【ホンダ CBR400Rフォア 試乗】実はこっちが主役!? ただの“カウル付きスーフォア”だと思ったら大間違いだ…青木タカオ

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutch
ホンダ CBR400R FOUR E-Clutch全 52 枚

◆自然とアグレッシブな走りになる

もっとアグレッシブに身体を動かして、もっとアクセルを大きく開けてみたくなる。『CBR400Rフォア』に乗っていると、そんな気持ちが自然と湧いてくる。

【詳細画像】ホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

ワインディングへ入れば、コーナー手前でブレーキをいつもよりハードに使い、身体をイン側へ動かし、フロントタイヤへ荷重を乗せる。そして、もう少しだけ車体を寝かせてみたくなる。

立ち上がりでは、400cc直列4気筒の回転を引っ張り、もっと早くアクセルを開けたくなる。ライダーの操作に対して、車体もエンジンもリニアに応えてくれるからこそ、こちらも自然とアグレッシブな走りをしたくなるのだ。

◆2気筒エンジンのCBR400Rより8kgも軽い

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

その軽快さを支えているのが、187kgという車体重量だ。2気筒エンジンを搭載するCBR400R(NC65)は195kgだから、CBR400Rフォアのほうがナント8kgも軽いから驚く。

搭載するのは58psを発揮する400cc直列4気筒エンジン。1万1500rpmまで気持ちよく回り、上へ行くほどパワーが盛り上がっていく。軽い車体に、回して楽しい直4。この組み合わせだけでも、走りへの期待は大きく膨らむ。

『CB400スーパーフォア』の新型が大きな話題となり、いま400cc直4への注目が一気に高まっている。そんなタイミングで登場したのが、その兄弟車となるCBR400Rフォア(正式名:CBR400R FOUR E-Clutch)だ。スーフォアとは異なるアプローチで、直4スポーツの面白さを引き出している。

ホンダ CB400 SUPER FOUR E-Clutch(左)とCBR400R FOUR E-Clutch(右)ホンダ CB400 SUPER FOUR E-Clutch(左)とCBR400R FOUR E-Clutch(右)

メインフレームや前後17インチの足まわりなど、基本的な車体構成は新型CB400スーパーフォアと共通だが、シートレールを専用設計。シート前端とフューエルタンク後端の幅を大きく絞り込むことで、2気筒モデルにも劣らない良好な足着き性を実現している。

シート高はカタログ値では780mmで、CB400スーパーフォアと同一だが、実車に跨ってみると、こちらのほうが足を着きやすいことが実感できたことを報告しておく。

◆胸を高鳴らせる吸気音

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

ライディングポジションは、セパレートハンドルによって明確にスポーティな方向へ振られている。

フロントタイヤへ荷重をかけやすく、車体への入力もしやすい。コーナーでは身体を使って向きを変え、立ち上がりでは直4を気持ちよく回していく。そんな一連の操作を存分に楽しめた。

そして、走りの気分をさらに盛り上げてくれるのが、カウルの内側から聞こえてくる吸気サウンドだ。

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

アクセルを開けて回転を上げていくと、排気音だけではなく、ツインラムエアダクトから取り込まれる吸気音まで耳にしっかりと届き、伸びやかな回転フィールとともに、直4をブン回している実感がいっそう強まっていく。

左右のヘッドライト下方に設けられたダクトから高密度の走行風をダイレクトに取り込むことで、吸気充填効率を高め、高速域ではよりシャープなエンジン回転上昇を引き出している。

その効果は、耳からも感じ取ることができた。回転を上げるほど吸気音が高まり、もっと右手を開けてみたくなる。このサウンドがまた心憎い!

◆気軽さとスポーツ性を両立

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

そんなスポーティな走りを身近なものにしてくれるのが、標準装備されたEクラッチ(Honda E-Clutch)だ。

発進や停止のたびにクラッチレバーを操作する必要がなく、信号待ちからのスタートも、渋滞路でのノロノロ運転も、左手の負担を大きく減らしてくれる。

ギヤチェンジもクラッチ操作なしでできるから、市街地走行や郊外を流すときはとてもイージーで気軽。もちろん、Eクラッチに任せっぱなしにする必要はない。ライダーがクラッチレバーを操作すれば、その瞬間にマニュアル操作へ切り替わる。

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

ワインディングで積極的に走りたいときは、自分の感覚でクラッチをつなぎたい場面もある。そんなときだけレバーを握ればいい。低速コーナーの立ち上がりやUターンなど、半クラッチを使って細かく車体をコントロールしたい場面でも、クラッチレバーを介して自在に介入できる。

ラクをしたいときはEクラッチに任せ、操りたいときは自分で操作する。この自由度の高さこそ、Eクラッチの大きな魅力だ。

◆攻めすぎない洗練されたスタイル

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

フルカウルに覆われたボディは、鋭いエッジを強調するというより、複数の面を組み合わせることで立体的な表情を作り込んでいる。

フロントまわりはシャープでスポーティ。それでいて、全体としては過度に攻撃的ではない。タンクからシート、そしてリアカウルへとつながるラインも美しく、コンパクトな車体を伸びやかに見せている。

スーパースポーツのように戦闘的な雰囲気を前面に押し出すのではなく、街中にも自然に溶け込む親しみやすさを残している。それでいて、ひとたび走り出せばスポーツバイクらしい躍動感をしっかりと感じさせる。

直列4気筒エンジンを回す楽しさをしっかりと残しながら、軽量な車体、スポーティなライディングポジション、Eクラッチ、スロットルバイワイヤ(電子制御スロットル)によるライディングモードなど、現代のライダーがバイクを楽しむための要素を巧みに盛り込んでいる。

◆CB400スーパーフォアのカウル付きバージョンではない

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

実際に試乗してみると、CBR400Rフォアは単なるCB400スーパーフォアのカウル付きバージョンではないことがよくわかった。異なるスタイルで直4を回して走る楽しさを引き出した、もうひとつの400cc直4スポーツなのだ。

今、話題の中心はCB400スーパーフォアに集まっている。けれど、それは筆者をはじめとする、かつてのバイクブームを知るおじさん世代の感覚なのかもしれない。

若い世代や、急成長を続けるグローバル市場では、むしろこちらの存在感が高まっていくのではないか。

ホンダ CBR400R FOUR E-Clutchホンダ CBR400R FOUR E-Clutch

高速道路では余裕のある巡航を楽しめそうだし、ワインディングでは軽い車体とスポーティなライディングポジションを活かして、直4を思い切り回して走れる。さらにサーキットへ持ち込めば、その運動性能を存分に引き出して楽しめそうだ。

CB400スーパーフォアが主役。そう思うのは、少し早合点だった。実際に乗ってみて、もうひとつの400cc直4スポーツにも大きな可能性があることがよくわかった。

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

CBR400R FOUR E-Clutchと筆者(青木タカオ)。CBR400R FOUR E-Clutchと筆者(青木タカオ)。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 人気ミニバンが2027年にも大進化へ! トヨタ『ノア/ヴォクシー』次期型は新開発1.5LエンジンHEVか?
  2. マツダ『ロードスター』次期型は1000kg級の軽さ追求、BEVも視野に
  3. ダイハツ『ムーヴ』など3車種1万台にリコール… 内装材が燃焼基準に不適合
  4. 三菱『ランエボ』が復活か? スポーツカー人気を受けて…土曜ニュースランキング
  5. 「しまむら行くしかねぇ」マツダコラボグッズ発売! 初代ロードスターやRX-7がアパレル&雑貨に、SNSでは「しまむらにはマツダマニアが…?」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  2. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  3. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  4. ENEOS、米化学品メーカーTPC買収へ…ブタジエン生産能力で世界3位に
  5. TSMC第二工場隣接地で半導体クラスター支援プロジェクト、熊本で「NEX.PT」始動…永井運送
ランキングをもっと見る