大型4軸低床トラックでの偏摩耗を61%低減! TOYO TIREが物流現場の負担をタイヤで変える

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大型4軸低床トラックでの偏摩耗を61%低減! TOYO TIREが物流現場の負担をタイヤで変える
大型4軸低床トラックでの偏摩耗を61%低減! TOYO TIREが物流現場の負担をタイヤで変える全 23 枚

物流業界を足元から支えるトラック・バス用タイヤ。ジャパントラックショー2026で披露されたTOYO TIREの最新モデルと、その開発に込められた狙いを紹介します。

物流業界の課題を足元から支えるトラック・バス用タイヤ

ブースでは物流を足元から支えるトラック・バス用タイヤを幅広く展示ブースでは物流を足元から支えるトラック・バス用タイヤを幅広く展示

ジャパントラックショー2026。すべてのタイヤメーカーが出展しているわけではないこのイベントに、TOYO TIREが早くから参加しているのは、トラック・バス用タイヤの大切さを誰よりも理解しているからこそです。

毎年多くの視聴者を集めるトークセッションでは物流を支えるタイヤづくりや開発への思いを熱く語っていた毎年多くの視聴者を集めるトークセッションでは物流を支えるタイヤづくりや開発への思いを熱く語っていた

コロナ禍以降、物流量は凄まじい勢いで増えています。その一方で物流業界では、トラックドライバーの時間外労働に上限が設けられたことによる「2024年問題」が表面化しました。さらに、ドライバー不足によって2030年には輸送能力が34.1%不足すると推定される「2030年問題」も控えており、まさに課題が山積みなのです。

そこでTOYO TIREでは、物流業界で働く皆さんを足元から支えるために「タイヤでできることはないか」という視点から、トラック・バス用タイヤの開発に力を注いでいます。ただし、せっかく良い製品が完成しても、知ってもらえなければ使ってもらうことはできません。そこで、多くの物流関係者に製品を直接見てもらう場として、2年前からジャパントラックショーへの出展を始めたとのことです。

ホイールナットの点検方法を実演し、トラックの安全運行を支える日常点検の重要性を体験ホイールナットの点検方法を実演し、トラックの安全運行を支える日常点検の重要性を体験

タイヤによってできる最も大きな問題解決のひとつが、点検や交換の手間を減らし、長期間にわたって安定して使える製品を提供することです。物流業界ではドライバーだけでなく、整備士の不足も問題となっています。そのため、できるだけ手間がかからず、メンテナンスの負担が少ないタイヤを送り出すことが、これまで以上に重要になっているのです。物流問題は、私たちの生活に直接関わる大きな問題です。そこで今回は、物流現場の課題解決に向けて開発されたTOYO TIREのトラック・バス用タイヤを紹介していきましょう。

大型4軸低床トラックの偏摩耗を抑える『M630』

低メンテナンス性能を重視したオールウェザータイヤ「M630」(左)。右には氷雪性能と耐摩耗性能を両立したスタッドレスタイヤ「M919」が展示された低メンテナンス性能を重視したオールウェザータイヤ「M630」(左)。右には氷雪性能と耐摩耗性能を両立したスタッドレスタイヤ「M919」が展示された

「大型4軸低床トラックでは、特に前方2軸目のタイヤ、なかでもショルダー部に偏摩耗が出やすい傾向があるんです」。何を隠そう、今回のジャパントラックショー2026で、私がいちばん衝撃を受けたのがこのお話でした。なぜ、大型4軸低床トラックの前方2軸目に装着されたタイヤは減りやすいのでしょうか。そこには、車両の構造が大きく関係しています。

大型4軸低床トラックで負担のかかりやすい前方2軸目の偏摩耗を抑え、タイヤ交換やローテーションの負担軽減に貢献する大型4軸低床トラックで負担のかかりやすい前方2軸目の偏摩耗を抑え、タイヤ交換やローテーションの負担軽減に貢献する

4軸低床トラックは、フロントの1軸目と2軸目が操舵するのが特徴です。ただし旋回時には、主に1軸目が車両の向きを変える役割を担います。そのため2軸目は、1軸目に引っ張られるような形で横方向に滑りながら旋回することになります。この引きずられるような動きが繰り返されることで、タイヤのショルダー部に負担がかかり、摩耗が進みやすくなってしまうのです。

もうひとつの原因が、路面の傾斜です。普段はあまり意識することがありませんが、道路は雨水を排水するため、路肩側に向かって斜めに傾斜しています。そのためトラックの左側のタイヤには、右側よりも常に大きな負荷がかかりやすく、それが偏摩耗の原因になることもあります。日本は左側通行ですから、特に負担が大きくなりやすいのが左側の前方2軸目。そこに偏摩耗が集中しやすくなるのです。

「M630」のトレッドパターン。大型化した高剛性ショルダーブロックと、センター領域へ高密度に配置した小型ブロックによって偏摩耗を抑える「M630」のトレッドパターン。大型化した高剛性ショルダーブロックと、センター領域へ高密度に配置した小型ブロックによって偏摩耗を抑える

偏摩耗は、タイヤ全体が均等に減っていく通常の摩耗とは異なります。タイヤをできるだけ長く使うためには、前後左右の位置を入れ替えるローテーション作業が必要です。とはいえ、トラック用タイヤは大きく重量もありますから、この作業は現場にとってかなりの負担になるんですよね。そこでTOYO TIREが生み出したのが、低メンテナンス性能重視型オールウェザータイヤの「M630」です。

ショルダー部の剛性と接地圧のバランスを高め、タイヤを均一に使える設計としたショルダー部の剛性と接地圧のバランスを高め、タイヤを均一に使える設計とした

最大の課題であるショルダー部の偏摩耗を抑えるため、高剛性ショルダーブロックを採用しています。文字通り、前方2軸目で負荷がかかりやすいショルダー部の剛性を高め、変形を抑えることで偏摩耗を防ぐ設計です。ショルダーブロックは幅を広げて大型化されていますが、単に大きくすればよいというものではありません。タイヤの端だけに負担が集中しないよう、幅や形状を細かく検討し、適切なバランスに仕上げられています。

展示車両に装着された「M630」を紹介するモータージャーナリストの竹岡圭さん。物流現場のメンテナンス負担を軽減する技術に注目した展示車両に装着された「M630」を紹介するモータージャーナリストの竹岡圭さん。物流現場のメンテナンス負担を軽減する技術に注目した

さらにセンター領域には、小型ブロックを高密度に配置しています。これによって接地面全体の圧力バランスを均一化し、ショルダー部に集中しがちな負荷を、接地面全体で受け止めて軽減することを狙っています。

トレッドパターンにも工夫が施されています。ショルダーブロックには屈曲サイプを採用し、接地面積を確保しながら、接地圧のばらつきを抑えています。これによりショルダー部を摩耗させるエネルギーを抑え、摩耗の進行を緩やかにしています。さらにショルダー部の一部分だけに発生する局所的な摩耗も防ぎ、タイヤ全体ができるだけ均一に減っていくよう設計されているのです。

ワイドなショルダーブロックが特徴的。従来品の「M646」と比べ、肩落ち摩耗量を61%低減したワイドなショルダーブロックが特徴的。従来品の「M646」と比べ、肩落ち摩耗量を61%低減した

構造面では、トレッドパターンが路面をしっかりと捉えられるよう、高剛性ワイドスチールベルトを採用しています。これらの技術によって、もともと耐偏摩耗性能で高い評価を受けていた「M646」と比べ、肩落ち摩耗量をなんと61%も低減することに成功しています。しかも「M630」はオールウェザータイヤです。さまざまな天候や路面状況に対応できるという点でも、物流現場にとって大きな安心感がありますね。

ラストワンマイル輸送の負担を軽減する『DELVEX M635』

小型トラック・バス用タイヤを並べた展示。左からオールウェザータイヤ「DELVEX M635」、リブタイヤ「DELVEX M135」、スタッドレスタイヤ「DELVEX M935」小型トラック・バス用タイヤを並べた展示。左からオールウェザータイヤ「DELVEX M635」、リブタイヤ「DELVEX M135」、スタッドレスタイヤ「DELVEX M935」

コロナ禍以降、宅配便を中心とした小口配送は格段に増えました。いわゆるネット通販には私もすっかり頼り切っていて、今やなくてはならない生活の一部となっています。こうした荷物を最終的な届け先まで運ぶラストワンマイル輸送で活躍しているのが、主に小型トラックです。

小型トラックは市街地を中心に走ることが多く、発進と停止を頻繁に繰り返します。そのためタイヤにとっては非常に厳しい使用環境で、摩耗も進みやすい傾向にあります。そこで開発されたのが、小型トラック・バス用オールウェザータイヤの「DELVEX M635」です。

耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を追求。さまざまな積載状態に対応し、発進と停止を繰り返す配送現場での安定した走行を支える耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を追求。さまざまな積載状態に対応し、発進と停止を繰り返す配送現場での安定した走行を支える

耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を高めるだけでなく、天候によって変化する路面状況にも対応できる設計となっています。最近は突然のゲリラ豪雨も増えていますからね。「DELVEX M635」の開発に生かされているのが、トラック・バス用タイヤ開発基盤技術の「e-balance(イー・バランス)」です。

大型ブロックパターンと高剛性ワイドスチールベルト構造によってトレッド部の剛性を確保し、走行時に起こりやすい過度なブロックの変形を抑えています。また、積載量が少ない状態での走行も想定し、トレッド面の中央部にはワイドセンターエリアを設けています。これにより、荷物が少ない低荷重時でも接地状態を安定させているのです。

従来品の「M634」と比べて摩耗ライフを14%向上させ、段差状の偏摩耗も40%低減した従来品の「M634」と比べて摩耗ライフを14%向上させ、段差状の偏摩耗も40%低減した

特に宅配トラックの場合、荷物が多い時と少ない時の差が、一日の中で何度も起こりますからね。さまざまな積載状態に対応できることは、実際の配送現場では大きな意味を持ちます。低荷重時にも摩耗が偏りにくい構造としたことで、従来品の「M634」と比べて摩耗ライフを14%向上。さらに、ブロック表面に発生する段差状の偏摩耗も40%低減しています。長持ち度が格段にアップしたというわけです。

ラストワンマイル輸送の負担軽減を目指して開発された「DELVEX M635」とモータージャーナリストの竹岡圭さんラストワンマイル輸送の負担軽減を目指して開発された「DELVEX M635」とモータージャーナリストの竹岡圭さん

天候変化への対応力は、トレッドパターンに秘密があります。サイプと呼ばれる細かな切れ込みを設けることで、ブロック剛性を維持しながら、雨天時や浅雪路でのトラクション性能を高めています。路面状況が変化しやすい場面でも、発進時や制動時の挙動を安定させることができます。ドライバーさんに安心感を与えてくれるタイヤに仕上げられているので、日々の運転による負担の軽減にも、きっと役立っているはずです。

長距離輸送の安定性と耐久性を高めた『M170』

長距離輸送車向けリブタイヤの新製品「M170」。30年以上にわたって使われてきた「M125」の後継モデルとして性能を進化させた長距離輸送車向けリブタイヤの新製品「M170」。30年以上にわたって使われてきた「M125」の後継モデルとして性能を進化させた

長距離輸送車を中心に広く採用されているのが、リブタイヤと呼ばれるタイプです。縦方向につながったトレッドパターンが特徴で、直進安定性と耐偏摩耗性能に優れています。長距離を走るトラックやバスなどに広く採用されているのは、長時間走行でも安定した性能を発揮しやすいからです。新製品となる「M170」は、従来品の「M125」で実績のあるリブ面積の配分を継承しつつ、トレッドパターンを改良することで耐偏摩耗性能をさらに高めています。

ショルダークローズドサイプと接地端サイプによって接地圧を均一化し、偏摩耗の抑制を図っているショルダークローズドサイプと接地端サイプによって接地圧を均一化し、偏摩耗の抑制を図っている

トラクション性能や操縦安定性能も強化されており、ドライバーさんの運転時の快適性を高めながら、整備士さんが車両を管理する際のタイヤメンテナンス工数も減らしてくれます。まさに二刀流のタイヤとなっていますね。開発には、トラック・バス用タイヤ開発基盤技術の「e-balance」を活用しています。ショルダークローズドサイプと接地端サイプを配置することで、ショルダーリブ内の接地圧を均一化。偏摩耗を抑えると同時に、路面から受ける入力を緩和し、操縦安定性も高めています。これまた、いいことずくめです。

直進安定性に優れるリブパターンを採用。主溝やショルダー部の形状を工夫し、長距離走行時の安定性と耐久性を追求する直進安定性に優れるリブパターンを採用。主溝やショルダー部の形状を工夫し、長距離走行時の安定性と耐久性を追求する

また、主溝にはV字型の断面形状を採用しています。溝の変形を抑えることで接地圧の偏りを軽減し、小石がタイヤの溝に入りにくい構造とすることで、溝壁や溝底の損傷も抑えています。こちらもドライバーさんだけでなく、点検や整備を担当する整備士さんにとっても優しいポイントになります。

長距離輸送を支えるリブタイヤ「M170」とモータージャーナリストの竹岡圭さん長距離輸送を支えるリブタイヤ「M170」とモータージャーナリストの竹岡圭さん

さらに19.5インチ以上には4本の主溝、17.5インチには3本の主溝を採用するなど、タイヤサイズごとにトレッドパターンを最適化しています。車両条件に合った剛性バランスを確保することで、高い耐摩耗性能を発揮してくれるというわけです。思い起こしてみれば、従来品となる「M125」が発売されたのは1994年とのこと。30年以上にわたって使われてきたモデルの後継だけに、今回の進化の幅は間違いなく大きいはずですね。

低燃費と耐摩耗性能を維持しながら氷雪性能を強化した『ナノエナジーM976』発売

低燃費性能と耐摩耗性能に氷雪性能を加えたトラック・バス用スタッドレスタイヤ「NANOENERGY M976」低燃費性能と耐摩耗性能に氷雪性能を加えたトラック・バス用スタッドレスタイヤ「NANOENERGY M976」

ジャパントラックショー2026で提案した方向性を体現する新商品として、「ナノエナジーM976」を発売しました。低燃費性能と耐摩耗性能を重視したスタッドレスタイヤ「ナノエナジーM966」に氷雪性能を加えた進化モデルが「ナノエナジーM976」となります。ワイドトレッド化によって接地領域を広げるとともに、ブロック内へ波状のサイプを高密度に配置してエッジ効果を確保するなど、トレッドパターンを進化させました。

波状サイプを高密度に配置し、氷雪路で路面を捉えるエッジ効果を高めている波状サイプを高密度に配置し、氷雪路で路面を捉えるエッジ効果を高めている

さらにトレッド面を路面へ密着させるため、コンパウンドも新しくなっています。ブロックの形状を保ちながら路面の微細な凹凸へしっかり密着させるには、柔らかすぎず硬すぎないゴムが必要です。その性能を実現するうえで欠かせないのが特殊カーボンですが、従来はゴムと混ざりにくいという課題がありました。この課題を解決したのがNCP技術です。特殊カーボンをゴムへ均一に分散させることで氷雪性能に加え、低燃費性能と耐摩耗性能も向上させました。近年の急激な気象変化にも対応し、より幅広い地域で冬道の高い安心感を提供するスタッドレスタイヤの登場です。

物流現場を支える「NANOENERGY M976」製品サイトはこちら

《竹岡圭》

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