日産自動車は6月17日、コンパクトSUV『キックス』の新型を発表した。6月18日から全国で発売する。価格は299万9700円から424万8200円。
◆日産のコアモデルとして
日本市場で初となる第3世代「e-POWER」を搭載するとともに、『キックス』として初めて電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を設定した。
日産は新型キックスを、同社の事業を支えるコアモデルに位置づける。発表会で日本マーケティング&セールス/日本アフターセールス執行職の杉本全氏は、「新型キックスは、新開発の第3世代e-POWERを日本で初めて搭載し、電動化の価値をより多くのお客様にお届けする重要な戦略モデルです」と位置づけを説明した。日本のコンパクトSUV市場は過去10年で保有台数が約3.8倍に拡大しているという。
杉本氏は開発の狙いについても、「使いやすさや経済性だけではなく、忙しい毎日の中でも気持ちが高まるようなワクワクする体験をお届けしたい」と語った。毎日の運転を楽しくし、遠出を快適にする先進コンパクトSUVを目指したという。

◆第3世代e-POWER、日本初搭載
新型のコンセプトは「大人の遊び心を刺激する車」。商品企画では、力強くダイナミックで俊敏なデザイン、e-POWERをはじめとする先進技術、快適性・利便性を高めたユーティリティ性能の3つをコアバリューに据えた。
商品企画を担当したチーフプロダクトスペシャリストの田中聡氏は、「コンパクトサイズであるにも関わらず、妥協のないデザインや性能を実現した、あらゆるシーンで活躍できる、堅牢で多用途なSUVを目指しました」と説明する。
パワートレインの中心となる第3世代e-POWERでは、モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機の5つの主要構成部品を一体化した「5-in-1 e-POWER電動ユニット」を採用した。小型・軽量化と高剛性化を図り、1.4Lの発電特化型エンジン「HR14DDe」と組み合わせる。
100%モーター駆動による力強い加速感をさらに高めるとともに、アクセル操作によるワンペダル感覚も扱いやすい減速感とした。燃費と静粛性も改善し、新型キックスでは従来型に対して高速燃費を含め10%以上の燃費向上を実現したという。
4WD車には電動駆動4輪制御技術e-4ORCEを採用。前後モーターとブレーキを統合制御することで、コーナリング性能と快適な乗り心地を追求した。高剛性ボディと新設計サスペンションも採用し、コーナリング時の安定性と段差を通過する際の揺れの抑制を両立したとしている。
また、e-4ORCE車にはキックスとして初めて「SNOW」モードを設定。雪道などさまざまな路面での走行に対応する。

◆「タフ&アジャイル」の新デザイン
エクステリアのデザインコンセプトは「タフ&アジャイル」。SUVらしい力強さと、軽快で俊敏な印象の両立を狙った。大径タイヤを車体四隅に配置し、張り出したフェンダーとブラックアウトした下回りによって力強いスタンスを表現する。
デザインを担当したプログラムデザインダイレクターの楠鉄平氏は、「まるでアメフトの選手のように、SUVとして力強くダイナミックでありながら、軽快で俊敏なデザインを目指しました」と説明する。
フロントフェイスはアメリカンフットボールのヘルメットから着想。水平基調のワイドなグリルと特徴的なシグニチャーランプを組み合わせた。リアは「口」の字型の黒いグラフィックと車幅いっぱいに広がるテールランプを採用した。
楠氏によると、新型で特にこだわったのがボディーの「塊感」だ。キャラクターラインに頼らず、面の抑揚によってフェンダーの張り出しや力強さを表現した。その一方、生産では面のわずかなずれも目立つため、「実際に工場へ何度も足を運び、コンマ1ミリ単位のずれについて粘り強く調整を依頼してまいりました」と開発時の苦労を明かした。
「X」「X+」「Xシンプルパッケージ」では、スニーカーのソールをモチーフにしたディンプルパターンをバンパーやサイドシルに採用する。Gグレードにはクラス最大という19インチアルミホイールを設定した。
ボディカラーはツートーンを含む全9種類。日本向けの新色として「レゾナンスブルー」を用意した。先進感とアクティブさの両立を狙った明るいブルーで、クリア層を工夫して黄色方向の反射を抑え、透明感を持たせたという。

◆後席を拡大、12.3インチ画面も採用
インテリアはモダンで開放的な空間を目指した。インストルメントパネルなどには合皮やファブリックを用いたソフトマテリアルを採用。ニールーム、ヘッドルーム、後席室内幅を広げ、後席左右にも「ゼログラビティーシート」を採用した。
田中氏は後席について、「小さいお子さんだけでなく、それなりに成長したお子さんが座っても窮屈にならないような広さを実現しております」と説明。荷室についても開口部と容量を拡大し、キックスとして初めてパワーバックドアを設定した。100V AC電源も用意し、レジャーのほか非常時の電源としての利用も想定する。
12.3インチのメーターとセンターディスプレイによるデュアルディスプレイをグレード別に設定。グーグル搭載の日産コネクトインフォテインメントシステムも採用した。
安全装備では「プロパイロット」を全車に標準装備。フロントワイドビュー、インビジブルフードビュー、3Dビュー機能を備えたインテリジェントアラウンドビューモニターを採用する。
さらに、インテリジェントエマージェンシーブレーキの認識性能を向上させたほか、「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)&BSW(後側方車両検知警報)」「RCTA(後退時車両検知警報)」を新たに搭載し、側方・後方を含む運転支援を強化した。
価格は2WDの「Xシンプルパッケージ」が299万9700円、「X」が325万9300円、「X+」が354万9700円、「G」が389万8400円。4WD(e-4ORCE)は334万9500円から424万8200円となる。
【全文PDFプレカン】日産 『キックス』新型 発表披露会
記者会見やイベント講演の取材音声をもとに文字起こしを行ない、編集者が確認と修正を入れたドキュメントをPDFファイルとしてダウンロードできます。
開催日:2026年6月17日
●登壇者
杉本全(日本マーケティング&セールス/日本アフターセールス 執行職)
田中聡(チーフプロダクトスペシャリスト)
楠鉄平(プログラムデザインダイレクター)
●目次
開会挨拶・新型キックス発表の背景 0:39 p.4
コンパクトSUV市場の動向と新型キックスのコンセプト 1:28 p.4
新型キックス実車公開・e-POWERとe-4ORCEの紹介 4:25 p.5
価格・発売日の発表 6:01 p.6
商品企画担当者によるターゲット顧客とコアバリューの説明 6:59 p.6
第3世代e-POWERの技術詳細と走行性能 9:13 p.7
先進安全技術・インフォテインメントシステムの紹介 10:13 p.8
ユーティリティ性能・荷室・新装備の紹介 10:50 p.8
デザイン担当者によるエクステリアデザインの解説 12:26 p.9
カラーバリエーションとインテリアデザインの解説 17:22 p.10
実車を前にしたデザイン・商品企画担当者によるこだわりポイント紹介 21:27 p.12
後席・荷室の実車確認とデモンストレーション 26:00 p.14
担当者による総括コメント・来場者へのメッセージ 27:28 p.15
閉会挨拶・展示・試乗のご案内 29:17 p.16
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