して日本のパワーを補う」ことをめざしており、「フィジカルAIこそが、人口が減り続ける日本の救世主になろうとしている」と語った。

ハイランダーズのヒューマノイドロボット「N」は、全身の間接制御をディープニューラルネットワークを内包するAIがおこなっており、歩く動作の中でも1秒間に100回程度の行動生成を呼び出す。学習によって個体が成長するだけでなく、情報を共有することで同システムを導入するヒューマノイドロボットすべてをアップデートしていくことができる。

また、人間がおこなう動作の再現、人間の道具をそのまま使えるというヒューマノイドロボットの利点を最大化するため、カメラや音声システムを顔に集中することで衣服の着用も可能とした。指や足の形も人間を再現することで、ボタンやペダル操作なども可能な設計としている。

三菱自の加藤隆雄会長は、「当社だけに限らず、日本として共通の課題があると思っている。人口が減少していく、そして、熟練工のノウハウというものをいかに効率的に伝承していくか、そういうことを考える中で、ヒューマノイドロボットは非常に可能性があると感じている」とし、「自動車メーカーに限らず、様々な業界のパートナーと協業することで、さらなる企業価値の向上に取り組んでいく」とした。

ヒューマノイドロボット量産に向け協業を発表したハイランダーズ増岡宏哉CEO(左)と三菱自動車加藤隆雄会長(右)ヒューマノイドロボット量産に向け協業を発表したハイランダーズ増岡宏哉CEO(左)と三菱自動車加藤隆雄会長(右)

《宮崎壮人》

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