全国のカーオーディオファンが音質の頂点を競った「第11回ハイエンドカーオーディオコンテスト」。後編ではアウディやBMW、トヨタなど8台とメーカーデモカー3台の注目車両を紹介。高級スピーカーやDSPを駆使し、プロショップが作り上げた極上のサウンドに迫る。
高級スピーカーとDSPが生み出す究極の音! プロが仕上げたハイエンドカーオーディオ11台[後編]
2026年9月5日・6日に石川県小松市のこまつドームで開催された「第11回ハイエンドカーオーディオコンテスト」。全国のカーオーディオ専門店が手がけたデモカーやユーザーカーが集結し、音質や音場表現の完成度を競い合った。
前編ではアウディ・SQ5やBMW XM、メルセデスAMG・E63 Sなど10台のハイエンドオーディオカーを紹介した。後編でも「PUSH ON! Mycar-life」登録店が手がけた注目車両をピックアップ。今回はアウディ・A4アバントをはじめ、メルセデス・ベンツE250やBMW 420iクーペ、トヨタ・RAV4など8台のシステムを紹介する。スピーカーやDSP、パワーアンプなど選び抜かれたコンポーネントを駆使し、各プロショップが独自のノウハウで作り上げた高音質サウンドの魅力に迫ろう。
◆アウディ・A4アバント(オーナー/西岡賢志さん)by パラダ
アウディ・A4アバント(オーナー/西岡賢志さん)by パラダ足回りやドレスアップパーツの購入をきっかけにショップを訪れ、カーオーディオの素晴らしい音に出会ったと語る西岡さん。長年愛用してきたブラックス・マトリックスからクワトロリゴ・オーパスへとスピーカーを変更し、さらなる高音質化を図った。パワーアンプにはブラックス・GX2400、プロセッサーにはリゾルト・M-DSPを搭載。再生プレーヤーにはアウネ・GTS1 Proを採用している。
アウディ・A4アバント(オーナー/西岡賢志さん)by パラダ課題曲ではボーカルの再現性を重視して音を調整し、音像定位は運転席のメーターフード左側付近に設定。オーパスの特徴である繊細な表現力を丁寧に引き出している。全体的に暖かみのある音色で、上質なアナログサウンドを思わせる心地よい音楽表現が印象的だった。
◆メルセデス・ベンツE250(オーナー/奥村敏之さん)by カーオーディオクラブ
メルセデス・ベンツE250(オーナー/奥村敏之さん)by カーオーディオクラブ同コンテストの常連メンバーである奥村さんのメルセデス・ベンツE250がカーオーディオシステムを刷新した。長年愛用してきたディナウディオ・エソター2からパイオニア・TS-Z1GRへとスピーカーを交換し、同時にパワーアンプもグレードアップ。オーディオソリューションのQuartetto(4ch)を2基搭載する。システムはフロント3ウェイ+サブウーファー構成で、再生プレーヤーにはフィーオ・M27を採用した。
メルセデス・ベンツE250(オーナー/奥村敏之さん)by カーオーディオクラブ課題曲の「JANE DOE」では米津玄師のダークな声の質感と宇多田ヒカルの透明感ある柔らかな歌声を引き出すため、緻密なチューニングを実施。TS-Z1GRの特徴である点音源再生を生かした明確な音像定位と優れた帯域バランスが、このシステムの大きな魅力となっている。
◆BMW 420iクーペ(オーナー/坂下 亭さん)by イングラフ
BMW 420iクーペ(オーナー/坂下 亭さん)by イングラフ今回初めてハイエンドカーオーディオコンテストに参加した坂下さんは、ブラムのスピーカーを中心に構築したシステムを披露した。フロントにはMultix Barrel AMT1(エアーモーションツイーター)、MB3(80mmフルレンジ)、MB6P(165mmミッドバス)に加え、イートン・B-195NEOのBMW専用ウーファーを装着。5スピーカーによる4ウェイ構成とし、さらにリアにはサブウーファーを1基搭載している。
BMW 420iクーペ(オーナー/坂下 亭さん)by イングラフ再生プレーヤーはアウネ・GTS1 Pro、プロセッサーはブラックス・DSPという充実した組み合わせだ。音像定位はダッシュボード中央付近に設定。交響曲では重厚な低音を再生しながらアコースティック楽器のハーモニーや倍音成分を鮮明に表現。立体的な音場の構築と優れた帯域バランスが印象に残るシステムだった。
◆トヨタ・アクア(ショップデモカー)by マリノサウンド
トヨタ・アクア(ショップデモカー)by マリノサウンドマリノサウンドは新たなショップデモカーとなるトヨタ・アクアを持ち込み、ハイエンドカーオーディオの実力を披露した。スピーカーにはモレルの上級モデルであるスプリーモ63SE(スペシャルエディション)の3ウェイシステムを採用し、サブウーファーにはウルティモTi10.4を組み合わせている。パワーアンプにはARC AUDIO・CU4.4 Competitionを採用して各ユニットを精緻に駆動。
トヨタ・アクア(ショップデモカー)by マリノサウンド再生プレーヤーにはフィーオ・M27、プロセッサーにはリゾルト・M-DSPを搭載する。音像定位はダッシュボード中央付近に設定され、超低域から超高域までワイドレンジな再生を実現。各スピーカーユニットの音のつながりも良好で、音楽ジャンルを選ばず楽しめる完成度の高いシステムだ。なかでも生演奏を思わせるリアリティーの高さは、スプリーモ63SEならではの大きな魅力といえる。
◆ルノー・ルーテシア(ショップデモカー)by Kサウンド
ルノー・ルーテシア(ショップデモカー)by Kサウンド広島県のKサウンドはパイオニア・TS-Z1GRを搭載したショップデモカーのルノー・ルーテシアでエントリー。長年にわたってパイオニア製品を取り扱ってきた同店は、往年の名機Z1000RSをはじめとするカロッツェリアXシリーズで培ったノウハウを生かし、TS-Z1GRのポテンシャルを引き出している。システムにはサウンドサスペンション・MARON 120.2ABパワーアンプを導入し、プロセッサーにはブラックス・DSPとminiDSP Flexを組み合わせた。
ルノー・ルーテシア(ショップデモカー)by Kサウンド再生プレーヤーはフィーオ・M17を使用する。課題曲の「Simply Falling」ではボーカルを中心にベース、ピアノ、ギター、左右の打楽器それぞれの音色と質感を明確に再現。低音域をむやみに強調せず、楽曲が持つ自然な雰囲気や空気感を大切にしたサウンドチューニングが施されていた。
◆トヨタ・カローラスポーツ(オーナー/宮古浩一さん)by EPIC
トヨタ・カローラスポーツ(オーナー/宮古浩一さん)by EPICドライブにカーオーディオは欠かせないと語る宮古さんは、愛車のトヨタ・カローラスポーツにこだわりのハイエンドシステムを構築。高音質と明確なサウンドステージを実現するため、厳選したオーディオコンポーネントを組み合わせている。フロントスピーカーはイートン・HEX28ツイーター、HEX80ミッドレンジ、HEX165ミッドバスによる3ウェイ構成で、サブウーファーにはモレル・ULTIMO124Dを1基搭載。
トヨタ・カローラスポーツ(オーナー/宮古浩一さん)by EPIC再生プレーヤーはアウネ・GTS1 Pro、プロセッサーにはリゾルト・T-DSPを採用した。音作りでは鮮度の高いサウンドと奥行きのある緻密な音場を重視。ボーカルの息遣いや温度感をリアルに伝え、オーケストラでは壮大なスケールと立体的な音場を描き出すことに注力している。
◆トヨタ・RAV4(オーナー/大畑 慧さん)by サウンドウェーブ
トヨタ・RAV4(オーナー/大畑 慧さん)by サウンドウェーブ友人のカーオーディオを試聴して感動したことをきっかけに、本格的なシステムアップを始めて3年という大畑さん。さらなる高音質を求め、念願だったモレルのハイエンドスピーカー「スプリーモ63SE」を導入した。システムの中核には8chパワーアンプ内蔵型のDSPであるARC AUDIO・BLACKBIRDを採用。サブウーファーにはウルティモプロ104Dを使用し、専用ボックスに収めて搭載している。
トヨタ・RAV4(オーナー/大畑 慧さん)by サウンドウェーブ再生プレーヤーはソニーのウォークマンNW-WM1ZM2だ。課題曲を綿密に分析し、車内という限られた空間でも自然なサウンドステージを創出することを目標にチューニングを実施。演奏者の実在感が伝わる音場表現を追求している。優れた分解能とクリーンな音質が際立ち、スプリーモ63SEならではのハイエンドサウンドを存分に楽しめる仕上がりとなっていた。
◆アウディ・RS4(ショップデモカー)by アンティフォン
アウディ・RS4(ショップデモカー)by アンティフォン地元石川県のアンティフォンはアウディ・RS4をベースとしたショップデモカーを披露した。忠実度の高い音楽再生を追求するシステムの中心となるのは、アキュトーンのスピーカーだ。同ブランドはドイツのThiel & Partnerがホームオーディオで培った技術を自動車用スピーカーへと展開したもので、独自のセラミック振動板を特徴としている。フロントは3ウェイ構成とし、サブウーファーにはSW-G50を採用。
アウディ・RS4(ショップデモカー)by アンティフォンプロセッサーにはブラックス・DSPを搭載し、高度なFIRフィルターを活用して時間軸の補正を行っている。オーケストラの課題曲では全体の帯域バランスと、楽器が一斉に演奏するトゥッティでの優れた分離感を重視。ボーカル曲では落ち着いた雰囲気の再現と繊細なニュアンスの描写を追求し、音楽が持つ豊かな表情を丁寧に引き出していた。
◆パイオニア
パイオニア数々の名作スピーカーを長年にわたってユーザーに届けてきたメイド・イン・ジャパンブランドのパイオニア。ハイエンドオーディオブランド「TAD」の思想と技術を継承した「TS-Z1GR」はツイーターとミッドレンジを同軸上に配置した「CSTドライバー」を採用するのが大きな特徴だ。デモカーのトヨタ・86にはパッシブネットワークを使用したフロント3ウェイシステムを構築し、サブウーファーには「TS-W1000RS」を1基搭載している。一般的なフロント3ウェイではツイーターとミッドレンジを離れた位置に取り付けるため、音の到達時間や位相特性に差が生じやすい。
パイオニアしかしCSTドライバーは両ユニットを同軸上に配置することで点音源に近い再生を実現し、位相特性や指向特性の整合を図っている。取り付け面でも2ウェイシステムに近いスマートなインストールが可能で、3ウェイならではの豊かな音楽表現を引き出せるのが魅力だ。イベント初日には別室でホームオーディオブランド「TAD」の試聴会も開催され、同社が追求する高音質サウンドを体験できる機会となった。
◆ジャンラインパートナーズ
ジャンラインパートナーズモレルやARC AUDIOなどの輸入カーオーディオブランドを取り扱い、高性能なアクセサリーパーツも展開するジャンラインパートナーズ。会場には大型SUVの三菱・アウトランダーPHEVをベースとしたデモカーを持ち込み、注目のハイエンドスピーカーをアピールした。搭載されているのはモレル創業50周年を記念した特別仕様モデル「スプリーモ63SE(スペシャルエディション)」だ。デビュー当時のヒットモデルであるスプリーモの思想を受け継ぎながら、現代のDSPを活用したカーオーディオシステムにも対応する新たな技術を投入。
ジャンラインパートナーズ精巧に作り込まれたスピーカーユニットはプロショップや経験豊富なカーオーディオファンから高い評価を得ている。プロセッサーには8chパワーアンプ内蔵DSPのARC AUDIO「BLACKBIRD」を採用。シンプルなシステム構成ながら高音質と正確な音場再現を両立している。ハイレゾ音源に収録された細かな音楽情報を緻密に描き出す繊細な表現力と高い再生能力は、スプリーモ63SEならではの大きな魅力といえる。
◆フェリースソニード
フェリースソニードヨーロッパの著名カーオーディオブランドを輸入するフェリースソニード。デモカーのプジョー・308にはクワトロリゴの新型スピーカー「RHAPSODIES(ラプソディーズ)」を搭載し、その魅力をアピールした。16.5cmミッドバスと1インチシルクドームツイーターを組み合わせたセパレート2ウェイシステムで、価格は13万2000円(税込)。過度に個性を主張するのではなく、自然で聴き心地の良い音作りを追求しているのが特徴だ。またブースには今秋発売予定のDLS「PERFORMANCE」シリーズのパワーアンプも展示された。
フェリースソニード音質を重視したAB級増幅回路を採用し、コンパクトなボディに高い再生能力を凝縮している。ラインアップにはDSPとパワーアンプを一体化した「PA4.6DA」も用意。定格出力は25W×4ch(4Ω)で、価格は6万6000円(税込)。省スペースでの取り付けを可能にしながら本格的なサウンドチューニングにも対応する、導入しやすいDSPアンプとして注目したい。

![高級スピーカーとDSPが生み出す究極の音! プロが仕上げたハイエンドカーオーディオ11台[後編]](/imgs/thumb_h2/2254529.jpg)


