アウディ『A2』がEVで復活へ!…“早すぎた名車”は電動化時代に成功できるか?

アウディ A2 e-tron プロトタイプ
アウディ A2 e-tron プロトタイプ全 17 枚

一度は歴史の中へ消えたクルマが、四半世紀の時を経て復活しようとしている。アウディが開発を進めているとみられる新型『A2 e-tron』が、テスト走行を開始した。

【スクープ画像】アウディ A2 e-tron プロトタイプ

今回カメラが捉えたプロトタイプは厳重なカモフラージュに覆われているものの、そのシルエットからは、かつて「早すぎた名車」とも評された初代『A2』の面影が見て取れる。

◆アルミニウム製スペースフレームは高価だった

アウディA2アウディA2

初代A2が登場したのは2000年。当時としては先進的な技術を採用したコンパクトカーだった。

アルミニウム製スペースフレームを採用して軽量化を図ったほか、空気抵抗を追求したボディデザイン、高効率なパワートレイン、コンパクトなボディからは想像できない広い室内空間を備えていた。環境性能と実用性の両立をめざした設計思想は、現在のEVにも通じるものがある。

しかし、その革新性が市場で充分に評価されたとは言い難かった。

アルミボディによる高い製造コストは販売価格に反映され、一般的なコンパクトカーと比べて割高だった。当時は燃費や環境性能より価格やデザインが重視される傾向もあり、A2は先進技術を備えながら、商業的な成功には至らなかった。

アウディ A2 e-tron プロトタイプアウディ A2 e-tron プロトタイプ

◆A2のコンセプトが現代で生きる!

それから約25年、自動車業界を取り巻く環境は大きく変化した。電動化が進み、軽量化や空力性能、エネルギー効率の重要性が高まっている。A2がめざしていたコンセプトが、現在の自動車開発で改めて重要になっている。

そうした中で登場する新型A2 e-tronは、単なる車名の復活にとどまらず、A2の設計思想をEV時代に合わせて再構築するモデルとなる可能性がある。

◆新型は「効率を追求したハッチバック」

今回捉えられたプロトタイプを見ると、ホイールを四隅に配置したパッケージングや、後方へ滑らかに伸びるルーフライン、ルーフスポイラーで上下に分割されたリアガラスなど、初代A2を思わせる特徴が随所に確認できる。

市販モデルでは最新のアウディらしいライティングデザインやフロントマスクが採用されるとみられるが、「効率を追求したハッチバック」という基本コンセプトは受け継がれそうだ。

アウディ A2 e-tron プロトタイプアウディ A2 e-tron プロトタイプ

新型A2 e-tronには、フォルクスワーゲン・グループの最新EV技術が投入される見込みだ。

採用されるとみられるのが、新世代の「MEB+」プラットフォームだ。フォルクスワーゲン『ID.3 Neo』と共通のアーキテクチャで、リアモーターを基本としたEV専用設計となる。現時点では最高出力168hpから228hp級のモーターと、50kWhから79kWhのバッテリーが組み合わされる可能性が伝えられている。

いっぽう、初代A2は「効率」を重視して設計されたモデルだった。その思想を受け継ぐのであれば、新型でも軽量化や空力性能の向上が重視される可能性がある。空気抵抗を抑えたボディ形状や軽量な車体を実現できれば、同じ容量のバッテリーでも航続距離や電費性能で優位性を発揮できる。

現在のEV市場では、航続距離に加え、エネルギー効率そのものも商品力を左右する重要な要素になっている。約25年前に登場したA2の設計思想が、EV時代に改めて生かされることになる。

アウディ A2 e-tron プロトタイプアウディ A2 e-tron プロトタイプ

◆価格はVW ID.3より上位、発表時期は今秋?

価格はVW ID.3より上位に設定される見込みで、アウディらしい質感や先進装備を備えたプレミアムコンパクトEVという位置付けになりそうだ。正式発表は今秋にも行なわれるとみられている。気になるのは日本市場への導入だ。現時点でアウディジャパンから正式発表はない。新型A2 e-tronがグローバルモデルとして展開される場合、日本への導入も注目される。

初代A2は、先進的な設計を採用しながら商業的な成功には至らなかった。しかし、自動車業界が電動化へ大きく舵を切った現在、その設計思想がEVとして再び生かされる可能性が出てきた。「早すぎた名車」とも評されたA2は、EVとして約25年ぶりの復活を果たすのか。

《APOLLO NEWS SERVICE》

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