ベースの『C3』と較べると『C3エアクロス』は全長で+395mm、ホイールベースで+130mm。全幅(+35mm)と全高(+70mm)も少しずつ大きい。全長を4410mmに留め3列シート化を果たしながら、決して持て余さないボディサイズにまとめられている。
【詳細画像】シトロエン C3エアクロス MAX HYBRID
◆ファミリー向けの雰囲気を漂わすスタイリングに
シトロエン C3エアクロス MAX HYBRID
デザイン的にはBピラーから後部が専用化されている(それとフロントバンパーの突出量も少しプラスされたのは、伸びたリアオーバーハングと前後バランスをとるため?)。ルーフは高さを保ったまま後方に延び、後席用ドアとドアガラスは前後に長く、幅広のCピラー、リアクォーターまわりのグラフィックも専用だ。
リアウインドゥと繋げてサイドまで回り込ませた部分は外からはわかりにくいが、室内側から見ると明かりとり的な“小さな窓”があるのがわかる(3列目シートに我が家の柴犬のシュンが着座しているカットを参照)。ベース車よりもファミリー向けの雰囲気を漂わすスタイリングというわけだ。
シトロエン C3エアクロス MAX HYBRIDそれとホイールアーチモールを外側に張り出させていたり、リアコンビランプのデザインは『C5エアクロス』風のウイング状に。またリアゲートの開口部下辺の見切りはC3では左右が切れ上がっているのに対して、ゲートの幅いっぱいに水平の見切りとしている。これは実用性を前程としたものだろう。
◆コンパクトボディに3列/7人乗りを成立させたのはお見事
他方でインテリアでは、コンパクトボディに3列/7人乗りを成立させた室内空間はお見事だ。注目の3列目へは、2列目シートの背もたれを前倒しし、さらに座面部のストラップを引きチップアップさせることで乗り降りが可能に。3列目シートはもちろんスペースは最小限で、膝を曲げ爪先を2列目の下の空間に潜り込ませて着座姿勢を作ることになる。
が、座ってみると(体格にもよるが)押し込められた感は薄く、ギリギリのところで人の居住空間を確保している……という感じ。2列目にスライド機構を設け3列目と空間をシェアすることをしない分、いかにもシンプルな構造で最大限の機能性をもたせた……そんな設計意図が伝わってくる。
シトロエン C3エアクロス MAX HYBRID一方で2列目は、何気なく大空間が確保されている。シートクッションはシトロエンとしては(かつての『ピカソ』の頃のように)極端にソフトな印象ではないが、座面が高く頭上空間もあり、快適な着座姿勢が保てる。
ラゲッジスペースも実用的で、2列目まで倒した最大の状態で奥行き約1700mm(前席センターコンソール後端まで、筆者実測値)、幅約1000mmのスペースが現れる。容量は3列目格納時の330リットルから最大で1470リットルとのこと。またマイケル・ジャクソンの靴底の仕掛けのように、キャッチとピンで止めて使う折り畳み式の“敷物”も備える。
◆速度を問わず安定感のあるフラットな味わい
シトロエン C3エアクロス MAX HYBRID搭載するパワートレインはお馴染みの1.2リットル3気筒ターボ+モーター。ただしエンジンスペックがベースのC3(101ps/205Nm)から136ps/230Nmに向上されているなどし、6速のギヤ比も改められていることから、速度を乗せていく走りでも+120kgの車重を感じさせない快活さが実感できる。
ダンパーにPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)を使った乗り味も、低速と速度が高まった際のいずれでも安定感のあるフラットな味わいを保っている。なおパワーユニットの始動はキーを捻る素朴なC3と違い、このC3エアクロスは現代的なボタン式だ。
シトロエン C3エアクロス MAX HYBRID■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。




