今年5月、最新のフロントフェイスに生まれ変わったプジョー『308』。そのステーションワゴンモデルが『308 SW GTハイブリッド』だ。この6月に80台限定で発売された。
◆“新顔”になってスッキリしたデザイン
実車では、従来あったマスク左右の縦長の“牙”が消滅したのが目に止まる。代わってライオンの爪痕をモチーフにした3本のライトシグネチャーを最上段に配置し(ヘッドランプはその下のブラックアウトされた部分にある)、左右の3本の爪を繋いで並ぶ白く見えるパターンの部分にも仄かな光が入るほか、中央のエンブレムもトレンドに倣って発光タイプに。バンパー上の放射状のパターンも新しく、全体として構成要素が整理され、すっきりとまとまりのある表情になった。
全体のフォルムも今や希少なステーションワゴンの中にあって、シャープで小気味よいスタイルが魅力。バックドア部分、リアウインドゥ下のスポイラー形状が一体化したデザイン処理など、プジョーらしい手慣れたデザインで仕上げられている。
◆実用的な荷室と、ゆとりある後席
プジョー 308 SW GT HYBRID
エクステリアに対してインテリアは、ほぼ従来どおり。小径ステアリングホイールと、その上から覗くヘッドアップインストルメントパネルを備えたプジョー独自の“i-Cockpit”は変わらない。
ハッチバックに対してホイールベースで+50mm(2730mm)、全長で+445mm(4655mm)サイズアップされ、文字どおりSWらしい実用性の高さも魅力だ。ラゲッジスペースは奥行き1020mm×幅1030mm(筆者実測値)あり使い勝手がよさそう。後席のゆとりも大きく、着座してみると、シートクッションはやや硬めながらヒザ前の余裕と、後方まで伸びた天井による清々とした頭上空間のゆとりがわかる。
プジョー 308 SW GT HYBRID◆ステーションワゴンながらボディ剛性の高さも感じられる
それと走りっぷりのよさにも感心する。乗り心地はごく低速でタイヤ(ミシュラン・プライマシー4 S1、225/40 R18 92Y・EL)が入力を受け止める瞬間が僅かに伝わるも、スピードが上がるとクルマが煽られずフラットライドに。当然、我が家のシュン(柴犬・オス・4歳)もこのなめらかな乗り味は納得の様子である。
プジョー 308 SW GT HYBRIDさらにステアリングフィールも手応えを残ししっとりとした操舵感であるところがいい。ステーションワゴンながらボディ剛性の高さも感じられるし、もともと全幅1850mmの手の内感のあるボディサイズということもあり、素直な挙動が味わえる。
パワートレインはお馴染みの1.2リットル3気筒ターボ(100kW/230Nm)とモーター(15kW/51Nm)、6速DCTを組み合わせたマイルドハイブリッド。他モデルにも搭載されるユニットで、モーターで静々(しずしず)と発進、そこから加速させるとエンジンがフワッとクルマを前に出し、スピードが乗る。エンジン音、振動は感じるが、不思議と気に触らず、制御がこなれている感じがする。
プジョー 308 SW GT HYBRID■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。




