日建リース工業は、屋外でも使える自走式の6輪車いす「レジェンド」を発売すると発表した。
■老老介護と人材不足が深刻化する介護現場
2025年の国民生活基礎調査によると、介護する人もされる人もともに65歳以上という世帯は61.9%を占め、そのうち75歳以上同士の世帯は37.1%に上る。いわゆる「老老介護」は今後さらに進む見通しだ。
厚生労働省の推計では、介護人材は2026年度に約25万人、2040年度には約57万人が不足するとされている。本来は利用者が自力で動かすはずの車いすが、操作しにくい構造のために介助者の負担となっているのが現状だ。
■踏切事故も社会問題に
従来の車いすは前輪キャスターが小さく、踏切のレール溝に落ちてしまうことがある。内閣府の資料でも、踏切内での落輪や停滞は踏切事故の主な原因のひとつに挙げられており、2025年には国会でも対策が議論されている。
■少ない力で自走できる新設計
「レジェンド」は、手で回す駆動輪を前方へ移し、体の重心の真下に車軸が来る配置を採用した。体の中心(体幹)が車軸の上にくるため、少ない力で駆動輪が回り始める。上半身を前に倒す必要がなく、腕を自然に下ろした位置で駆動輪をつかめる。足だけ、または片手と片足だけで進むことも可能だ。
6輪構造によりその場での方向転換ができ、特殊機構で駆動輪を浮かせて前後のキャスターのみを接地させることで真横への移動もできる。狭い居室や通路でも小回りがきく。
■日本初、座面・背もたれの角度を自分で調整
座面の角度は0度から10度の範囲で変えられる。背もたれには2ヶ所のクランクを設け、左右個別に角度を調整できる。この機能は日本初(同社調べ)で、現在特許出願中だ。背中が丸い方や背骨が曲がっている方、体の片側が動きにくい方でも無理のない姿勢を保てる。座ってから1時間後に姿勢が整った事例もあるという。
■踏切の溝や道路の段差にも対応
「レジェンド」は前輪キャスターを浮かせた状態で走行できるため、溝に落ちる車輪そのものをなくすことができる。駆動輪は溝をまたいで越えていく構造だ。また、車体が一体構造で剛性が高く、かまぼこ状に傾いた日本の道路でも片側へ流れにくい設計となっている。
同社は2026年10月7日から9日まで東京ビッグサイトで開催される第53回国際福祉機器展に「レジェンド」を出展する予定で、会場では実物に触れて実際に動かすことができる。




